この授業では、ハザードマップの調べ方がわかります。重ねるハザードマップで、物件の場所の災害リスクを見る手順を確認します。
朝のホームルーム|ハザードマップの調べ方って?
水槽の校舎なのに、三岡新入生は傘をさして登校してきました。しかも、ぶかぶかのブレザーの袖から、ぽたぽた水がたれています。
「教頭先生、実は、物件を探していて思ったんです。水害って、ハザードマップで調べられるって聞きました。どうやって見るんですか」
まず、村野教頭が出席をとります。「三岡さん、いますね。……傘から水が出ていますが」「ぷくっ(ふくらみ1回)。すみません」
物件の価格や家賃は見ても、場所の災害リスクは見落としがちです。しかも、住所を入れるだけで見られるので、この授業でハザードマップの調べ方を覚えれば、次に物件を見るとき、ひとつ確認が増えます。
ハザードマップの調べ方
住所を入れて色と文字を読む
ハザードマップ
1調べる5つの手順
最後は「わがまちハザードマップ」で、市町村が作った地図を確認します。
2分かること・気をつけること
- 洪水・土砂災害・高潮・津波
- 道路防災情報
- 土地の特徴・成り立ち
- 住所検索には誤差がある
- 区域外でも安心と決めつけない
- 細かい数値は河川管理者に確認
3色の順と、重ねる情報
4覚える数字
授業:ハザードマップの調べ方|物件の場所を調べる
村野教頭が黒板に地図を貼りました。「まず、使うのは、国土交通省のハザードマップポータルサイトの『重ねるハザードマップ』です。要点は3つです」
要点1:住所を入れて、色と文字を読む
まず、トップページで「住所入力」か「現在地から探す」を押すと、その場所で想定される災害リスクが、地図上に自動で表示されます。また、画面右上の「リスク検索」アイコンを押してから地図をクリックしても、その付近のリスクが出ます(2026年10月25日確認)。

ポップアップ(小さな表示窓)には、リスクの文字説明と、避難行動のポイントが出ます。さらに、背景の色は、白、黄色、橙色、桃色、赤色の順に、災害リスクが高くなります。
一方、洪水と高潮の浸水リスクが重なる場所では、浸水深が最も大きくなる災害種別の情報だけが表示されます。ほかの種別は、それぞれのアイコンを押して見ます。なお、土砂災害は、急傾斜地の崩壊、土石流、地すべりの情報です。
「この辺は大丈夫ですよ」という言葉を想像して、三岡さんが、ぷくっ(ふくらみ2回)。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい」と教頭。「だから、自分の目で地図を見るのです」
要点2:ハザードマップの調べ方|種類を重ねて、周辺も見る
さらに、重ねるハザードマップは、洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報や、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを、地図や写真に重ねて表示できます。
ただし、住所検索や現在地検索には誤差があり、検索した地点の情報が出ないこともあります。ポップアップは、選んだ地点とその周辺で最も危険な情報を表示するので、文字だけに頼らず、周辺の数地点も確認しましょう。なお、洪水の浸水深は、6または8段階のランク表示です。具体的な数値は、各河川管理者に問い合わせると案内されています。
そこで、図にすると、分かることと気をつけることは、次のとおりです。

実は、用地選びの面でも、同じ確認が出てきます。この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
用地選びの解説で、浸水・土砂災害警戒区域かどうかを、自治体のハザードマップで確認する項目が挙げられています。
参考:蓄電池用地の条件とは|系統用蓄電池に向く立地・面積・接続を解説
要点3:市町村の地図と、取引のときの説明
さらに、同じサイトの「わがまちハザードマップ」は、市町村が法令に基づいて作成・公開したハザードマップへのリンクです。また、サイトの留意事項には、避難行動をとるときは、市町村が作成するハザードマップを確認するよう書かれています。
次に、不動産の取引では、2020年8月28日から、宅地建物取引業者の重要事項説明に、水害ハザードマップでの対象物件の所在地が加わりました。なお、対象は、水防法に基づく洪水・雨水出水・高潮のハザードマップです。ただし、浸水想定区域に入っていなくても、水害リスクがないと誤認しないよう配慮することも求められています。
「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」と三岡さん。「お金の話ではありません。つまり、住所を入れて、見る話です」と教頭。
アイビー先生が、雑巾を持ってきました。「水が出たあとの掃除は、骨が折れるでの。空室までは掃除できんがの。だから、ご飯は食べなさい」
なお、災害の判断や契約の細かい点は、不動産会社や専門家に確認してください。

小テスト|ハザードマップの調べ方の確認
問題:重ねるハザードマップで、洪水と高潮の浸水リスクが重なる場所のポップアップには、何が表示されるでしょう。
- A 2つの浸水深の平均
- B 浸水深が最も大きくなる災害種別の情報だけ
- C 洪水の情報だけ
答えはBです。つまり、ほかの種別の浸水深は、それぞれのアイコンを押して確認します。
今日の宿題|ハザードマップの調べ方を試す
自分が住んでいる家の住所を、重ねるハザードマップに入れてみましょう。ポップアップの色と文字を1つ読み取れたら合格です。しかも、3分で終わります。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、地図の上でぐっすり寝ていました。終わりに、片目だけ開けます。
「……水の来る場所は……地図に書いてある。……見るのは、ただじゃ。……わしは4億年、売ったことがない」
そう言って、校長はまた寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい! 今日のパンは、ただいま仕入れ中。だから、準備中の旗を立てときやす」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次回は、ピカピカ発電所科の教室です。ムコブカ主任が、作業着で安全確認をしています。では、災害に備える話から、電気をためる話へ進みます。ピカピカ発電所科の教室へ
出典と確認日
- 国土交通省 ハザードマップポータルサイト:https://disaportal.gsi.go.jp/
- ハザードマップポータル「新機能について」:https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmapportal/hazardmap/faq/new_function.html
- ハザードマップポータル「よくある質問」:https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmapportal/hazardmap/faq/faq.html
- 国土交通省「最近の宅建業法令の改正について」:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000268.html
- 国土交通省 報道発表(宅建業法施行規則の改正):https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000205.html
- 確認日:2026年10月25日
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