この授業では、業種ごとの店舗数を、統計で同じ型に並べて比べます。そして、法律のかかり方のちがいもつかめます。
朝のホームルーム
三岡新入生は、買い物袋を3つぶら下げて、よろよろと教室に入ってきました。朝のおにぎり、昼のラーメン、夜の習いごとのパンフレット。しかも、どれも「チェーン」のお店のものです。
「教頭先生、フランチャイズって、コンビニだけじゃないんですか。では、業種によって、何がちがうんですか」
すると村野教頭が出席簿に印をつけます。「三岡さん、出席です。今日は『業種のちがい』という1本の軸で、統計を並べて見ましょう」
ぷくっ(ふくらみ1回)。1日に3業種使う人は、意外と多いかもしれません。それなのに、業種ごとの店舗数や売上を知っている人は少ないのです。
業種ごとの店舗数を
統計で比べる4つの欄
利益ではありません
1店舗数(店)
コンビニは小売業の「うち数」です。小売業と足し算はしません。
2チェーン数と1店あたり売上
| 業種 | チェーン数 | 1店あたり売上 | 売上高の前年度比 |
|---|---|---|---|
| 小売業 | 307 | 約1.97億円 | +3.4% |
| うちコンビニ | 16 | 約2.14億円 | +1.8% |
| 外食業 | 547 | 約0.89億円 | +6.9% |
| サービス業 | 437 | 約0.33億円 | +1.0% |
3業種で変わる法律の当たり方
- 法の開示書面の対象になりうる
- 6要件に当てはまれば対象
- 法の対象にならないことがある
- 公取委の考え方は全業種に当てはまる
4覚える2点
授業:業種ごとの店舗数を、統計で比べる
そして村野教頭がチョークを持ちます。「日本フランチャイズチェーン協会(JFA)は、毎年、国内のフランチャイズの統計調査を公表しています。ただ、公表されている最新は、2024年度(2024年4月から2025年3月)の調査です(2026年10月25日確認)。この調査は毎年新しい年度が出て、そのたびに数字が変わります。この記事を読むころには、新しい年度に替わっているかもしれません。そのため、最新はJFAのページで見てください」
軸:業種ごとの店舗数のちがい
JFAの調査は、業種を小売業、外食業、サービス業の3つに分けています。なお、コンビニエンスストアは小売業の中の「うち数」として別に出ています。つまり、小売業とコンビニを足し算しないでください。
さて、この記事では、小売業、うちコンビニ、外食業、サービス業の4つの欄で、業種ごとの店舗数を同じ型で並べます。会社名は出しません。もちろん、紹介であって、どの業種をすすめるものでもありません。
業種ごとの店舗数を並べて比べる3つのものさし
まず、下の図が、今日の3つのものさしです。チェーン数、店舗数、そして1店あたり売上です。

チェーン数は、ブランド(店名)の数です。つまり、会社の数とは異なります。業種ごとの店舗数は、加盟店と直営店を足した数です。また、売上高は、店の末端での売上で、調査結果の一部には推計値も含まれます。
さらに、1店あたり売上は、売上高を店舗数で割った、筆者の計算です。ただし、利益ではありません。つまり、店の大きさや、どれだけ売れる業種かをつかむための目安です。
三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」
教頭「月の数字ではありません。つまり1年度の売上の数字です。月に直すなら12で割れます。ただし、利益ではないことを忘れずに」 三岡、ぷくっ、ぷくっ(ふくらみ2回)。
業種ごとの店舗数を同じ型で見る
では、下の図が、4つの欄の基本の数字です。2024年度の数字で、2026年10月25日に確認しました。

