朝のホームルーム
朝の教室です。三岡新入生が新聞を抱えて入ってきました。
「村野教頭、三菱電機の決算が出たそうです。調整後営業利益が68.5%も増えたんですって」
三岡は驚いて、ぷくっ、とふくらみました。村野教頭は出席簿を開きます。「出席をとります。今日は大きな会社の決算の読み方を学びます」

窓際では、井松仙人が目を細めました。「三菱電機は家電から工場の機械まで、幅の広い会社じゃ」
三岡はノートを開いて、大きく深呼吸しました。
三菱電機の決算
調整後営業利益は+68.5%
中間決算
1数字で見る
2主要数字
| 通期予想 | 修正前 | 修正後 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6兆2,700億円 | 6兆5,500億円 |
| 調整後営業利益 | 6,200億円 | 7,100億円 |
| 最終利益 | 4,950億円 | 4,650億円 |
3予想と配当
4ポイント
- 7〜9月期の最終利益は1,872億円(+90.1%)
- 売上営業利益率は7.9%から13.4%へ改善
授業:本業は上方修正、最終利益は下方修正
村野教頭が黒板の前に立ちました。「三菱電機の2027年3月期、中間決算を見ます。要点は3つです」
要点1:上期は売上も利益も大きく伸びました
売上高は3兆1,251億円で、前年同期より14.4%増えました。
調整後営業利益は3,447億円で68.5%増え、親会社の株主に帰属する中間純利益は2,970億円で56.8%増です。調整後営業利益は、会社が本業の力を見るために示す利益です。
直近の7月から9月だけを見ると、最終利益は1,872億円で90.1%増えました。売上営業利益率は7.9%から13.4%へ上がっています。
増減率で見ると、利益の伸びが売上の伸びを大きく上回っています。売上営業利益率の改善が、そのことを裏付けています。
金額の大きさだけでなく、前年同期と比べてどれだけ動いたかを見るのが、決算を読む基本の姿勢です。
要点2:伸びを支えた分野と自社株買いです
報道によれば、FAシステムや空調・家電などを中心に売上が拡大しました。セミコンダクター・デバイスの収益性の改善も、利益を押し上げたとされています。
あわせて、取得総額2,000億円を上限とする自社株買いと、2,300万株の自己株式の消却も開示されました。
FAはファクトリーオートメーションの略で、工場の自動化に関わる事業です。分野ごとの売上や利益は、短信のセグメント情報に分かれて載ります。全体の伸びと分野ごとの伸びを並べると、会社の力の入り方が見えてきます。
三岡が首をかしげます。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

「月払いの買い物ではありません。会社が自分の株を買い戻す話です」と村野教頭は答えました。
自社株買いは、会社が発行した株式を買い戻すことです。消却は、その買い戻した株式を消す手続きです。どちらも、1株あたりの数字に関わる開示です。
要点3:通期は本業を上げ、最終利益を下げました
通期の売上高予想は6兆2,700億円から6兆5,500億円へ、調整後営業利益は6,200億円から7,100億円へ引き上げられました。
一方、最終利益の予想は4,950億円から4,650億円へ引き下げられています。
予想の修正は、良い方向と悪い方向が同時に出ることもあります。どちらか一方だけを見て判断しないことが、決算を読むときの注意点です。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。良い数字と気になる数字が並ぶときこそ、間の要因を短信で確かめます」
井松仙人がつぶやきます。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ」
村野教頭が返します。「先生、配当の予想は今回の開示では確かめていません。そこは短信で確認する宿題です」

村野教頭は黒板を消しながら言いました。「では、小テストです。今日の数字から出します」
小テスト
三菱電機の通期予想について、正しいものはどれでしょう。
三岡はノートを見返しながら考えました。
A:最終利益だけが上方修正された B:調整後営業利益は上方修正、最終利益は下方修正された C:すべて据え置かれた
答えはBです。本業の利益と最終利益が逆向きに動く決算は、その間の要因を短信で確認するのが読み方です。
校長のひとこと
職員室では、シーラカンス校長が眠っていました。ふと目を開けて、ひとこと言いました。
「わしは4億年、売ったことがない。上がる数字と下がる数字、両方見るのじゃ」
そう言って、また眠りました。
上場制度や株価の公式情報は、日本取引所グループ(JPX)が公表しています。決算の速報値や業績の推移は、株探の銘柄ページでも確認できます。
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出典と確認日
- TDnet適時開示「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(三菱電機、2026年10月30日開示)
- 数字は決算速報の報道で照合しました
- 確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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