この授業では、PERとPBRの意味と計算のしかたがわかります。また、数字の使い方と、業種ごとの水準のちがいも学びます。
朝のホームルーム|PERとPBRの疑問
投資初心者の三岡新入生は、身体測定の紙をにぎりしめて、教室の戸をそっと開けました。
「教頭先生、証券アプリに『PER 15倍、PBR 1.2倍』と出ました。そもそも、PERとPBRって何ですか? ぼくの身長より大きい数字なんですか?」
村野教頭は出席簿から顔を上げます。「つまり、三岡くん、身長とは別のものさしです。まず、席に着いてから測りましょう」

たとえば同じ500円のパンでも、大きさが倍なら見え方が変わります。同様に、株価も、何かで割ると比べやすくなります。
PERとPBRは何で割る?
利益で割るか、持ち物で割るか
の例
1PERは利益で割る
1,500円
100円
2PBRは持ち物で割る
- 純資産は持ち物から借金を引いた額
- 高い低いだけでお得か損かは決まらない
3プライム市場の全体(倍)
2026年9月末・単純平均・連結ベース
4数字を使うときの3つ
授業:PERとPBR
村野教頭「要点は3つ。PERは利益で割る、PBRは持ち物で割る、そして数字の使い方です」
要点1 PERは「利益」で割るものさし
PER(株価収益率)は、株価を1株あたりの当期純利益(1年間の最終的な儲け)で割った数字です。日本取引所グループの用語集では、株価が1株あたり当期純利益の何倍まで買われているかを示す、と説明されています(2026年10月25日確認)。
たとえば、下の図のとおり、株価1,500円で1株あたりの利益が100円なら、1,500÷100=15倍です。

要点2 PBRは「持ち物」で割るものさし
PBR(株価純資産倍率)は、株価を1株あたりの純資産(会社の持ち物から借金を引いた額)で割った数字です。同じく、用語集には、株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを示す、とあります。
下の図は、株価1,500円で1株あたりの純資産が1,000円の例です。1,500÷1,000=1.5倍になります。ちなみに、PBRが1倍なら、株価と1株あたりの純資産が同じ水準です。

三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

村野教頭「何度目ですか、三岡くん。だから、倍率に月額はありません」
三岡はぷくっ(ふくらみ1回)。身体測定の紙が、手の中でくしゃっと鳴りました。
要点3 PERとPBRのものさしは「判定機」ではない
PERとPBRは、株価の相対的な水準を測る道具です。特に、ここで大事なのは、数字が高いか低いかだけで、お得か損かは決められないことです。
村野教頭「たとえば、PERが低いと聞くと、つい期待します。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい」
さて、東京証券取引所は、規模別・業種別のPER・PBRを毎月公表しています。2026年9月末時点のプライム市場(単純平均、連結ベース)を見ると、全体のPERは18.9倍、PBRは1.5倍です。でも業種別には、水準がかなり違います。

バンカラ姿のハイギョ、井松仙人が分厚い帳面を広げます。「つまり、数字は、場所を変えれば別の顔じゃ。霞を食って、配当で暮らすのじゃ」

村野教頭「しかし、仙人、PERとPBRでは、霞の値段は測れません」
また、アプリやサイトによって、使っている利益が過去の実績か、会社の予想かが違うことがあります。そのため、表示の注記を見てください。なお、個別の銘柄のPER・PBRは、取引所サイトの「株価検索」などで確認できます。
もちろん、株価が下がって元本割れする可能性は、PERとPBRの数字とは別にあります。つまり、数字は、判断材料のひとつと考えてください。
小テスト|PERとPBRの計算
では、株価が2,000円、1株あたりの当期純利益が100円の会社(仮の数字)のPERは、いくつでしょう。
- A 5倍
- B 20倍
- C 200倍
答えはBです。なぜなら、PERは株価を1株あたりの利益で割るので、2,000÷100=20倍になるからです。
今日の宿題|PERとPBRを見る
まず、日本取引所グループの「規模別・業種別PER・PBR」のページを開き、気になる業種を1つ選んで、PERとPBRを見てください。しかも、無料で、5分で終わります。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、倍率を数えるうちに寝ていました。最後に、目をうっすら開けます。
「…ものさしは、測るもの。…決めるのは、ぬしじゃ。…わしは4億年、売ったことがない。…ぐう」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕入れの途中でやんす。準備中ですので、またどうぞ」
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次回予告
次回は、ピラルク留学科の教室へ。スタモル留学生が、ドル建ての川を案内します。ピラルク留学科の教室へ進む
日本取引所グループ(JPX)は、上場会社の開示情報や市場のルールを公式サイトで公表しています。日本取引所グループ(JPX)は、上場会社の開示情報や市場のルールを公式サイトで公表しています。
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出典と確認日
- 日本取引所グループ「用語集 株価収益率」:https://www.jpx.co.jp/glossary/ka/73.html
- 日本取引所グループ「用語集 株価純資産倍率」:https://www.jpx.co.jp/glossary/ka/74.html
- 日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR」:https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html
- 日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR(2026年9月末、Excel)」:https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/t13vrt0000026ejq-att/perpbr202609.xlsx
確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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