この授業では、投資の二冊目を選ぶ基準と、5冊の採点結果がわかります。目的から本を選ぶ考え方も、あわせて学びます。
朝のホームルーム|投資の二冊目
三岡新入生が、入門書を旗のように掲げて入場しました。「読み終わりました! 卒業です!」。ぷくっ(ふくらみ1回)。しかも、胸を張りすぎて、ブレザーのボタンが1つ飛びました。

「でも、次に何を読めばいいか分からなくて。実は、検索窓に『投資 二冊目 おすすめ』と打ったら、山ほど出ました」
そして、村野教頭が出席簿を閉じます。「三岡さん、出席。しかし、卒業は、まだ早いです。さて、今日は、投資の二冊目の選び方を採点つきで教えます」

たとえば投資の二冊目で1,500円を外すと、そのお金は本棚の飾りになります。だから、ランチ1回分の失敗を、先に防ぎましょう。
投資の二冊目を選ぶ
4つのものさしで採点
学校内評価
15冊の合計点(20点満点)
合計が同じときは、刊行が新しい本を上にします。
24つのものさしの内訳(各5点)
| 本 | 読みやすさ | 前提知識 | 見通し | 新しさ | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日経業界地図 | 4 | 5 | 5 | 5 | 19 |
| 1億円貯める本 | 4 | 4 | 3 | 5 | 16 |
| 敗者のゲーム | 5 | 4 | 3 | 4 | 16 |
| ランダムウォーカー | 2 | 4 | 5 | 4 | 15 |
| バビロン大富豪 | 4 | 5 | 3 | 3 | 15 |
3目的から選ぶ
4日経業界地図2027年版
授業:投資の二冊目は「目的」で選んで、点数で並べる
まず、教頭がチョークを持ちました。「投資の二冊目の役目は、一冊目で分かった全体の中から、1か所を深めることです。だから、選ぶ前に目的を1つ決めます」
要点1:投資の二冊目、採点のものさしは4つ
今日は5冊を、4つのものさしで採点します。つまり、各5点満点で、合計20点。そして、下の図のとおり、見る場所は出版社の公式ページです。

点の付け方です。まず、読み進めやすさは、300ページ以下が5点、400ページ以下が4点、500ページ以下が3点、501ページ以上が2点。ただし、漫画は1点足します。次に、刊行の新しさは、2025年以降が5点、2022〜2024年が4点、2019〜2021年が3点。なお、合計が同じときは、刊行が新しい本を上にします。
ホズミ先生が丸メガネを押し上げました。「ふむ。積んだ本は、わしより古いのう。ただ、発行年を点にするのは、よい考えじゃ」

採点は公開情報をもとにした学校内の独自評価で、実際に読んだ感想ではありません。また、点が高い本が、あなたに合う本とは限りません。
要点2:投資の二冊目、結果はこの順位
結果は下の図のとおり。つまり、1位は19点、2位と3位は16点、4位と5位は15点でした。

