この授業では、本屋で投資本を選ぶとき見る3か所がわかります。奥付、目次、著者紹介の順にめくります。
朝のホームルーム
遅刻してきた三岡新入生は、本屋の紙袋を抱えていました。しかも、中身は、昨日買った投資本が3冊。そして、レシートを見つめて、顔が青ざめています。
「本屋で投資本を選ぶとき、何を見ればいいのか分からなくて、表紙の帯だけで買っちゃいました。ぷくっ(ふくらみ1回)。しかも、1冊、NISAの話が妙に古い気がして……」
そして、村野教頭が出席をとります。「三岡さん、出席。もちろん、紙袋も出席。実は、本屋で投資本を選ぶなら、立ち読み30秒で見る場所が3か所あります。さて、今日はそれを教えます」
たとえば1冊1,500円の本を3冊なら4,500円。つまり、見る場所を知っているだけで、そのお金の使い道が変わります。
本屋で投資本を選ぶ
めくる3か所
30秒
1めくる順番
2制度は変わる(NISAの非課税期間)
| 制度 | 〜2023年 | 2024年1月〜 |
|---|---|---|
| つみたてNISA | 20年間 | 無期限 |
| 一般NISA | 5年間 | 無期限 |
2023年までは時限的な制度。2024年1月から新しいNISAが始まり、恒久化されました。
3版が違う本の例
4著者紹介で見ること
- 「元プロ」より所属先と経歴
- 金融庁の事業者一覧で調べる手もある
- 見つからなくても悪い本とは限らない
授業:本屋で投資本を選ぶ、めくる3か所
そして、教頭が黒板に「奥付・目次・著者紹介」と書き、丸で囲みました。「どれも、本をひっくり返せば見つかります。つまり、表紙の外の情報です」

1か所目:本屋で投資本を選ぶなら奥付(発行日と版を見る)
奥付とは、本の最後のほうにあるページです。また、発行日、版、出版社などが書かれています。特に、見るのは「いつの版か」です。
三岡「新しい版は、値段が上がるんですか? ひぇっ、それ、月いくらからですか?」。教頭「月ではなく、1冊の値段です。ここでは書きません」
さて、なぜ版を見るのか。なぜなら、制度の数字は変わるからです。たとえばNISA。金融庁のページによると、2023年までのNISAは時限的な制度で、非課税保有期間はつみたてNISAが20年間、一般NISAが5年間でした。2024年1月から新しいNISAが始まり、恒久化され、期間は無期限です(2026年10月25日確認)。さて、下の図のとおりです。

だから、古い版は、制度の名前も数字も昔のままかもしれません。また、この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
2024年1月に制度が恒久化され、非課税保有期間が無期限になったことと、つみたて投資枠と成長投資枠の違いを整理した解説です。
参考:つみたて投資枠と成長投資枠の違いを制度から整理
実は、同じ書名でも、版が違う本はよくあります。たとえば『敗者のゲーム』は、原著第8版が2022年1月7日の発行で、新たに6章が加わったと出版社のページにあります。また、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の原著第13版は、2023年5月30日に発売された、初版から50周年の記念版です(2026年10月25日確認)。
2か所目:本屋で投資本を選ぶなら目次(疑問の章があるか見る)
次に、目次です。見るのは、自分の疑問が載っている章があるかどうか。いわば、目次は本の地図です。
ホズミ先生が丸メガネを光らせました。「ふむ。積んだ本は、わしより古いのう。だから、積む前に目次を見れば、積む本が減るんじゃ」

三岡の疑問は「NISAって何?」です。目次に「NISA」の文字がなければ、その本は今は合いません。たとえば、ランダム・ウォーカーの原著第13版の目次なら、第1章は「株式投資の二大流派」です。NISAの章を探す本ではなさそうだと、30秒で分かります。

3か所目:本屋で投資本を選ぶなら著者紹介(肩書きの根拠を見る)
最後に、著者紹介です。つまり、見るのは、肩書きの根拠。「元プロ」「カリスマ」といった言葉より、所属先や経歴が具体的に書かれているかが大事です。
たとえば、著者が金融の会社に所属しているなら、その会社名を調べる手があります。金融庁には「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」のページがあり、金融商品取引業者の一覧のほか、名称や電話番号から探せる「金融事業者一括検索機能」の案内があります(2026年10月25日確認)。
ただし、見つからなくても、すぐに悪い本とは言えません。もちろん、登録のない人が、よい本を書くこともあります。つまり、検索は、肩書きの根拠を確かめる材料のひとつです。
では、本屋で投資本を選ぶときは、下の図のとおり、奥付、目次、著者紹介の順にめくります。

そして、教頭がうなずきます。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。『これだけで安心』という帯があったら、まず奥付と著者紹介です」。そして、三岡が、メモ帳に3か所を書き写しました。
また、各か所で何を見るかは、下の図のとおりです。なお、投資には元本割れ(払ったお金より減ること)の可能性があります。つまり、本選びは、その前の準備です。

小テスト|本屋で投資本を選ぶ
本屋で投資本を選ぶとき、制度の数字が古くないかを一番早く調べられるのは、どの場所ですか。
- A 奥付
- B 帯のキャッチコピー
- C 表紙の色
答えはAです。なぜなら、奥付には発行日と版が書かれていて、本がいつの情報かが分かります。
今日の宿題|本屋で投資本を選ぶ練習
まず、家にある本を1冊選び、奥付を開いて、発行日と版を書き写します。1分で終わり、お金はかかりません。ただし、古い本なら、制度の数字は金融庁のページで照らします。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、奥付の説明で寝息を立てていました。そして、目を開けます。
「……わしの奥付は……4億年前じゃ。……最新版では……ないのう」。くすっと笑って、また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕入れ中でやんす。準備中ですんで、また来ておくんなせえ」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
さて、次回は、配当ハイギョの沼の教室へ。井松仙人が、霞と配当の話を用意しています。
金融庁は、登録・免許を受けた金融機関の一覧や、無登録業者への注意喚起を公式サイトで公表しています。一次情報は日本経済新聞出版「敗者のゲーム[原著第8版]」でも確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 金融庁 NISA特設サイト「NISAを知る」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
- 金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」:https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
- 日本経済新聞出版「敗者のゲーム[原著第8版]」:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/2022/9784532359119/
- 日本経済新聞出版「ウォール街のランダム・ウォーカー[原著第13版]」:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/04/13/00775/
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
この学科の記事を読む順に並べたページは、積ん読科のまとめ|記事の一覧と読む順番です。
この記事が気に入ったら、シェアしてください
関連サイト
- コミッターズ:営業と販路開拓の実務コラム
- 令和の総合商社:あらゆる商いを、ひとつの窓口から
- SAMURAI TIMES:経営者のための士業情報メディア
- ニコニコデスク:仕事と暮らしの実務メディア
- 今日一日:心と生き方を整えるメディア
- HYPE:クリエイターのためのメディア
- 源氏小町:美容と健康のメディア
- Antithesis:常識を疑うメディア
- BUTSU×2:スキルと物の物々交換
- みんなの企業新聞:経営者の出会いと販路づくりの新聞
- ENERGY BANK:系統用蓄電池の専門メディア
- はてなブログ(ウハウハ高等学校|投資の教室):投資の教室
- アメブロ(令和の総合商社):令和の総合商社のアメブロ
- note(コミッターズ):コミッターズのnote
