朝のホームルーム
朝の教室で、三岡新入生がタブレットをのぞき込みました。「第一三共の決算が出ています。営業利益が34.4%も増えているそうです」。

村野教頭が出席をとりました。「三岡、出席。数字に驚くのはよいことです」。三岡はぷくっとふくらみました(ふくらみ1回)。「中間配当は50円だそうです。ひぇっ、それ、月いくらからですか?」。

井松仙人は目を細めました。「配当は1株あたりの金額じゃ。月の金額とは別の話じゃぞ」。日本株学科の朝です。
第一三共の決算
営業利益は34.4%増
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1上期の主要数字
2主要数字の表
| 項目 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆1,672億3,300万円 | +19.7% |
| 営業利益 | 1,937億9,500万円 | +34.4% |
| 税引前利益 | 1,928億5,500万円 | +18.2% |
| 親会社帰属四半期利益 | 1,515億3,400万円 | +15.8% |
3通期予想と配当
4決算の読み方
授業:第一三共の決算を読む
村野教頭は、第一三共の決算を要点3つで教えました。期間は2026年4月から9月までの、第2四半期の累計です。使う数字は、TDnetで開示された決算短信のものです。
要点1:売上収益1兆1,672億円、利益の伸びが売上を上回る
売上収益は1兆1,672億3,300万円で、前年同期比で19.7%増えました。営業利益は1,937億9,500万円で、34.4%の増加です。税引前利益は1,928億5,500万円で18.2%増、親会社に帰属する四半期利益は1,515億3,400万円で15.8%増でした。
売上営業利益率は、売上に対して営業利益がどれだけ残ったかを見る数字です。前の期と並べて読むと、売上の伸びが利益にどうつながったかが見えてきます。
1株当たり四半期利益は83.2円です。直近3か月の7月から9月では、最終利益が前年同期比で82.9%増えました。同じ期間の売上営業利益率は、9.5%から18.3%へ改善しています。売上の伸びよりも、利益の伸びが大きい決算です。
要点2:主力品の伸びと、理由の読み方
報道によれば、抗がん剤の「エンハーツ」や「ダトロウェイ」が成長したことなどが、増収増益に寄与したとされています。ただし、これは報道の説明として紹介された内容です。短信の本文で、どの製品がどれだけ伸びたかを確かめる読み方をします。
村野教頭は言いました。「増えた理由を、1つの話で決めつけないことです。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい」。井松仙人がうなずきました。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ」。三岡が言いました。「先生、その前に決算を読むのが先です」。三岡はうなずいて、製品名を2つノートに書きました。
決算を読むときは、増減の説明に出てくる製品名を控えておきます。次の決算で同じ製品の伸びが続くかを比べると、一度だけの伸びか、続いている伸びかが見えてきます。短信には製品別の数字も載るため、教室では本文まで読む決まりです。
要点3:通期予想は据え置き、進捗率は60.4%
通期の業績予想は据え置かれました。売上収益は2兆3,400億円で前期比10.2%増、営業利益は3,200億円で24.0%増、親会社に帰属する当期利益は2,510億円で10.3%減の予想です。上期の最終利益の、通期計画に対する進捗率は60.4%でした。
配当は、中間配当が50円で、年間の予想は100円です。進捗率が高いことと、会社が予想を据え置いたことは、別の情報です。両方を並べて読むのが、決算の読み方です。
予想が据え置かれたときは、上期の実績との差も見ます。下期に必要な利益は、通期予想から上期の実績を引くと出てきます。進捗率60.4%は、その計算の出発点になる数字です。
村野教頭は黒板を指しました。「決算は、数字を分けて読むと整理できます。実績の数字、理由の出典、会社の予想です」。三岡はノートに書き留めました。
小テスト
問題です。第一三共の上期の最終利益は、通期計画に対してどれだけ進んだでしょうか。Aは40.4%、Bは60.4%、Cは80.4%です。答えはBです。進捗率は60.4%で、半年で計画の6割ほどに達した計算になります。迷った人は、要点3の数字を見直してください。
校長のひとこと
教室の後ろで寝ていたシーラカンス校長が、ゆっくり目を開けました。「わしは4億年、売ったことがない。数字は静かに読むものじゃ」。そう言って、また寝ました。

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出典と確認日
- TDnet適時開示「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年10月30日 13:00開示)
- 確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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