この授業では、株主総会とは何かがわかります。また、招集通知に書かれていることと、議決権の数え方も学びます。
朝のホームルーム|株主総会とは何か
三岡新入生が、分厚い封筒を抱えて、教室に転がり込んできました。おじいちゃんの水槽から、転送されてきたそうです。
表には「株主総会 招集ご通知」の文字。「なんで、ぼくのおじいちゃんに招集がかかるんですか! ぷくっ(ふくらみ1回)」
村野教頭が、封筒をそっと机に置きます。「落ち着いて。今日の検索語は『株主総会とは』ですね。まず、封筒の中身から読みましょう」

たとえば、1単元が100株の会社の株を100株持ち、基準日に株主名簿に載っていると、自分の名前でこの封筒が届きます。会社の大事なことに、1票ぶん参加できる、という合図です。
株主総会とは?
招集通知の読み方
議決権は3個
1株主総会までの流れ
2議決権の数え方
300株
100株
3招集通知と資料の掲載
4数字で覚える
授業:株主総会とは何か、基本の3つ
教頭が、封筒を黒板に貼ります。「要点は3つです。根拠は、会社法の条文です」
要点1:株主総会とは、株主が会社の大事なことを決める場
教頭「株主総会とは、株主が集まり、会社の大事なことを決める会議です。そして、会社法では、定時株主総会を、毎事業年度の終了後、一定の時期に開くことになっています。必要があれば、いつでも開けます。開くのは、取締役が呼びかけて行います」
決算短信(会社が出す決算の速報)の表題部には、定時株主総会開催予定日を書く欄があります。同様に、JPXの「上場会社情報」のメニューには、「決算発表・株主総会予定日」のページがあります。
井松仙人が、バンカラの学ランで教室に入ってきます。「総会か。わしは出席せん。霞を食って、配当で暮らすのじゃ」
教頭「しかし、仙人、封筒は出席の合図ではなく、案内状です。出なくても、事前に票を投じる方法があります」

要点2:招集通知は、早めに届く案内状
教頭「会社法では、株式を自由に売り買いできる会社(公開会社)は、株主総会の日の2週間前までに、通知を発する決まりです。また、取締役会がある会社は、書面で通知します。株主が承諾すれば、電磁的方法(メールなど)でもできます」
具体的には、通知には、総会の日時と場所、総会の目的(議題)、出席しない株主が書面や電磁的方法で議決権を行使できるか、が書かれます。

図の4項目が、封筒を開いたら最初に見る場所です。なお、電子提供制度(総会の資料をウェブサイトで見せる仕組み)があります。そして、上場会社は、この制度を使うことが法律で決まっています(社債、株式等の振替に関する法律159条の2)。さらに、法務省は、資料を自社のウェブサイトに載せ、そのアドレスなどを書面で株主に通知する方法と説明しています。ちなみに、この制度は2022年9月1日から施行され、上場会社は2023年3月1日以降に開く総会から使うことになりました。

図のとおり、会社法では、総会の3週間前の日か、通知を発した日の、早い方から、ウェブサイトに資料を載せます。掲載は、総会の日から3か月たつ日まで続きます。
三岡「つまり、資料が分厚くなくなるんですね。ぷくっ(ふくらみ2回)」

要点3:議決権は「1単元に1個」
教頭「まず、議決権は、株主総会で賛成や反対を伝える権利です。会社法では、株主は株式1株につき1個の議決権を持ちます。ただし、単元株式数を定めている会社は、1単元の株式につき1個です。東証の売買単位は、2018年10月1日に100株へ統一されました」

図の式のとおり、たとえば300株を持ち、1単元が100株なら、議決権は3個です。数字は例です。なお、単元株式数は、会社ごとに確認してください。
出席しない株主も、会社が定めれば、書面や電磁的方法で議決権を行使できます。だから、ここは会社の定款や、弁護士などの専門家に聞くと安心です。
三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」
教頭「議決権は、月額ではなく、株を持つと付いてくる権利です。ただし、株は値下がりして、元本割れ(買ったときより安くなること)することもあります。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。つまり、権利があることと、儲かることは、別の話です」
小テスト|株主総会とは何かの確認
問題。会社法で、株式を自由に売り買いできる会社(公開会社)が、株主総会の招集通知を発する時期は、基本的にいつまででしょう。
- A 総会の日の2週間前まで
- B 総会の前の日まで
- C 総会が終わったあと
答えはAです。なぜなら、招集通知は、総会の日の2週間前までに発する決まりだからです。
今日の宿題|株主総会とはいつ開くかを調べる
JPXの東証上場会社情報サービス(https://www.jpx.co.jp/listing/co-search/index.html)を開き、上部の「上場会社情報」のメニューから「決算発表・株主総会予定日」のページを探します。そして、見つけたら、日付をひとつ書き出しましょう。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、封筒の話で寝ていました。鐘が鳴ると、目をうっすら開けます。
「……総会か。わしは4億年、売ったことがない。案内状は、読んでから返事をするのじゃ……ぐう」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい! 今日のパンは仕入れ中でやんす。準備中なので、封筒より先には並びやせん」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次回は、ピラルク留学科へ遠足です。では、川の向こうの総会は、どんな封筒でしょう。三岡は、パスポートの写真を探しています。
合わせて読みたい
出典と確認日
- e-Gov法令検索「会社法」(第296条・第298条・第299条・第308条・第325条の3・第325条の4):https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086
- e-Gov法令検索「社債、株式等の振替に関する法律」(第159条の2):https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000075
- 法務省「会社法の一部を改正する法律について」:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00001.html
- 日本取引所グループ金融商品取引法研究会「株主総会資料電子提供制度の運用上の諸問題」(2023年10月27日):https://www.jpx.co.jp/corporate/research-study/research-group/mklp770000001o9v-att/20231027_2.pdf
- 日本取引所グループ「売買単位」:https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/03.html
- 日本取引所グループ「東証上場会社情報サービス」:https://www.jpx.co.jp/listing/co-search/index.html
- 日本取引所グループ「決算短信(サマリー情報)の作成要領」:https://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/format/summary/tvdivq0000004wuh-att/mklp770000003457.pdf
確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
この学科の記事を読む順に並べたページは、配当ハイギョの沼のまとめ|記事の一覧と読む順番です。
この記事が気に入ったら、シェアしてください
関連する授業として、「積立投資はいくらから?毎月の金額と増え方を計算で確かめる」では、無料の診断・シミュレーション「積立投資シミュレーション」の使い方を解説しています。あわせてどうぞ。
関連サイト
- コミッターズ:営業と販路開拓の実務コラム
- 令和の総合商社:あらゆる商いを、ひとつの窓口から
- SAMURAI TIMES:経営者のための士業情報メディア
- ニコニコデスク:仕事と暮らしの実務メディア
- 今日一日:心と生き方を整えるメディア
- HYPE:クリエイターのためのメディア
- 源氏小町:美容と健康のメディア
- Antithesis:常識を疑うメディア
- BUTSU×2:スキルと物の物々交換
- みんなの企業新聞:経営者の出会いと販路づくりの新聞
- ENERGY BANK:系統用蓄電池の専門メディア
- はてなブログ(ウハウハ高等学校|投資の教室):投資の教室
- アメブロ(令和の総合商社):令和の総合商社のアメブロ
- note(コミッターズ):コミッターズのnote
