朝のホームルーム
朝の教室です。三岡新入生がタブレットを抱えて入ってきました。
「村野教頭、パナソニックホールディングスの決算が出たそうです。営業利益が2.2倍なんですって」
三岡は驚いて、ぷくっ、とふくらみました。村野教頭は出席簿を開きます。「出席をとります。今日は、売上の伸びと利益の伸びの違いを学びます」

窓際では、井松仙人がひげをなでました。「利益の増え方が大きい会社じゃな」
三岡はタブレットの画面を、もう一度見直しました。
パナソニックの決算
営業利益は2.2倍に
中間決算
1数字で見る
2主要数字
| 項目 | 上期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4兆925億円 | +7.1% |
| 営業利益 | 3,632億円 | +120.1% |
| 税引前利益 | 3,729億円 | +109.7% |
| 中間純利益 | 2,769億円 | +94.5% |
3予想と配当
4ポイント
- 1株当たり中間純利益は118.6円
- 7〜9月期の最終利益は1,417億円(+99.9%)
授業:売上の伸びは7.1%、利益の伸びは2.2倍
村野教頭が黒板の前に立ちました。「パナソニックホールディングスの2027年3月期、中間決算を見ます。要点は3つです」
要点1:上期は利益が大きく伸びました
売上高は4兆925億円で、前年同期より7.1%増えました。
営業利益は3,632億円で120.1%増、税引前利益は3,729億円で109.7%増です。親会社の株主に帰属する中間純利益は2,769億円で94.5%増え、1株当たりの中間純利益は118.6円でした。
直近の7月から9月の最終利益も1,417億円と、前年同期の99.9%増しです。
1株当たりの利益は、会社全体の純利益を株数で割った数字です。会社全体の数字と、1株あたりの数字の両方を見ることがあります。
増えた金額そのものよりも、どの利益がどれだけ伸びたかを順番に見ることが大切です。売上、営業利益、税引前利益、純利益の順に追います。
要点2:売上と利益で伸び率が違います
売上高の伸びは7.1%にとどまりましたが、営業利益は2.2倍になりました。売上営業利益率は、前年同期の4.1%から8.7%へ上がっています。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。伸びの理由は、短信のセグメント情報で確かめるのが確実です」
どの部門が利益を引っ張ったかは、この後の確認課題です。数字の大きさだけで判断しない姿勢が大切です。
利益率は、売上の中でどれだけ利益が残ったかを示す割合です。売上が少し伸びても、利益率が上がれば、利益は大きく伸びます。
逆に、売上が大きく伸びても利益率が下がれば、利益は増えにくくなります。伸び率と利益率を並べて見る習慣を付けます。
要点3:通期予想の上乗せと増配です
通期の最終利益の予想は、4,500億円から5,400億円へ20.0%引き上げられました。3期ぶりの過去最高益という従来の予想を、さらに上乗せした形です。
年間配当は従来計画の54円から70円へ16円増額されました。前期は40円でした。
配当の増額は、会社が示した方針の1つです。金額だけでなく、前期や従来計画と比べてどう変わったかを見るのが読み方です。
過去最高益という言葉が出るときは、何年ぶりかもあわせて確認します。今回は、3期ぶりの過去最高益という従来の予想を、さらに上乗せした位置付けです。
三岡が電卓をたたきます。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

「配当は月払いではありません。1株あたり、年間の合計です」と村野教頭は答えました。
井松仙人が目を細めます。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ」

「先生、暮らすには株数も要ります。今日のところは数字の読み方までです」と村野教頭が返しました。
村野教頭は言いました。「では、小テストです。今日の数字から出します」
小テスト
パナソニックホールディングスの上期の営業利益の伸びはどれでしょう。
三岡は指を折って、3つの数字を並べました。
A:7.1%増 B:94.5%増 C:120.1%増
答えはCです。7.1%は売上高、94.5%は純利益の伸びで、営業利益の伸びとは別物です。
校長のひとこと
職員室では、シーラカンス校長が眠っていました。ふと目を開けて、ひとこと言いました。
「わしは4億年、売ったことがない。伸びの違いを見る目が財産じゃ」
そう言って、また眠りました。
上場制度や株価の公式情報は、日本取引所グループ(JPX)が公表しています。決算の速報値や業績の推移は、株探の銘柄ページでも確認できます。
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出典と確認日
- TDnet適時開示「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(パナソニックホールディングス、2026年10月30日開示)
- 数字は決算速報の報道で照合しました
- 確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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