利回りとは何か、米国債のニュースでどう読むのかがわかります。さらに、財務省が公表する表の見方も学びます。
朝のホームルーム|利回りとは何か
さて、朝の教室で、村野教頭がニュース速報を読み上げています。
「米10年債の利回りが……」 三岡新入生は、最後まで聞かずに、ぷくっ(ふくらみ1回)。
「ひぇっ、それ、月いくらからですか? でも、債券って、こわそうです」
教頭「三岡さん、出席。月いくらから、という話ではありません。ニュースに毎日のように出る、数字の読み方です。利回りとは、その数字のひとつです」
この数字の見方がわかると、ニュースの見出しが暗号ではなくなります。さらに、金融の話題に強くなる、最初の一歩です。
米国債の利回りとは?
ニュースの数字の読み方
の表より
1利回りの考え方
4ドル
100ドル
2満期ごとの利回り(%・10月23日)
満期ごとの利回りを並べた線を、利回り曲線(イールドカーブ)と呼びます。
310年の利回りの動き
4満期による名前
- Bills:数日〜52週
- Notes:10年以内
- Bonds:30年が代表的
- 利息が同じなら、価格が下がると利回りは上がる
授業:米国債と利回りとは
教頭が黒板に「米国債」と書きました。「では、要点は3つです」

1 米国債は国の借用証書
米国債は、アメリカ政府がお金を借りるときに出す債券です。決まった期間お金を預かり、利息を払い、期限が来たら元のお金を返す約束の証書です。
期間によって、呼び名が変わります。米証券取引委員会(SEC)の投資家向けページでは、数日から52週までの短いものを「Bills」、10年以内のものを「Notes」、30年が代表的な長いものを「Bonds」と紹介しています。

つまり、図のとおり、満期が長いほど名前が変わります。ニュースで「10年債」と聞いたら、満期が10年のものの話です。
2 利回りとは「利息÷購入価格」
利回りとは、買った値段に対して、1年でどれだけ利息がつくかを表す割合です。SECの用語集では、利息を購入価格で割って求めると説明されています。なお、ニュースで見る利回りは、満期まで持った場合の利回りなど、もう少し細かい計算を使うことがあります。この授業では、考え方をつかむために、いちばん簡単な形で説明します。

ここで大事なのは、割り算の下の数字が「購入価格」だということです。利回りとは、割り算の答えです。購買部のクーポン券でたとえましょう。具体的には、毎年4ドルの利息がつく券を、100ドルで買えば利回りは4%です。一方、80ドルで買えたら、5%になります。(たとえばの数字です)
つまり、券の値段が下がると、利回りは上がります。ニュースで「利回りが上昇」と聞いたら、利息が同じなら、その国債の価格が下がる方向に動いた、という意味です。
三岡「じゃあ、安く買えたほうが得ですね!」

すると、スタモル留学生がセーラー服のスカーフを直して言います。「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。でも、安く見えるときには理由があるのデス」

三岡は、ぷくっ(ふくらみ2回)。
SECのページには、金利が上がると、古い低金利の債券は、売るとき額面より安くなることがあると書かれています。ただし、満期まで持てば元のお金が戻る約束でも、途中で売ると元本割れすることがあります。
なお、この「置き場所ごとの性格」は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
預貯金・保険・投資は役割が違うと整理し、使う時期や元本割れの有無、引き出しやすさなどを確認して選ぶ考え方を紹介しています。
参考:お金の置き場所を選ぶチェック項目(預貯金・保険・投資)
3 ニュースの利回りとは、こう出る数字
米財務省は、営業日ごとに、満期ごとの利回りの表を公表しています。財務省は、直近に入札された国債の買い手の気配値(買いたい側の提示価格)から、満期ごとの利回りを計算して発表しています。
2026年10月23日の表では、3か月が4.22%、2年が4.69%、10年が5.00%、30年が5.33%でした。

満期ごとの利回りを並べた線を、利回り曲線(イールドカーブ)と呼びます。
数字は日々動きます。たとえば、10年の利回りは、10月21日が5.13%、22日が4.96%、23日が5.00%でした。なお、なぜ動いたかは、報道各社の解説が説明しています。数字だけでは、原因を決められません。
ただし、これは2026年10月25日時点の情報です。そのため、最新の数字は、米財務省の公式サイトで確認してください。
小テスト|利回りとはの確認
利回りとは何かの復習です。問題:利息が同じ債券の価格が下がったとき、利回りはどうなるでしょうか。
A 上がる B 下がる C 変わらない
答えはAです。なぜなら、利回りは「利息÷購入価格」なので、割る数が小さくなると、答えは大きくなります。
今日の宿題|利回りとはを表で確かめる
利回りとは何かを、表で確かめる宿題です。米財務省の公式サイトで、日々の利回りの表を開いてください。「10 Yr」の列だけ見て、日によって少しずつ違う数字を、目で確かめましょう。5分で終わります。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、10年債の話のところで、すやすや寝ていました。最後にぱちっと目を開けます。
「……10年とは、わしには短いのう。数字は日替わりじゃ。見方だけ覚えておけば、あわてずにすむぞい。利回りとは、そういう数字じゃ」
そう言って、また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい! 今日のパンは入荷待ちでやんす。準備中ですんで、また来てくだせえ」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次の教室は、ニュース耳より科です。後ろ向きに泳ぐ和大先生が、「押忍!」と迎えてくれます。ニュース耳より科の教室へ
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出典と確認日
- 米財務省「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」:https://home.treasury.gov/resource-center/data-chart-center/interest-rates/TextView?type=daily_treasury_yield_curve&field_tdr_date_value_month=202610
- 米証券取引委員会(SEC)Investor.gov「Bonds」:https://www.investor.gov/introduction-investing/investing-basics/investment-products/bonds-or-fixed-income-products/bonds
- 米証券取引委員会(SEC)Investor.gov「用語集:Yield」:https://www.investor.gov/introduction-investing/investing-basics/glossary/yield
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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