朝のホームルーム
朝の教室です。三岡新入生(アベニーパファー)が、新聞を広げながら入ってきました。『先生、大東建託の決算、上方修正と増配が同時に出たって書いてあります。両方いっぺんに出ることって、あるんですか』
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとりながら答えます。『三岡、出席。あります。ただし、修正後の数字と前の計画を見比べてこそ、決算の読み方です』
日本株学科の井松先生(ハイギョ)も口を開きました。『建てる話と貸す話、両方の数字を見るのじゃ』三岡は驚いてぷくっとふくらみました。『ひぇっ、それ、月いくらからですか?』
大東建託の中間決算
上方修正と増配が同時に出た
中間決算
1主要数字
| 項目 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,886億8,600万円 | +3.0% |
| 営業利益 | 792億9,900万円 | +14.3% |
| 経常利益 | 785億6,700万円 | +10.1% |
| 中間純利益 | 641億7,500万円 | +28.6% |
2数字で見る
3予想と配当
4ポイント
- 建設と賃貸の両輪が効いているか、入居率と受注の持続性を短信で確認します
- 修正後の計画と前の計画を見比べるのが、上方修正の読み方です
授業:大東建託の中間決算を読む
村野教頭が黒板の前に立ちました。『では授業です。大東建託が2026年10月30日に発表した、2027年3月期第2四半期(中間期)の決算短信〔日本基準〕です。要点は3つです』
要点1:売上は3.0%増、純利益は28.6%増
2026年4月から9月までの売上高は9,886億8,600万円で、前年同期比3.0%増でした。営業利益は792億9,900万円で14.3%増、経常利益は785億6,700万円で10.1%増、親会社に帰属する中間純利益は641億7,500万円で28.6%増です。売上の伸びは控えめでも、利益の伸びがそれを上回る決算となりました。
三岡が尋ねます。『売上は3.0%増なのに、純利益は28.6%増って、ずいぶん差がありますね』村野教頭は答えました。『その差が今日の要点です。売上と利益の伸びが違うときは、事業ごとの内訳を見る合図になります』
要点2:事業ごとに明暗が分かれた
決算短信の要約によれば、建設事業は価格改定で収益性が改善し、不動産賃貸事業は家賃収入の増加と高水準の入居率を背景に増益となりました。不動産開発事業はTHEグローバル社の連結化などで増益となり、ソラスト株式の譲渡益も計上されました。一方、その他の事業は施設拡充投資や採用費の増加で減益でした。全体の数字だけでなく、事業ごとの動きを見ることが大切です。
増益の事業と減益の事業が、同じ決算の中にあります。合計の数字だけでは、この姿は見えません。短信の要約で事業ごとに確かめることが、読み方の基本です。
要点3:通期予想を上方修正、配当も増額
通期予想は上方修正されました。売上高は2兆800億円、営業利益は1,500億円、経常利益は1,480億円で過去最高益の予想をさらに上乗せし、親会社帰属当期純利益は1,090億円です。年間配当も従来計画の163円から165円へ増額修正されました。建設と賃貸の両輪が効いているかは、入居率と受注の持続性を短信で確かめることが確認点になります。
修正後の通期予想では、営業利益が1,500億円、純利益が1,090億円とされています。前の計画と見比べることで、会社が下期に何を見ているかが見えてきます。
井松先生が目を細めます。『霞を食って、配当で暮らすのじゃ。増配は通信簿の端に光る1行じゃ』村野教頭が返しました。『先生、光る行だけ見てはいけません。減益の事業も同じページにあります。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい』
授業の最後に、村野教頭が言いました。『上方修正は、修正後の数字と理由の両方で読みます。今日の宿題は、入居率の行を短信でもう一度見ることです』三岡は頷きました。
小テスト
では小テストです。大東建託の通期の経常利益予想として正しいのはどれでしょう。A:下方修正された。B:据え置かれた。C:過去最高益の予想を上乗せした1,480億円になった。
答えはCです。上方修正により、経常利益の通期予想は1,480億円となりました。
校長のひとこと
教室の隅では、シーラカンス校長が静かに眠っていました。目をうっすらと開けて、ひと言だけ残します。
『わしは4億年、売ったことがない。建てる話も貸す話も、半年ごとに見直せばよい』
校長はまた静かに眠りにつきました。
上場制度や株価の公式情報は、日本取引所グループ(JPX)が公表しています。
合わせて読みたい
出典と確認日
- TDnet適時開示『2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)』大東建託(2026年10月30日 11:30開示)
- 確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
この学科の記事を読む順に並べたページは、配当ハイギョの沼のまとめ|記事の一覧と読む順番です。
この記事が気に入ったら、シェアしてください
関連サイト
- コミッターズ:営業と販路開拓の実務コラム
- 令和の総合商社:あらゆる商いを、ひとつの窓口から
- SAMURAI TIMES:経営者のための士業情報メディア
- ニコニコデスク:仕事と暮らしの実務メディア
- 今日一日:心と生き方を整えるメディア
- HYPE:クリエイターのためのメディア
- 源氏小町:美容と健康のメディア
- Antithesis:常識を疑うメディア
- BUTSU×2:スキルと物の物々交換
- みんなの企業新聞:経営者の出会いと販路づくりの新聞
- ENERGY BANK:系統用蓄電池の専門メディア
- はてなブログ(ウハウハ高等学校|投資の教室):投資の教室
- アメブロ(令和の総合商社):令和の総合商社のアメブロ
- note(コミッターズ):コミッターズのnote