1位 日経業界地図 2027年版(19点)
日本経済新聞社 編、日本経済新聞出版、2026年8月15日発行。320ページのB5判です。
向いているのは、ニュースで見た会社が、どの業界のどのあたりにいるのか知りたい人です。出版社のページには、過去最多の205業界、4950の企業・団体を収録、と書かれています。また、目次は「自動車・機械・造船」「IT」「金融」など業界ごとに分かれ、拾い読みができます。そして、点数は、読み進めやすさ4、前提知識の少なさ5、内容の見通し5、新しさ5です(2026年10月25日確認)。
2位 難しいことはわかりませんが、1億円貯める方法を教えてください!(16点)
橘玲、大橋弘祐、文響社、2026年3月5日発売。ページ数は380です。
向いているのは、お金を貯める方法を、新NISAの話も含めて広く眺めたい人です。ただ、出版社のページに目次はなく、内容の見通しは3点にしました。そして、点数は、読み進めやすさ4、前提知識4、見通し3、新しさ5です(2026年10月25日確認)。
3位 敗者のゲーム[原著第8版](16点)
チャールズ・エリス、鹿毛雄二・鹿毛房子 訳、日本経済新聞出版、2022年1月7日発行。296ページです。
向いているのは、長く続ける考え方の土台を固めたい人です。出版社のページによると、インデックス・ファンドへの投資を詳しく紹介する本で、改訂版では新たに6章が加わりました。つまり、ある立場から書かれた本です。さらに、反対の考え方の本とも読み比べると、土台が丈夫になります。点数は、読み進めやすさ5、前提知識4、見通し3、新しさ4です(2026年10月25日確認)。
また、この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
預貯金・保険・投資の性質を比べ、投資には価格変動などの主なリスクが4つあると整理しています。
参考:お金の置き場所を選ぶチェック項目(預貯金・保険・投資)
4位 ウォール街のランダム・ウォーカー[原著第13版](15点)
バートン・マルキール、井手正介 訳、日本経済新聞出版、2023年5月30日発売。512ページです。
向いているのは、歴史とデータで納得してから進みたい人です。出版社のページには、原著第13版は初版から50周年の記念版で、初心者にも理解しやすくなっている、とあります。さらに、目次は全15章がすべて公開されていて、見通しは5点。一方で512ページと厚く、読み進めやすさは2点でした。そして、点数は、2、4、5、4です(2026年10月25日確認)。
三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」。教頭「月ではなく、512ページです。たとえば1日10ページなら、約50日です」。そして、三岡が、ページ数でふくらみました。ぷくっ(ふくらみ2回)。
5位 漫画 バビロン大富豪の教え(15点)
原作ジョージ・S・クレイソン、漫画 坂野旭、脚本 大橋弘祐、文響社、2019年10月4日発売。466ページです。
向いているのは、お金との付き合い方を、物語で振り返りたい人です。出版社のページの著者紹介には、原作者が1926年に短編寓話シリーズを発行したとあり、紹介文には「お金儲けのテクニック」ではない、と書かれています。また、漫画なので読み進めやすさは4点、前提知識は5点。一方、目次は公開されておらず、見通しは3点、発行年が少し前なので新しさは3点でした(2026年10月25日確認)。
要点3:投資の二冊目は目的から選ぶ
つまり、順位は、あくまで4つのものさしの合計です。目的が決まっていれば、投資の二冊目は、順位が低い本が一番合うこともあります。さて、下の図のとおり、目的と本を結んでおきます。

そして、教頭が鼻をひくつかせます。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。『この1冊だけで十分』と言われたら、まず疑ってみましょう」
なお、投資には元本割れ(払ったお金より減ること)の可能性があります。ただ、どの本を読んでも、それは変わりません。
小テスト|投資の二冊目
投資の二冊目を選ぶとき、いちばん最初に決めるものはどれですか。
- A 表紙の派手さ
- B 一冊目で分からなかった「1か所」という目的
- C 書店の平積みの高さ
答えはBです。なぜなら、目的が決まれば、4つのものさしで比べる土台ができます。
今日の宿題|投資の二冊目の目的
まず、一冊目の本を開いて、分からなかった言葉を1つだけメモします。5分で終わり、お金はかかりません。そして、そのメモが、投資の二冊目を選ぶ「目的」になります。
校長のひとこと|投資の二冊目
シーラカンス校長は、2位の発表のあたりで寝ていました。そして、ぱちりと目を開けます。
「……投資の二冊目はな、一冊目の……となりに置くんじゃ。わしは4億年、売ったことがない」。そう言って、また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕入れ中でやんす。準備中ですので、少々お待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
さて、次回は、配当ハイギョの沼の教室へ。井松仙人が、霞を食う話を準備して待っています。
一次情報は日本経済新聞出版「敗者のゲーム[原著第8版]」でも確認できます。
合わせて読みたい
- 【2026年10月】日本株の入門書TOP5|ページ数・目次・刊行年で採点した学校内ランキング
- 金融庁の無料パンフレットを投資の教科書にする3つのコツ
- 投資の読書会のやり方|初回を開く3ステップと60分の進め方
出典と確認日
- 日本経済新聞出版「日経業界地図 2027年版」:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/26/07/29/02721/
- 文響社「難しいことはわかりませんが、1億円貯める方法を教えてください!」:https://bunkyosha.com/books/9784868450405
- 日本経済新聞出版「敗者のゲーム[原著第8版]」:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/2022/9784532359119/
- 日本経済新聞出版「ウォール街のランダム・ウォーカー[原著第13版]」:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/04/13/00775/
- 文響社「漫画 バビロン大富豪の教え」:https://bunkyosha.com/books/9784866511245
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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