朝のホームルーム
三岡新入生が、ハンバーガーの絵がついたカードを持って教室に入ってきました。
「教頭先生、マクドナルドの決算です。利益は増えたのに、米国の既存店の売上は少し減ったそうです。」
三岡は聞きました。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

三岡のほっぺが、ぷくっ(ふくらみ1回)とふくらみました。
村野教頭が長い鼻で出席簿を開きます。「出席をとります。マクドナルドの決算を、全体と地域別の既存店売上に分けて読みます。」

マクドナルド決算
調整後EPSは3.57ドル
7〜9月期
1主要数字(ドル)
| 項目 | 今期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上 | 71億6,000万 | 70億8,000万 |
| 純利益 | 24億9,000万 | 22億8,000万 |
| EPS/調整後EPS | 3.51/3.57 | ―/3.22 |
2既存店売上の動き
3確かめる点
授業:増えた利益と米国の既存店を読む
村野教頭が黒板に要点を3つ書きました。
要点1:売上は71億6,000万ドルで1%増、調整後EPSは3.57ドル
マクドナルドの2026年7月から9月の決算です。売上は71億6,000万ドルで、前年同期の70億8,000万ドルから1%増えました。純利益は24億9,000万ドルで9%増です。報告ベースのEPSは3.51ドルで10%増でした。
再編費用などを除いた調整後EPSは3.57ドルで、前年同期の3.22ドルから11%増えました。営業利益は約36億ドルで7%増です。売上の伸びは小さくても、利益はそれより大きく伸びた形です。
スタモル留学生がセーラー服の袖をまくりました。「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。数字はドルで読みます。」
要点2:世界の既存店売上は1.5%増、米国は0.2%減
同じ店どうしで比べる既存店売上は、世界全体で1.5%増えました。一方、米国は0.2%減で、5四半期続いた増加が止まったと報じられています。ドイツやオーストラリアなど海外の伸びが、米国の弱さを補いました。
全店の売上(システム売上)は4%増えて380億ドルを超えました。会社の売上71億6,000万ドルは、加盟店からの家賃やロイヤルティと直営店の売上の合計です。2つの売上の違いも確かめどころです。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。だから全体と地域別を分けて読みます。」

要点3:四半期配当は4%増の1.93ドル
会社は四半期の配当を4%増やして、1株あたり1.93ドルにすると発表しました。決算の数字と並べて、株主への還元の変更も示されています。
経営陣は、米国では四半期が進むにつれて売上の動きが改善したと説明しています。その説明が次の四半期の既存店売上に出るかは、次の決算で確かめます。
ここで、マクドナルドの決算の読み方を整理します。最初に売上と利益を置き、次に地域ごとの既存店売上を見ます。全体の数字だけでは、伸びた場所と抑えられた場所は分からないからです。
三岡はうなずきました。「全体と内訳を順番に置くと、見出しの印象だけで終わりませんね。」教頭は黒板をたたきました。そのとおりです。数字は、比べる相手と並べて初めて意味を持ちます。前年同期と比べる癖をつけます。
最後に、会社が出した見通しを見ます。見通しは約束ではなく、会社の今の前提です。前の見通しから変わった点だけを拾い、数字の根拠は公式発表で確かめます。この順番が、決算を読むときの基本です。
小テスト
この決算で、教頭が全体の数字と分けて確かめるよう言ったものはどれでしょう。
A:売上だけを見る B:世界と米国など地域ごとの既存店売上を分けて見る C:店舗の看板だけを見る
答えはBです。全体が増えていても地域ごとの動きは違うので、分けて見ることが決算を読む基本だからです。
校長のひとこと
シーラカンス校長は授業のあいだ寝ていましたが、目をひとつ開けました。
「地域ごとに見るのじゃ。わしは4億年、売ったことがない。」
校長はまた寝ました。
決算資料を含む同社の公式開示は、米証券取引委員会のSEC EDGAR(MCDの提出書類)で確認できます。株価や企業概要は、取引所のNASDAQ公式の銘柄ページでも確認できます。米国株の決算発表の日程は、NASDAQ決算カレンダーで確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- マクドナルド公式プレスリリース「McDonald’s Reports Third Quarter 2026 Results」(2026年11月4日発表)
- ロイターの決算速報(2026年11月4日配信)で主要数字を照合
確認日:2026年11月5日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。
先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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