朝のホームルーム
朝の教室です。三岡新入生(アベニーパファー)が、スマートフォンを手に入ってきました。「先生、NTTの決算、売上は増えたのに純利益は16%も減ったそうです。通期の予想は引き上げたのに、どうしてですか」
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとります。「三岡、出席。増収減益の決算は、前年の特別な利益と比べていないか確かめるのが入口です。今日は営業収益、営業利益、純利益の3つで読みます」
井松仙人(ハイギョ)が言いました。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ。前年の大きな売却益は、今年は無いのが当たり前じゃのう」三岡はぷくっ(ふくらみ1回)とふくらみました。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

NTTの中間決算
増収でも純利益は16.0%減
中間決算
1主要数字
| 項目 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 7兆3,621億5,400万円 | +8.7% |
| 営業利益 | 8,300億7,300万円 | -12.2% |
| 純利益 | 5,001億9,300万円 | -16.0% |
2数字で見る
3予想と配当
4読み方のポイント
- 減益の前に、前年の特別な利益の有無を確認します
- 上期の実績と通期予想の修正は分けて読みます
授業:NTTの中間決算を読む
村野教頭が黒板の前に立ちました。「NTTが2026年11月4日に発表した、2026年度第2四半期(中間期)の決算短信〔IFRS〕です。要点は3つです」
要点1:営業収益は8.7%増の7兆3,621億円、純利益は16.0%減
2026年4月から9月までの営業収益は7兆3,621億5,400万円で、前年同期比8.7%増でした。一方で営業利益は8,300億7,300万円で12.2%減、税引前中間利益は7,663億8,100万円で13.8%減です。当社に帰属する中間利益は5,001億9,300万円で16.0%減となりました。売上の側と利益の側が、反対向きに動いた決算です。教頭は言います。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。減益の理由は、前年の数字の中身から確かめます」

要点2:前年のデータセンター売却益の反動が出た
前年同期の決算には、データセンターを不動産投資信託(REIT)へ売却したことに伴う関係会社株式売却益1,296億7,700万円が含まれていました。当中間期の同じ項目は126億4,800万円です。前年にあった大きな売却益が今年は無いことが、減益の大きな理由の1つとして報じられています。あわせて人件費や経費も増えました。通信の本体では、ドコモを含む総合ICT事業の売上が3兆2,821億円となり、金融などのスマートライフ事業が好調だったと説明会で述べられました。
要点3:通期予想は上方修正、純利益9,940億円の見込み
会社は通期予想を引き上げました。営業収益は15兆800億円、営業利益は1兆7,300億円、当社に帰属する当期利益は9,940億円の見込みです。純利益は前期比では4.1%減ですが、従来予想からは140億円の上積みとなりました。総合ICT事業の販売好調を織り込んだ修正です。年間配当は5.40円の予想で据え置かれました。予想は見立てであり、上期の減益という実績とは分けて読みます。
井松仙人が横から口を挟みました。「前年に一回きりの大きな利益があった会社は、翌年の減益の数字だけ見て驚くと読み違えるぞ」三岡がメモを取りました。「減益の理由が、本業の不振とは限らないんですね」教頭が頷きます。「そのとおりです。決算を読む順番は、まず前年の特別な利益の有無、次に費用の増減、最後に通期予想の修正理由です。この順で短信を開くと、増収減益の姿がつながって見えてきます」
三岡が最後に尋ねました。「先生、通期予想を引き上げたなら、上期の減益は気にしなくていいんですか」教頭は首を振りました。「予想の引き上げと上期の実績は別の話です。実績は実績として記録し、予想は下期の実績が出てから確かめます」三岡は頷いて、ノートに大きく「実績と予想は分ける」と書きました。
小テスト
問題です。NTTの中間決算で、前年同期に1,296億7,700万円計上されていた利益はどれでしょう。A:配当金、B:データセンター売却に伴う関係会社株式売却益、C:為替差益。答えはBです。この売却益が当中間期は126億4,800万円にとどまり、減益の大きな理由の1つになりました。
校長のひとこと
シーラカンス校長は授業の間、静かに寝ていました。最後に目を開けて言いました。「前年の一回きりの利益と比べるな。本業の数字を並べるのじゃ。わしは4億年、売ったことがない」教室の全員が、その一言をノートの最初のページに書きました。そして校長は、また静かに目を閉じました。

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出典と確認日
- TDnet適時開示:NTT 2026年度第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(2026年11月4日発表)
- 株探決算速報、日本経済新聞およびケータイ Watchの報道で主要数字を照合
- 確認日:2026年11月4日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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