ウハウハ高等学校/のれん分け科
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開業は個人事業と法人どっち?公庫と国税庁で見る違い

へい、らっしゃい!今日の特売は証券口座、広告でやんすマネッコ先輩/のれん分け科

この授業では、個人事業と法人の違いを、手続・責任・税金・届出の4つで比べます。そして、どっちにするかの見方がわかります。

朝のホームルーム

さて、黒板の前で、三岡新入生が「個人」と「法人」の紙を1枚ずつ持ち、右へ左へ泳いでいます。

「開業って、個人事業と法人、どっちなんですか。ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

ぷくっ(ふくらみ1回)。すると、出席をとる村野教頭は、顔も上げずに答えます。「どちらも出席扱いです。ただし、正解は人によります」

たとえば、毎月のランチ代を節約して作った開業資金を、どちらの形で使うか。個人事業と法人の分かれ道を、今日は公的な資料で比べます。

開業は個人事業か法人か
手続・責任・税金の違い

公庫と国税庁
の資料で比較
個人事業と法人|社会保険と届出の期限もちがう
法人税 年800万円以下 15% ▶ 超える部分 23.20% ▶ 所得税 5%から45%の7段階

1個人事業と法人の違い

項目個人事業法人
始める手間簡単で費用もかからない設立に手間と費用がかかる
責任個人の全財産で弁済出資分が限度(保証は別)
社会保険国民健康保険・国民年金厚生年金(社長1人でも)
税務署への届出個人事業の開業届法人設立届出書

2法人税の税率(中小法人など・%)

年800万円以下
15%
800万円超の部分
23.20%%

資本金1億円以下の法人など。

3個人の所得税

7段階税率は5%から45%
1か月公庫の手引が記す開業届の期限

4届出の期限

開業届(個人)開業年の確定申告期限まで
青色申告承認(個人)開業日から2か月以内(1月16日以後の開業)
法人設立届出書設立の日以後2か月以内
青色申告承認(法人)設立の日以後3か月を経過した日の前日まで
出典:日本政策金融公庫「創業の手引」、国税庁、日本年金機構の公開情報をもとに作成(2026年10月25日確認)。実際の損得は他の税金や社会保険料でも変わります。
ウハウハ高等学校

授業:個人事業と法人の違い

「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。しかし、損得は、においでなく資料で比べます」と教頭。「まず、要点は3つです」

1. 個人事業と法人は、手続・責任・社会保険が違う

まず、日本政策金融公庫(公庫)の「創業の手引」では、個人は創業手続が簡単で費用もかからず、法人は設立に手間と費用がかかるとされています。つまり、学園祭にたとえると、個人はひとりで出す屋台、法人はクラス名義で出す屋台です。

次に、責任も違います。個人は、事業に万一のことがあると個人の全財産で弁済します(無限責任)。一方、法人は出資分が限度ですが、代表者が保証をするケースもあります。

さらに、社会保険もです。個人事業主は国民健康保険と国民年金。一方、日本年金機構によると、法人の事業所は、事業主のみの場合も厚生年金の適用事業所です。また、従業員が常時5人以上の個人の事業所は、農林漁業やサービス業などを除き適用されます。

手間、責任、社会保険、届出の4項目で個人事業と法人を比べた表。

すると、マネッコ先輩が法被の袖をまくります。「へい、らっしゃい! のれんを掲げる前に、屋台の形を決めるでやんす」

2. 個人事業と法人の税金は、所得が大きくなると差が出る

まず、国税庁によると、所得税の税率は、分離課税などを除くと、5パーセントから45パーセントの7段階です。一方、法人税は、資本金1億円以下の法人などで、年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.20%です(適用除外事業者などは別の税率になります)(2026年4月1日現在の法令等。2026年10月25日確認)。

所得税は5%から45%の7段階、法人税は15%と23.20%の2段階。

公庫の手引は、個人事業と法人は、事業所得が低いうちはあまり差がなく、所得が大きくなると法人のほうが節税効果が高くなる、と説明します。ただし、実際の損得は他の税金や社会保険料でも変わります。なお、ここは細かいので、税理士に確認してください。

三岡の頬が、ぷくっ(ふくらみ2回)。「でも、個人でも経費は引けるんですよね」

個人事業主の経費は、仕事と私生活が混ざる家賃などの場合、業務に使った部分を区分できる金額だけが対象になります。
参考:個人事業主の経費の考え方を質問と答えで整理

3. 個人事業と法人で、届出の期限が違う

まず、個人の開業届は、国税庁の案内では開業した年の確定申告期限までです。公庫の手引には「1ヵ月以内」とある部分もあるため、早めに出すと安心です。一方、法人は、設立の日以後2か月以内に法人設立届出書を出します。

個人事業と法人の届出の期限をまとめた表。法人の青色申告承認は、設立の日以後3か月を経過した日の前日まで(第1期の終了日が先ならその前日まで)。

特に、青色申告承認申請書は、期限が短い点に注意です。なお、この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。

青色申告承認申請書は、1月16日以後の開業なら開業日から2か月以内で、開業届より期限が短いと整理されています。
参考:個人で商いを始める手順は?開業届から最初の売上まで

最後に、フランチャイズの場合、契約の相手を個人にできるか、法人に限るかは、本部の募集要項に書かれていることがあります。契約書と開示書面で確認してください。

小テスト|個人事業と法人の確認

たとえば、社長ひとりだけの会社(法人)をつくりました。厚生年金の扱いは、どれでしょう。

  • A 事業主のみの場合も、適用事業所になる
  • B 社長ひとりなら、入れない
  • C 従業員が5人以上いて初めて対象になる

答えはAです。なぜなら、日本年金機構は、法人の事業所を「事業主のみの場合を含む」適用事業所としています。

今日の宿題|個人事業と法人の税率を見比べる

まず、国税庁の所得税の税率と法人税の税率を並べて開き、いちばん上と下の税率だけ見比べてください。しかも費用はかかりません。

校長のひとこと

そして、ずっと眠っていたシーラカンス校長が、うっすら目を開けました。

「…屋台も、会社も、まず海に出てから考えるのではない。…出る前に、地図を読むのじゃ。わしは4億年、売ったことがない。…ぐう」

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放課後・購買部

購買部のマネッコ先輩「今日のパンは、生地をこねている最中でやんす。準備中ですので、お楽しみに」

教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。

次回予告

次は、学校の入口へ戻ります。入学試験の会場で、受験票を配っています。入学試験(ハブ)はこちらです。

出典と確認日

この記事は学習用の情報で、契約や投資の勧誘や助言ではありません。契約や投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。

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