朝のホームルーム
朝の教室です。三岡新入生(アベニーパファー)が、電子部品の模型を両手で抱えて入ってきました。「先生、京セラの決算、営業利益が56%も増えたそうです。でも記事によっては、利益が減ったとも書いてあって、頭がこんがらがります」
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとります。「三岡、出席。どちらの話も、期間の切り取り方が違うだけかもしれません。累計と直近3か月を並べてみましょう。今日はその読み分けを、数字で確かめていきます」
井松仙人(ハイギョ)が言いました。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ。数字は切り取る場所で顔が変わるのう」三岡はぷくっ(ふくらみ1回)とふくらみました。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

京セラの中間決算
累計は増益、直近3か月は減益
中間決算
1主要数字(上期累計)
| 項目 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆783億3,700万円 | +8.8% |
| 営業利益 | 656億900万円 | +56.4% |
| 純利益 | 734億300万円 | +32.2% |
2直近3か月(7〜9月)
3予想と見方
4読み方のポイント
- 累計と直近3か月を並べると、勢いの場所が見えます
- 予想の修正と実績の数字は分けて読みます
授業:京セラの中間決算を読む
村野教頭が黒板の前に立ちました。「京セラが2026年11月2日に発表した、2027年3月期第2四半期(中間期)の決算短信〔IFRS〕です。要点は3つです」
要点1:上期の営業利益は56.4%増の656億円
2026年4月から9月までの売上高は1兆783億3700万円で、前年同期比8.8%増でした。営業利益は656億900万円で56.4%増、純利益は734億300万円で32.2%増です。上期の累計で見れば、増収増益の決算でした。教頭は言います。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。ここで終わらず、次の数字も開けます」

要点2:直近3か月は営業利益が29.4%減と対照的
ところが7月から9月までの直近3か月だけを切り取ると、姿が変わります。売上高は5529億5400万円で7.7%増でしたが、営業利益は165億800万円で29.4%減、純利益は128億5400万円で30.1%減でした。第1四半期の大きな増益が、上期累計の伸びを作っていたことが分かります。累計の良い数字の裏で、足元の3か月は減益だった点が、この決算の一番の読みどころです。
要点3:通期の業績予想は修正が発表された
会社は決算とあわせて、2027年3月期の通期連結業績予想の修正も発表しました。予想の修正は、会社が足元の状況をどう見ているかを示す材料です。ただし予想は見立てであり、実績とは分けて読みます。次の四半期で、直近3か月の減益が一時的なものか続くものか、実績の数字で確かめるのが順番です。
井松仙人が横から口を挟みました。「累計は半年分の通信簿、直近3か月は最近の顔じゃ。両方を見ないと、今の勢いは分からんぞ」三岡がメモを取りました。「第1四半期がとても良かったから累計が伸びて見える、ということですね」教頭が頷きます。「そのとおりです。決算を読むときは、まず期間を確認します。4月から9月の累計なのか、7月から9月の3か月なのかで、同じ会社でも増益にも減益にもなります。数字の大きさに驚く前に、期間と項目を声に出して確かめる。それがこの学科の約束です」
三岡が最後に尋ねました。「先生、新聞の見出しが正反対に見えるときは、どうすればいいんですか」教頭は答えました。「見出しの期間を確認することです。半年分なのか3か月分なのか、それだけで話はつながります」三岡は頷いて、ノートの一番上に大きく「まず期間」と書きました。

小テスト
問題です。京セラの営業利益について、正しい組み合わせはどれでしょう。A:上期累計も直近3か月も増益、B:上期累計は56.4%増、直近3か月は29.4%減、C:上期累計も直近3か月も減益。答えはBです。同じ決算でも、期間の切り方で見え方が変わる例でした。
校長のひとこと
シーラカンス校長は授業の間、静かに寝ていました。最後に目を開けて言いました。「累計の笑顔と、直近の顔は別じゃ。両方見てから判断するのじゃ。わしは4億年、売ったことがない」教室の全員が、その一言をノートの最初のページに大きく書きました。そして校長は、また静かに目を閉じました。
放課後・購買部
広告を含みます。
・松井証券ではじめる株式取引
(ネット証券の大手です。口座は株を買うための自分の入れ物で、申し込むと株を買える準備が整います)
・DMM 株
(DMM.com証券の株のサービスです。株を買えるようになる申し込みの条件は、公式ページで確かめられます)
合わせて読みたい
出典と確認日
- TDnet適時開示:京セラ 2027年3月期第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(2026年11月2日発表)
- 株探決算速報で主要数字と直近3か月の数字を照合
- 確認日:2026年11月2日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
この学科の記事を読む順に並べたページは、日本株の教室のまとめ|記事の一覧と読む順番です。
関連サイト
- コミッターズ:営業と販路開拓の実務コラム
- 令和の総合商社:あらゆる商いを、ひとつの窓口から
- SAMURAI TIMES:経営者のための士業情報メディア
- ニコニコデスク:仕事と暮らしの実務メディア
- 今日一日:心と生き方を整えるメディア
- HYPE:クリエイターのためのメディア
- 源氏小町:美容と健康のメディア
- Antithesis:常識を疑うメディア
- BUTSU×2:スキルと物の物々交換
- みんなの企業新聞:経営者の出会いと販路づくりの新聞
- ENERGY BANK:系統用蓄電池の専門メディア
- はてなブログ(ウハウハ高等学校|投資の教室):投資の教室
- アメブロ(令和の総合商社):令和の総合商社のアメブロ
- note(コミッターズ):コミッターズのnote
