朝のホームルーム
三岡新入生が、設計図の絵がついたカードを持って教室に入ってきました。
「教頭先生、アームの決算です。売上が27%増えて、第2四半期で過去一番になったそうです。」
三岡は聞きました。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

三岡のほっぺが、ぷくっ(ふくらみ1回)とふくらみました。
村野教頭が長い鼻で出席簿を開きます。「出席をとります。アームの決算を、ライセンスとロイヤルティに分けて読みます。」

アーム決算
売上は27%増の14億ドル
7〜9月期
1主要数字(ドル)
| 項目 | 今期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上 | 14億4,300万 | 11億3,500万 |
| 純利益 | 1億3,000万 | 2億3,800万 |
| EPS/調整後EPS | 0.12/0.52 | 0.22/0.39 |
2売上の内訳
3確かめる点
授業:27%増の中身を2つの売上で読む
村野教頭が黒板に要点を3つ書きました。
要点1:売上は14億4,300万ドルで27%増、過去最高の第2四半期
アームの2026年7月から9月(会計年度の第2四半期)の決算です。売上は14億4,300万ドルで、前年同期の11億3,500万ドルから27%増え、第2四半期として過去最高でした。増収率は5四半期続けて20%を超えています。
純利益は1億3,000万ドルで、前年同期の2億3,800万ドルから減りました。前年同期には事業売却の利益が含まれていたためです。報告ベースのEPSは0.12ドル、調整後EPSは0.52ドルで、前年同期の0.39ドルから増えました。
スタモル留学生がセーラー服の袖をまくりました。「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。数字はドルで読みます。」
要点2:ライセンスは50%増の7億7,300万ドル、ロイヤルティは8%増
売上の内訳は、設計の使用許諾などライセンス関連が7億7,300万ドルで50%増、出荷された製品から入るロイヤルティが6億7,000万ドルで8%増でした。増えた分の大半はライセンス側です。
データセンター向けのロイヤルティは前年同期の2倍になりました。一方で、メモリ価格の影響でスマホ市場は重くなったと会社は説明しています。四半期に出荷されたアーム設計のチップは100億個を超えました。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。だからライセンスとロイヤルティを分けて読みます。」
要点3:次の四半期の売上見通しは15億4,000万ドル前後
会社は次の四半期の見通しを示しました。売上は15億4,000万ドルを中心に、上下5,000万ドルの幅としています。調整後EPSは0.56ドルを中心に、上下0.04ドルの幅です。
自社設計のCPUについて、2027年度と2028年度で最大20億ドルの売上への自信が増したと会社は述べました。これは目標の話で、実績とは分けて読みます。
ここで、アームの決算の読み方を整理します。最初に売上と利益を置き、次にライセンスとロイヤルティの内訳を見ます。全体の数字だけでは、伸びた場所と抑えられた場所は分からないからです。
三岡はうなずきました。「全体と内訳を順番に置くと、見出しの印象だけで終わりませんね。」教頭は黒板をたたきました。そのとおりです。数字は、比べる相手と並べて初めて意味を持ちます。前年同期と比べる癖をつけます。

最後に、会社が出した見通しを見ます。見通しは約束ではなく、会社の今の前提です。前の見通しから変わった点だけを拾い、数字の根拠は公式発表で確かめます。この順番が、決算を読むときの基本です。
小テスト
この決算で、教頭が全体の売上と分けて確かめるよう言ったものはどれでしょう。
A:売上だけを見る B:ライセンスとロイヤルティの売上を分けて見る C:配当だけを見る
答えはBです。伸びた売上の種類によって次の四半期への続き方が違うので、分けて見ることが決算を読む基本だからです。
校長のひとこと
シーラカンス校長は授業のあいだ寝ていましたが、目をひとつ開けました。
「売上の種類を見るのじゃ。わしは4億年、売ったことがない。」
校長はまた寝ました。
決算資料を含む同社の公式開示は、米証券取引委員会のSEC EDGAR(ARMの提出書類)で確認できます。株価や企業概要は、取引所のNASDAQ公式の銘柄ページでも確認できます。米国株の決算発表の日程は、NASDAQ決算カレンダーで確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- アーム公式発表「Arm Q2 FYE27 Results/株主レター」(2026年11月4日発表)
- ロイターの決算速報(2026年11月4日配信)で主要数字を照合
確認日:2026年11月6日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。
先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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