朝のホームルーム
三岡新入生が、チキンの絵がついたカードを持って教室に入ってきました。
「教頭先生、ヤム・ブランズの決算です。EPSが大きく増えたのに、その中身が事業の売却だそうです。」
三岡は聞きました。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

三岡のほっぺが、ぷくっ(ふくらみ1回)とふくらみました。
村野教頭が長い鼻で出席簿を開きます。「出席をとります。ヤム・ブランズの決算を、報告の利益と特別項目を除いた利益に分けて読みます。」

ヤム・ブランズ決算
売上は3.8%増の20億ドル
7〜9月期
1主要数字(ドル)
| 項目 | 今期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上 | 20億5,400万 | 19億7,900万 |
| 純利益 | 16億2,300万 | 3億9,700万 |
| EPS/特別除くEPS | 5.92/1.56 | 1.41/1.58 |
2店と部門の動き
3確かめる点
授業:大きく増えたEPSの中身を読む
村野教頭が黒板に要点を3つ書きました。
要点1:売上は20億5,400万ドルで3.8%増、報告EPSは5.92ドル
ヤム・ブランズの2026年7月から9月の決算です。売上は20億5,400万ドルで、前年同期の19億7,900万ドルから3.8%増えました。純利益は16億2,300万ドルで、前年同期の3億9,700万ドルから大きく増えました。
報告ベースのEPSは5.92ドルです。ただし、この増加の中心は、ピザハットの売却で入った税引前で約17億ドルの一時的な利益です。特別項目を除いたEPSは1.56ドルで、前年同期から1%減でした。
スタモル留学生がセーラー服の袖をまくりました。「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。数字はドルで読みます。」
要点2:KFCの店は7%増、タコベルの米国既存店売上は4%減
この四半期に955店の新しい店が開き、店の数は7%増えました。KFCの世界の売上は伸び、部門の営業利益は9%増の4億2,500万ドルです。デジタル経由の売上は90億ドルを超え、全体の64%でした。
一方、タコベルの米国の既存店売上は4%減りました。レタスに関わる食中毒の発生が、来店を抑えたと報じられています。伸びた部門と抑えられた部門が、同じ四半期の中にあります。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。だから一時的な利益と店の数字を分けて読みます。」

要点3:ピザハットの売却が完了し、売却額は合計約23億8,000万ドル
会社は、ピザハットの売却が完了したと発表しています。中国本土の事業はヤム・チャイナへ、その他の事業はロングレンジ・キャピタルへ売り、売却額は合計で約23億8,000万ドルでした。
年初からの株主への還元は、配当と自社株買いを合わせて18億ドルです。次の決算では、ピザハットを除いた形の数字が土台になります。比べる相手が変わる点まで確かめます。
ここで、ヤム・ブランズの決算の読み方を整理します。最初に売上と利益を置き、次に部門ごとの数字を見ます。全体が増えていても、伸びた場所と抑えられた場所は違うからです。
三岡はうなずきました。「全体、部門、一時的な利益。順番に置くと、EPSの大きな増加の理由が分かりますね。」教頭は黒板をたたきました。そのとおりです。数字は、比べる相手と並べて初めて意味を持ちます。前年同期と比べる癖をつけます。
最後に、会社の形の変化を見ます。事業を売った後の決算は、前と比べる土台が変わります。変わった点だけを拾い、数字の根拠は公式発表で確かめます。この順番が、決算を読むときの基本です。
小テスト
この決算で、教頭が報告ベースのEPSと分けて確かめるよう言ったものはどれでしょう。
A:売上だけを見る B:ピザハット売却の一時的な利益を除いたEPSを分けて見る C:店の数だけを見る
答えはBです。一時的な利益が入った数字と、繰り返しの利益を分けて見ることが、決算を読む基本だからです。
校長のひとこと
シーラカンス校長は授業のあいだ寝ていましたが、目をひとつ開けました。
「一時的な利益を分けるのじゃ。わしは4億年、売ったことがない。」
校長はまた寝ました。
決算資料を含む同社の公式開示は、米証券取引委員会のSEC EDGAR(YUMの提出書類)で確認できます。株価や企業概要は、取引所のNASDAQ公式の銘柄ページでも確認できます。米国株の決算発表の日程は、NASDAQ決算カレンダーで確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- ヤム・ブランズ公式プレスリリース「Yum! Brands Reports Third-Quarter Results」(BusinessWire、2026年11月3日発表)
- ザックスの決算速報(2026年11月3日配信)で主要数字を照合
確認日:2026年11月4日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。
先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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