今日の授業は、店や会社を引き継いだ後継者のための助成金です。東京都の制度「事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース)」の第2回募集が、締切直前になっています。対象かどうか、経費の範囲、締切と申請のしかたを、マネッコ先輩と村野教頭と一緒に整理します。

朝のホームルーム
三岡「大変です! 先代から店を引き継いだ後継者さんに聞いたんですが、お客さんは先代の頃の常連さんばかりで、新しいお客さんが全然増えないそうです。ぼく、伝えておきました。『大きな展示会にドーンと出て、チラシも全面広告も一気に出せば大丈夫!』って。お金は……これから何とかするそうです!」
マネッコ先輩「待ちなさい、三岡。販路開拓は勢いで全額突っ込むものじゃありません。順番と、使える制度を確認してからです」
村野教頭「ちょうどいいところに、後継者の販路開拓を支える助成金があります。今日はそれを授業で受け止めます。締切が近いので、最後まで聞いてください」
授業
1つ目、制度の正体は「承継後の販路開拓」を支える東京都の助成金
この制度は、東京都中小企業振興公社の「事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース)」です。事業承継を契機として、新しい販路の開拓に取り組む後継者を、助成金で支援します。助成率は助成対象経費の3分の2以内、助成限度額は300万円(千円未満は切り捨て)です。対象の取り組みは新規販路開拓で、対象商品は新製品・サービスだけでなく、既存製品・サービスも含まれます。初めての展示会・フェアへの出展や、海外販売のためのECサイト制作などが例として挙げられています。
2つ目、対象になる人と、対象になる経費
対象者は、令和3年4月1日から申請日の前日までの間に事業承継した都内中小企業で、個人事業者も含みます。承継の形は、同一法人での代表権の移転(後継者が代表に就任し先代が退任)、M&Aによる事業譲渡や株式譲渡、個人事業主の代替わり(後継者が開業し先代が廃業、事業用資産の引き継ぎ)などです。承継時期の判定には基準日の細かい定めがあるため、自分の承継が対象に入るかは公式ページと募集要項で必ず確認してください。対象経費は、市場調査費・専門家指導費・販売促進費・展示会出展費の4つです。マーケット調査、リスティング広告、雑誌記事掲載、チラシ作成、展示会出展、ECサイト制作などが具体例です。反対に、製品・サービスの開発・改良に要する経費や、会社を整備するための物品購入経費は対象外です。
試算の例です(あくまで計算例です)。対象経費が450万円なら、3分の2は300万円で、ちょうど上限に達して最大300万円。対象経費300万円なら最大200万円、対象経費150万円なら最大100万円です。なお、助成対象期間は交付決定日から最大1年間です。助成金は申請すれば必ず受け取れるものではなく、審査と交付決定がある点も覚えておいてください。

3つ目、締切は11月12日16時。申請はJグランツのみ
第2回の申請締切は2026年11月12日(木)16時です。残り日数はわずかです。申請方法はJグランツによる電子申請のみで、紙の申請はできません。Jグランツの利用にはGビズIDプライムが必要です。まだ持っていない人は、アカウントの用意から逆算してください。もう1つ大事な注意点として、一般コースとの併願はできません。どちらのコースで出すかは、先に決めておく必要があります。
事業承継・販路開拓コースの要点3つ
まとめ図解
後継者の販路開拓に、最大300万円(経費の3分の2以内)。
1上限300万円・率は3分の2以内
承継後の新規販路開拓を支える東京都(公社)の助成金。対象経費450万円の計算例では、ちょうど上限の300万円になります。
2対象は令和3年4月1日以降に承継した都内の中小企業・個人事業者
経費は市場調査費・専門家指導費・販売促進費・展示会出展費の4区分。製品開発や物品購入は対象外です。
3締切11月12日16時・申請はJグランツのみ
GビズIDプライムが必要です。一般コースとの併願はできません。
小テスト
問題:対象経費150万円の販路開拓に取り組むとき、この助成金はいくらまで出ますか?
答え:最大100万円です。150万円の3分の2が100万円で、上限300万円の範囲内だからです。
もう1問。申請の締切は2026年11月12日(木)16時、申請はJグランツによる電子申請のみです。
今日の宿題
3つあります。1つ目、自分の事業承継の日が令和3年4月1日以降かどうかを確認すること。2つ目、やってみたい販路開拓の支出を、市場調査・専門家指導・販売促進・展示会出展の4区分に分けて書き出すこと。3つ目、GビズIDプライムを持っているか確認すること。締切から逆算すると、この3つが今日の宿題です。
校長のひとこと
シーラカンス校長「店は受け継ぐものじゃが、お客さんは自分で連れてくるものじゃ。4億年、店は持っておっても、泳いで来る客ばかりを待ってはおらん。使える制度は、締切の前に使うのじゃ」
放課後・購買部
承継したばかりで販路に困っている方へ。どの経費が対象になるか、申請までに何をそろえるか、1人で抱え込まずに、まずウハウハ高等学校のお問い合わせからご相談ください。制度そのものへの問い合わせは、事業承継を契機とした成長支援事業事務局(TEL 03-4446-4650、受付9時〜16時30分、土日祝・年末年始を除く)へ、申請する事業者ご本人から行う決まりです。
お金と仕事の診断・シミュレーションは診断・ツール一覧にまとめています。
よくある質問
Q. 対象になるのはどんな事業者ですか?
A. 令和3年4月1日から申請日の前日までの間に事業承継した都内中小企業です。個人事業者も含まれます。承継の形は代表権の移転、M&Aによる事業譲渡・株式譲渡、個人事業主の代替わりなどです。承継時期の判定には細かい定めがあるため、募集要項での確認が必要です。
Q. 締切と申請方法を教えてください。
A. 第2回の締切は2026年11月12日(木)16時です。申請はJグランツによる電子申請のみで、GビズIDプライムが必要です。
Q. 一般コースと併願できますか?
A. できません。一般コースとの併願は不可とされています。どちらのコースで申請するか、先に決めてください。
合わせて読みたい
事業承継そのものの読み物も、同じ学科にあります。
参考:キノコ研究拠点と事業承継、食の事業で先に書く2つの計画
出典と確認日
- 出典:東京都中小企業振興公社「事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース)」公式ページ
- 出典:Jグランツ(補助金・助成金の電子申請システム)
- 出典:GビズID 公式サイト
- 確認日:2026年11月7日
- コミッターズ:営業と販路開拓の実務コラム
- 令和の総合商社:あらゆる商いを、ひとつの窓口から
- SAMURAI TIMES:経営者のための士業情報メディア
- ニコニコデスク:仕事と暮らしの実務メディア
- 今日一日:心と生き方を整えるメディア
- HYPE:クリエイターのためのメディア
- 源氏小町:美容と健康のメディア
- Antithesis:常識を疑うメディア
- BUTSU×2:スキルと物の物々交換
- みんなの企業新聞:経営者の出会いと販路づくりの新聞
- ENERGY BANK:系統用蓄電池の専門メディア
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