朝のホームルーム
三岡新入生が、新聞を抱えて教室に駆け込んできました。
「先生、積水化学の決算です。利益が大きく増えたそうですが、ひぇっ、それ、月いくらからですか?」
驚いた三岡は、ぷくっとほっぺをふくらませました。
村野教頭が名簿を開き、出席をとります。
村野教頭は、今日のプリントを全員に配りました。
三岡は、表紙の大きな数字を見て目を丸くします。
窓際の席では、井松仙人が湯のみを手に、静かにうなずいていました。
積水化学工業の中間決算
営業利益は33.0%増
第2四半期
1主要数字
| 項目 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 7,017億600万円 | +11.4% |
| 営業利益 | 604億3,900万円 | +33.0% |
| 経常利益 | 614億1,800万円 | +25.5% |
| 純利益 | 347億9,100万円 | +9.7% |
2数字で見る
3予想と配当
4数字で見る
授業:積水化学工業の中間決算
村野教頭が黒板の前に立ちました。
教室の全員が、プリントに目を落としました。
「今日の要点は3つです。数字の大きさだけでなく、予想との差まで見ます」
要点1:上期の売上と利益
4〜9月の6か月分の合計が、上期の実績です。
売上高は、会社の事業の規模を見る基本の数字です。
営業利益は、本業でどれだけ稼いだかを見る数字です。
積水化学工業の第2四半期累計の売上高は、7,017億600万円でした。
前年同期と比べると、11.4%の増加です。
営業利益は604億3,900万円で、33.0%増えました。
経常利益は614億1,800万円で、25.5%の増加です。
親会社株主に帰属する中間純利益は、347億9,100万円でした。
純利益の伸びは9.7%で、1株当たりの中間純利益は86.2円です。
売上の伸びよりも、利益の伸びのほうが大きい決算でした。
経常利益は、営業利益に本業以外の損益を加えたものです。
前年同期比は、1年前の同じ期間と比べた変化を示します。
要点2:会社の予想を上回ったこと
上期の経常利益は、会社が従来示していた予想の493億円を上回りました。
直近3か月の7〜9月期でも、経常利益は333億円でした。
前年同期と比べると、15.9%増えています。
第1四半期には、半導体向けの需要を取り込んだことなどが開示されました。
その結果、売上高と営業利益が中間期の過去最高を更新したそうです。
予想と実績の差を見ることは、決算を読む基本の作業です。
差が大きいときほど、短信で理由の説明を探します。
「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。だからこそ、予想との差は短信で確かめます」

村野教頭は、そう言って名簿に印をつけました。
三岡は、予想の数字に線を引きました。
要点3:通期予想の上方修正と配当
通期の経常利益の予想は、1,140億円から1,220億円へ引き上げられました。
修正の幅は7.0%で、前期と比べると4.1%の増加となります。
実現すれば、6期連続で過去最高益を更新する見通しです。
年間の配当は、従来の計画の81円から82円へ増額されました。
前期の実績は80円で、今期の計画はそれを上回ります。
どの事業分野が伸びを支えているかは、短信のセグメント情報で確かめる観点です。
上方修正は、会社が年間の見通しを引き上げることです。
セグメント情報では、事業ごとの売上と利益が分かります。
伸びている事業と、そうでない事業を分けて見ます。
年間の配当は、会社が株主へ払うお金の計画です。
ここで、井松仙人がゆっくり口を開きました。
「霞を食って、配当で暮らすのじゃ」
「仙人、霞だけではお腹はふくれませんよ」と三岡が首をかしげます。

教室に、笑い声が広がりました。
村野教頭は最後に、読み方の順番を伝えました。
「まず累計の数字を見て、次に直近3か月を見ます。最後に、年間の予想と比べます」
三岡は、その順番をノートの端に書き留めました。
小テスト
小テストです。積水化学工業の上期の経常利益は、従来の予想と比べてどうでしたか。
A:予想を下回った B:予想を上回った C:予想どおりだった
答えはBです。従来の予想は493億円で、実績は614億1,800万円でした。
予想との差を確認する習慣が、決算を読む力になります。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、職員室の水槽の中で眠っていました。
プリントの音で、校長が片目をゆっくり開けます。
水槽の泡が、静かに1つ上がりました。
「わしは4億年、売ったことがない。数字は慌てず眺めるものじゃ」

校長はそう言って、また眠りにつきました。
三岡は、校長の言葉を小さく復唱しました。
上場制度や株価の公式情報は、日本取引所グループ(JPX)が公表しています。決算の速報値や業績の推移は、株探の銘柄ページでも確認できます。
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出典と確認日
- TDnet適時開示「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」
確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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