朝のホームルーム
朝の教室です。三岡新入生が大きな声で入ってきました。
「村野教頭、東京エレクトロンの決算が出たそうです。営業利益が67.2%も増えたんですって」
三岡は驚いて、ぷくっ、とふくらみました。村野教頭は出席簿を開きます。「出席をとります。今日は、予想と実績の比べ方を学びます」

窓際では、井松仙人が目を細めました。「半導体を作る機械の会社じゃな」
三岡はノートを開いて、背筋を伸ばしました。
東京エレクトロンの決算
営業利益は+67.2%
中間決算
1数字で見る
2主要数字
| 項目 | 7月公表の予想 | 上期実績 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆6,200億円 | 1兆6,674億円 |
| 営業利益 | 4,580億円 | 5,067億円 |
| 経常利益 | 4,640億円 | 5,144億円 |
3予想と配当
4ポイント
- 7〜9月期の経常利益は2,987億円(+87.3%)
- 通期は2期ぶりの過去最高益の見通し
授業:上期は予想超え、通期予想も示されました
村野教頭が黒板の前に立ちました。「東京エレクトロンの2027年3月期、中間決算を見ます。要点は3つです」
要点1:上期は7月公表の予想を上回りました
売上高は1兆6,674億円、営業利益は5,067億円で67.2%増えました。経常利益は5,144億円で67.6%増、親会社の株主に帰属する中間純利益は3,769億円です。
7月に公表された中間期の予想は、売上高1兆6,200億円、営業利益4,580億円、経常利益4,640億円でした。実績はいずれも、この予想を上回りました。
予想と実績の比べ方は、決算の基本の読み方の1つです。予想を上回った分だけ、会社の中間期の見立てより実績が強かったことになります。
営業利益と経常利益は、どちらも6割を超える増益でした。2つの利益がそろって伸びた点も、上期の特徴です。
純利益は、営業利益や経常利益から税金などを差し引いた後の利益です。段階を追って読むと、数字のつながりが見えてきます。
要点2:直近の3か月も大きく伸びました
7月から9月だけを見ると、売上高は9,350億円、営業利益は2,953億円でした。経常利益は2,987億円で、前年同期より87.3%増えています。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。半導体製造装置の会社は、受注の状況もあわせて見るのが読み方です」
受注高の詳細は、短信本文で確認するのが次の課題です。
3か月ごとの数字は、勢いの変化を見る手がかりです。累計の数字と並べると、直近の強さが分かります。
受注は、将来の売上の手がかりになる数字です。製造装置の会社では、決算の数字と受注の動きをセットで見ることが多くあります。数字の並びを声に出して読むと、取り違えに気付きやすくなります。
要点3:通期予想と配当の方針が示されました
これまで非開示だった通期の業績予想が、今回示されました。経常利益は前期比87.0%増の1兆1,790億円で、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しです。
従来は未定だった年間配当は、523円を実施する方針です。2026年9月に実施した1対5の株式分割を考慮すると、実質52.1%の増配となります。
過去最高益の見通しが出たときは、何期ぶりかを確認します。今回は2期ぶりの更新です。
配当の方針が未定から具体的な金額に変わることも、開示の大切な変化です。株式分割の後は、1株あたりの数字の見え方が変わる点にも注意します。
三岡が目を丸くします。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

「配当は月払いではありません。1株あたり、年間の金額です」と村野教頭は答えました。
井松仙人がつぶやきます。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ」

「先生、分割後の株数で見る数字です。単位の確認が先です」と村野教頭が返しました。
村野教頭は言いました。「では、小テストです。予想と実績を取り違えないように」
小テスト
東京エレクトロンの通期の経常利益の見通しはどれでしょう。
A:5,144億円 B:4,640億円 C:1兆1,790億円
答えはCです。5,144億円は上期の実績、4,640億円は中間期の予想でした。
校長のひとこと
職員室では、シーラカンス校長が眠っていました。ふと目を開けて、ひとこと言いました。
「わしは4億年、売ったことがない。予想と実績、並べて読むのじゃ」
そう言って、また眠りました。
上場制度や株価の公式情報は、日本取引所グループ(JPX)が公表しています。決算の速報値や業績の推移は、株探の銘柄ページでも確認できます。
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出典と確認日
- TDnet適時開示「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(東京エレクトロン、2026年10月30日開示)
- 数字は決算速報の報道で照合しました
- 確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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