朝のホームルーム
キーンコーンカーンコーン。ピラルク留学科の教室で、三岡新入生(アベニーパファー=世界最小級のフグ)が頭を抱えています。
「先輩に『S&P500とオルカン、どっち?』と聞かれました。定食のAとBですか?ひぇっ、それ、月いくらからですか?」ぷくっ(ふくらみ1回)。
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとります。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。今日は、においより『名簿』の話です」
スタモル留学生は、ガイドの旗を持って待機中です。「川下りツアー、出発デス!」
この違いを30秒で言えれば、飲み会で「それ、何が違うの?」と聞かれても大丈夫です。
授業:2つの川の違い
教頭が黒板に書きました。「要点は3つ。ものさしの正体、川の中身、選ぶ前の質問です」
要点1:S&P500は米国の川、ACWIは世界の川
S&P500は、米国の大きな会社500社でつくる指数です。指数とは、株の値動きをはかる「ものさし」のこと。米国の株式市場の時価総額(会社の値段の合計)の約80%をカバーしています(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス公式、2026年10月23日確認)。
オルカンは、全世界の株を丸ごと対象にする投資信託の愛称として広まった呼び名です。ものさしには、MSCI ACWI(全世界の株式の動きをはかる指数)などが使われます。商品とものさしは別物ですが、今日は川の中身、つまりものさしを比べます。
教頭は、名簿でたとえます。「S&P500は、米国学区の大きな会社500社の名簿。ACWIは、世界47学区をぜんぶ集めた全校名簿です」
MSCI ACWIは、先進国23か国と新興国24か国の計47か国でできています。銘柄数は2,414です(MSCI公式ファクトシート、2026年9月30日時点)。
三岡「47か国……地図帳が足りません」ぷくっ(ふくらみ2回)。

上の表のとおり、S&P500は米国だけ、ACWIは47か国です。
要点2:2つの川は、上流でつながっている
ACWIの国別の割合を見ましょう。米国が64.21%、日本は5.2%、台湾が3.46%、英国が3%、カナダが2.9%、その他が21.22%です(2026年9月30日時点)。

世界の川の水の6割あまりは、米国の川から流れ込んでいます。S&P500にはもともと日本の会社が入りませんが、ACWIには日本が約5%入っています。
スタモル「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。世界の川も、ドルの水がたくさんデス」教頭「米国の割合が大きいぶん、ドルで値段がつく株が多くなります」
三岡「日本の川、思ったより細いです」教頭「だから日本も含めて世界へ、という考え方もあります。もちろん、米国に集中する考え方もあります」
要点3:選ぶ前の4つの質問
教頭「どちらがよいかは、私には言えません。川によって、泳ぎ方が違うだけです」
代わりに、自分に聞く質問を4つ用意しました。下の図のとおりです。信託報酬とは、投資信託を持っている間、毎年かかる手数料のことです。

指数の過去の成績は、将来を約束するものではありません。どちらを選んでも、買ったときより値下がりする(元本割れ)可能性があります。また、どちらもドルなど外国のお金で値段がつく株を持つので、円で見ると為替の影響を受けます。くわしくは、同じ教室の為替リスクの授業で習います。
NISA(運用で得た利益に税金がかからない国の制度)の枠の違いについては、別の解説記事でも詳しく書かれています。
つみたて投資枠と成長投資枠の違いを、年間の投資枠、非課税保有限度額、買える商品の面から整理した記事です。
参考:つみたて投資枠と成長投資枠の違いを制度から整理
小テスト
MSCI ACWIの国別の割合で、いちばん大きいのはどこ?(2026年9月30日時点) A 日本 B 米国 C 台湾
答えはBです。米国が64.21%で、日本は5.2%、台湾は3.46%でした。ACWIでも、米国が6割あまりを占めています。
今日の宿題
「S&P500は米国だけ、ACWIは47か国」と、声に出して1回言ってみてください。電車の中なら心の声でOKです。お金は1円もかかりません。
校長のひとこと
ずっと寝ていたシーラカンス校長が、片目だけ開きました。「……川は、入る前に深さを見るものじゃ。わしは4億年、売ったことがない」また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕入れ中でやんす。棚には準備中の札をかけておきやした」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次の教室はニュース耳より科です。学ランの和大先生が、後ろ向きに泳ぎながら、今日の話題を全力で拾っています。
出典と確認日
確認日:2026年10月23日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。