小売業
チェーン数307、店舗数109,670、売上高21兆5,598億円です。1店あたりは約1.97億円(筆者計算)。そして前年度から、店舗数は1.7%増、売上高は3.4%増でした。
特に、JFAは、小売業のうち「自動車・自転車関係小売」で、中古車販売チェーンの新規出店が進み、店舗数が10.7%増、売上高が11.5%増になったと説明しています。
うちコンビニエンスストア
チェーン数16、店舗数57,170、売上高12兆2,470億円です。1店あたりは約2.14億円(筆者計算)。また、前年度から、店舗数は0.3%増、売上高は1.8%増でした。
なお、JFAは、おにぎりや惣菜などで低価格・大容量の商品を強め、来店客を増やす動きが続いたと書いています。
外食業
チェーン数547、店舗数51,865、売上高4兆6,291億円です。1店あたりは約0.89億円(筆者計算)。そして、前年度から、店舗数は0.7%増、売上高は6.9%増でした。
また、JFAは、カレー・牛丼・各種丼物の売上高が11.9%増だったと書いています。オフィス街の売上の回復や、訪日客の需要が背景にあるとされています。
サービス業
チェーン数437、店舗数92,943、売上高3兆937億円です。1店あたりは約0.33億円(筆者計算)。ただ、前年度から、店舗数は0.6%減、売上高は1.0%増でした。
ちなみに、JFAは、介護サービスの店舗数が12.7%増だった一方で、エステティックサロンは価格競争が激しくなり、店舗数が20.3%減だったと書いています。つまり、同じ業種の中でも、動きはばらばらです。
最後に、下の図が、前年度との比べ方です。なお、4つの欄の中で、店舗数が減ったのはサービス業だけです。

業種ごとの店舗数のほかに、法律のかかり方もちがう
すると、後ろの席のマネッコ先輩が、法被を直しながら口を出します。「へい、らっしゃい! 業種で、ルールの当たり方も変わるでやんす」
まず、中小小売商業振興法の「中小小売商業者」は、小売業(飲食を含む)を事業の中心にしていて、法律で決まった規模(資本金や従業員数)以下の会社や個人を指します。小売や飲食のフランチャイズでも、商品の供給が契約の条件になっていないなど、6つの要件に当てはまらなければ、法律の対象の特定連鎖化事業ではありません(2026年10月25日確認)。
次に、サービス業のフランチャイズは、加盟者が小売業ではないので、この法律の対象にならないことがあります。一方で、公正取引委員会の考え方は、JFAのページによると全業種に当てはまります。そこで、下の図で整理しました。

なお、この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
代理店・取次店・紹介・フランチャイズを、買い手と売買契約を結ぶのは誰か、売れ残りのリスクは誰か、商標や運営の縛りがあるか、の3点で見分ける記事です。
参考:販売代理店・取次店・紹介・フランチャイズの違い
ただし、業種ごとの店舗数や売上の数字は、全体の様子です。個別のチェーンの収益を示すものではありません。契約や法律の判断は、弁護士などの専門家にも確認してください。
小テスト|業種ごとの店舗数の確認
問題:業種どうしを「1店あたり売上」で比べるとき、注意することはどれ?
- A 1店あたり売上は、そのまま1店の利益を表す
- B 売上高の話で、利益や費用は含まれていない
- C 直営店は含まれていないので、加盟店だけの数字である
答えはBです。なぜなら、調査の売上高は、加盟店と直営店の末端の売上で、利益ではありません。一方、Cは逆で、直営店も含まれています。
今日の宿題|業種ごとの店舗数の最新を探す
JFAのフランチャイズチェーン統計調査のページを開き、最新年度のリンクがあるか確かめてください。しかも開くだけで、5分で終わります。無料です。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、統計の表を毛布にして寝ていました。そして、チャイムで片目を開けます。「……数字は、地図じゃ。歩く道は自分で決めるのじゃ。わしは4億年、売ったことがないがの」。また寝ました。
フランチャイズでの独立・開業について、相談したい方はこちらです。(外部サイトへ移動します)
相談窓口へ進む
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「今日のパンは、ただいま仕入れ中でやんす。準備中ですので、少々お待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次回は、入口の教室「入学試験(ハブ)」です。10学科が集まる日、三岡は校長を起こす係に決まりました。
出典と確認日
- 日本フランチャイズチェーン協会「2024年度フランチャイズチェーン統計調査 報告」(PDF):https://www.jfa-fc.or.jp/folder/1/img/20251027135852.pdf
- 日本フランチャイズチェーン協会「フランチャイズチェーン統計調査」:https://www.jfa-fc.or.jp/particle/29.html
- 日本フランチャイズチェーン協会「フランチャイズビジネス関連法令について」:https://www.jfa-fc.or.jp/particle/54.html
- 中小企業庁「特定連鎖化事業(フランチャイズ)について」:https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/franchise.html
- e-Gov法令検索「中小小売商業振興法」:https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC0000000101
- 確認日:2026年10月25日(1店あたり売上は、上記PDFの数字をもとにした筆者の計算です)
この記事は学習用の情報で、契約や投資の勧誘や助言ではありません。契約や投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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