朝のホームルーム
朝の教室に、三岡新入生がスマートフォンを抱えて入ってきました。
「教頭先生、アルファベットの決算です。売上は増えたのに、純利益は減ったそうです。同じ決算の中で、どうしてですか。」
三岡のほっぺが、ぷくっ(ふくらみ1回)とふくらみました。
村野教頭が長い鼻で出席簿を開きます。「出席をとります。スタモルさん、今日も川を渡ってきましたか。」
スタモル留学生は首をかしげました。「雲が2倍に増えた会社の話ですね。」

アルファベットの決算
Cloudは2倍超
第3四半期
1数字で見る
2主要数字
| 項目 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,275億7,700万ドル | +25% |
| 営業利益 | 405億7,600万ドル | +30% |
| 純利益 | 261億7,000万ドル | -25% |
3予想と配当
4ポイント
- 純利益の減少は評価損が主因です
- 設備投資の通年見通しは据え置きです
授業:本業と投資を分けて読む
村野教頭が黒板に書きました。「アルファベットの2026年12月期第3四半期、7月から9月の決算です。グーグルの親会社です。要点は3つです。」
要点1:売上高は25%増、営業利益は30%増
売上高は1,275億7,700万ドルで、前年同期比25%増でした。営業利益は405億7,600万ドルで30%増です。営業利益率は31.8%でした。
営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合です。31.8%は、売上100ドルに対して、営業利益が31.8ドルあった計算になります。
売上高は、13四半期連続で2桁の成長です。本業のもうけを示す営業利益は、しっかり伸びています。まずはこの事実が、この決算の土台になります。
要点2:Google Cloudは2倍超、検索も12%増
Google Cloudの売上高は307億900万ドルで、103%増と2倍を超えました。同部門の営業利益は111億2,100万ドルで、前年同期の35億9,400万ドルから約3倍です。
公式発表では、AIインフラやAIソリューションに加え、自社開発チップのTPUシステムの販売が、増収に寄与したとされています。
Google Servicesの売上高は963億200万ドルで11%増です。このうち検索は633億5,000万ドルで12%増、YouTube広告は112億700万ドルで9%増でした。
要点3:純利益は評価損で25%減、設備投資も大きい
一方、純利益は261億7,000万ドルで25%減、EPSは2.12ドルで26%減でした。営業外では、保有株式の評価損86億6,400万ドルが主因です。
公式発表によれば、この評価損で純利益は67億ドル、EPSは0.55ドル押し下げられました。営業外損益全体では、前年同期の127億5,900万ドルの収入から、当四半期は82億2,100万ドルの費用へ転じています。
本業の営業利益と、投資の評価損は、段の違う数字です。分けて読む必要があります。
設備投資は513億5,500万ドルで、営業キャッシュフロー422億9,000万ドルを上回りました。フリーキャッシュフローは90億6,500万ドルのマイナスです。
設備投資とキャッシュフローの関係も、数字で確かめます。投資が営業キャッシュフローを上回ると、フリーキャッシュフローはマイナスになります。
アルファベットは、正式な業績ガイダンスを示していません。設備投資は、2026年通年で1,950億ドルから2,050億ドルの見通しを据え置きました。配当は1株0.22ドルで、権利確定日は12月7日、支払日は12月14日の予定です。
スタモル留学生が言いました。「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。……雲が2倍になっても、投資で水が濁れば、川全体は濁って見えます。分けて読むのが大事デス。」
村野教頭が出席簿を閉じます。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。増えた数字と減った数字には、別々の理由があります。」
小テスト
問題です。アルファベットの純利益が減った主な理由として、公式発表にあるものはどれですか。
- A:検索の売上高が減ったから
- B:保有株式の評価損があったから
- C:YouTube広告が半分になったから
答えはBです。評価損は86億6,400万ドルで、純利益を67億ドル押し下げました。
校長のひとこと
教室の隅では、シーラカンス校長が寝ていました。目を開けて言います。「わしは4億年、売ったことがない。増えた分と減った分は、分けて数えておけ。」そう言うと、また寝ました。

決算資料を含む同社の公式開示は、米証券取引委員会のSEC EDGAR(GOOGLの提出書類)で確認できます。株価や企業概要は、取引所のNASDAQ公式の銘柄ページでも確認できます。米国株の決算発表の日程は、NASDAQ決算カレンダーで確認できます。
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出典と確認日
- アルファベット公式決算発表資料「Alphabet Announces Third Quarter 2026 Results」(2026年10月28日発表、SEC提出資料Exhibit 99.1)
確認日:2026年10月30日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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