朝のホームルーム|赤い画面と、泥のまゆ
三岡新入生が、スマホを抱えて教室に駆け込みます。画面は赤い矢印だらけです。
「AI関連株の調整で、日経平均が4%安になったって、ニュースで見たんです。10月26日からの週は、決算発表も日銀の会合もあるのに、何を見ればいいのか分からなくて……ぷくっ(ふくらみ1回)」
村野教頭が出席簿を閉じます。「この授業の検索語は『日本株 決算発表 見方』ですね。日経平均が4%安になったことは、世界一やさしい投資の学校の週間展望が報じています(2026年10月25日付)。ただし、株価のニュースと、決算の資料は別の物です。分けて読みましょう」
教室の隅では、井松仙人が泥のまゆにこもっています。ハイギョの乾季の昼寝です。まゆの中から、いびきだけが聞こえます。
たとえば、毎月5,000円ずつ積み立てている人でも、ニュースの赤い数字を見ると手が止まります。そこでこの授業では、画面の数字ではなく、会社が出す資料の見方を覚えます。
日本株の決算発表は何を見る?
10月30日の週に確かめる3点
見方の3点
110月27日からの週の日程
2決算短信で見る順番
3配当利回りの見かけ
60円
3,000円
4数字で覚える
5覚えておく3つ
- 株価は行列、決算は売上帳
- 理由は報道として読む
- 発表日は会社の資料で再確認
授業:日本株の決算発表を読む3つの要点
教頭が黒板に、文化祭の絵を描きます。「たとえ話は文化祭の屋台です。株価は、屋台の前の行列の長さ。決算は、その日の売上帳です。行列は気分でも伸び縮みしますが、売上帳には実際の数字が書かれています」
要点1:10月26日からの週の予定を日付で並べる
教頭「決算を読む前に、同じ週に何があるかを並べます。公式の日程は次のとおりです(2026年10月27日確認)」
- 10月27日〜28日:米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)。連邦準備制度理事会(FRB)の会合日程による
- 10月29日〜30日:日本銀行の金融政策決定会合。展望レポートの公表は10月30日
- 10月30日(金):東京エレクトロンの2027年3月期第2四半期決算発表(予定)。同社のIRカレンダーに掲載
キオクシアの決算と東京都区部の消費者物価も同じ30日に重なると、世界一やさしい投資の学校が伝えています。IRカレンダーには「日程が変更される場合がある」との注記もあります。発表日は、直前にもう一度、会社のページで確かめます。
三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

教頭「お金の話ではなく、日程の話です。落ち着いてください。1つの日に予定が重なると、株価が動いた理由を1つに決めにくくなります。記事には『〜と報じられました』と出典が付きます。理由は、報道として読みます」
三岡は、ぷくっ(ふくらみ2回)。
ニュースは、誰かに話す前提で読むと、要点がつかみやすくなります。そうした新聞の読み方を3つの手順で整理した記事があります。
参考:新聞の読み方で営業が変わる|誰かに話す前提で読む3ステップ
要点2:決算短信は3か所だけ見る
教頭「決算短信(会社が決算を知らせる数枚の資料)は、最初から全部読まなくて大丈夫です。3か所に絞ります」

- 売上高と営業利益。前の年の同じ時期と比べて、増えたか減ったか
- 通期予想。会社の1年間の見通しが、前回から変わったか
- 配当予想。中間と期末、年間の合計がいくらか
半導体関連の会社でも、そうでない会社でも、この3か所は同じ場所に載っています。決算短信そのものの読み方は、別の授業でも扱っています。決算短信 AI 読み方|数字は元のPDFで照合する4つの手順に、元の資料で数字を確かめる手順があります。
要点3:株価が下がると、配当利回りは見かけが変わる
井松仙人が、まゆから首だけ出します。「霞を食って、配当で暮らすのじゃ。……ふむ、利回りの話か。株価が下がると、利回りは上がって見える。じゃが、会社が配当を増やしたわけではないぞ」
たとえば、年間の配当予想が60円(中間30円+期末30円)の会社があるとします。株価が3,000円なら、60円÷3,000円で2%です。株価が2,400円まで下がると、60円÷2,400円で2.5%になります。数字は例です。
教頭「配当は同じ60円のままです。割られる株価が小さくなっただけです。利回りが上がって見えたら、配当予想が変わっていないか、決算短信で確かめます」
配当が減る理由は、別の授業にまとめてあります。減配とは?なぜ起きる?理由4パターンと見る資料も、あわせてどうぞ。
この記事は、値動きの予想をする記事ではありません。決算の資料の読み方を覚える記事です。
小テスト
問題。年間の配当予想が60円(仮)の会社で、株価が3,000円から2,400円に下がりました。配当予想は変わっていません。配当利回りの見かけは、どうなるでしょう。
- A 2%のまま変わらない
- B 2.5%になる。配当額は変わっていない
- C 配当も下がるので、1.5%になる
答えはBです。60円÷2,400円で2.5%。分母の株価が小さくなっただけで、配当額は同じです。
宿題
気になる会社を1社選び、その会社のIRページで「IRカレンダー」を開きます。次の決算発表の日付を、スマホのメモに1行だけ書いてください。5分で終わります。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、日程の話の途中から寝ていました。終業の鐘で、目をうっすら開けます。
「……売上帳は、行列より、あとから読んでもよいものじゃ。わしは4億年、売ったことがない……ぐう」
決算短信などの適時開示は、TDnetで誰でも無料で確認できます。上場制度や株価の公式情報は、日本取引所グループ(JPX)が公表しています。決算の速報値や業績の推移は、株探の銘柄ページでも確認できます。
出典と確認日
- 日本銀行「金融政策決定会合の開催日程」
- FRB(米連邦準備制度理事会)「FOMC会合の日程」
- 東京エレクトロン「IRカレンダー」
- 世界一やさしい投資の学校「週間金融市場展望【10月26日-30日】」
- 日本経済新聞「FOMCや日銀の金融政策決定会合の予定(10月25日付)」
確認日:2026年10月27日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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