朝のホームルーム
朝の教室です。三岡新入生が首をかしげながら入ってきました。
「村野教頭、住友ファーマの決算がよく分かりません。売上は増えたのに、利益は減ったそうです」
三岡は困って、ぷくっ、とふくらみました。村野教頭は出席簿を開きます。「出席をとります。今日は、増収と減益が並ぶ決算の読み方を学びます」

窓際では、井松仙人が目を細めました。「薬の会社じゃ。数字は順番に読もう」
三岡はノートに、売上と利益の矢印を書き分けました。
住友ファーマの決算
通期は上方修正と復配
中間決算
1数字で見る
2主要数字
| 項目 | 上期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2,664億円 | +17.3% |
| 営業利益 | 422億円 | ▲56.0% |
| 税引前利益 | 393億円 | ▲57.6% |
| 中間純利益 | 382億円 | ▲61.3% |
3予想と配当
4ポイント
- 1株当たり中間純利益は86.5円
- 7〜9月期の最終利益は212億円(▲75.8%)
授業:増収でも減益、通期は上方修正
村野教頭が黒板の前に立ちました。「住友ファーマの2027年3月期、中間決算を見ます。要点は3つです」
要点1:売上は増え、利益は減りました
売上収益は2,664億円で、前年同期より17.3%増えました。
営業利益は422億円で56.0%減り、税引前利益は393億円で57.6%減りました。親会社の株主に帰属する中間純利益は382億円で61.3%減、1株当たりの中間純利益は86.5円です。
売上と利益が反対に動いた上期でした。まず、この事実をそのまま押さえます。
売上収益は、IFRSを使う会社での売上高にあたる呼び方です。呼び方が違っても、読み方の基本は同じです。
増減の符号にも注意します。今回は、売上だけがプラスで、利益はいずれもマイナスでした。1株当たりの純利益は86.5円で、会社全体の数字と混ぜずに読むことが大切です。
要点2:利益率の低下が目立ちます
直近の7月から9月の最終利益は212億円で、前年同期より75.8%減りました。売上営業利益率は63.6%から17.6%へ下がっています。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。減った理由の内訳は、推測ではなく短信の説明で確かめます」
売上は増えても利益が減る決算がある、という読み方をここで覚えます。
利益率は、売上の増減だけでは見えない変化を示します。売上が増えても、費用の増え方が大きければ、利益率は下がります。
前年同期の利益率が63.6%と高かったことも、低下の幅が大きく見える背景です。比べる相手の数字もあわせて見ます。減益の理由は、短信の中で会社が説明します。数字の変化を見たら、次は説明を読む順番です。
要点3:通期は上方修正、配当は復配です
通期の最終利益の予想は、770億円から940億円へ22.1%引き上げられました。減益の見通しは、27.9%減から12.0%減へ縮小しています。
従来は未定だった期末の配当は、一括で15円を実施する方針です。4期ぶりの復配となります。
上方修正は、会社が予想を引き上げることです。上期の実績が減益でも、通期の見通しが引き上げられることがあります。
復配は、配当を出していなかった会社が、配当を再開することです。何期ぶりかもあわせて確認します。下期に前提としている収益の内容は、短信で確かめるのが次の課題です。
三岡が首をかしげます。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

「配当は月払いではありません。期末に一括で支払われる方針です」と村野教頭は答えました。
井松仙人がつぶやきます。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ」

「先生、復配は事実として受け取ります。理由の確認は短信です」と村野教頭が返しました。
村野教頭は言いました。「では、小テストです。上期と通期を取り違えないように」
小テスト
住友ファーマの通期の最終利益の予想は、今回どう修正されたでしょう。
A:下方修正された B:上方修正された C:据え置かれた
答えはBです。上期は大幅な減益でも、通期の予想は770億円から940億円へ引き上げられました。
校長のひとこと
職員室では、シーラカンス校長が眠っていました。ふと目を開けて、ひとこと言いました。
「わしは4億年、売ったことがない。下がる数字にも学びがある」
そう言って、また眠りました。
上場制度や株価の公式情報は、日本取引所グループ(JPX)が公表しています。決算の速報値や業績の推移は、株探の銘柄ページでも確認できます。
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出典と確認日
- TDnet適時開示「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(住友ファーマ、2026年10月30日開示)
- 数字は決算速報の報道で照合しました
- 確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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