この授業では、重要事項説明で聞くことがわかります。宅建業法の第35条にそって、物件とお金・契約の項目を確認します。
朝のホームルーム|重要事項説明とは?
三岡新入生が、教室に入るなり「じゅうようじこうせつめい、じゅうようじこう……」と唱え、舌をかんだ。しかも、涙目で、ブレザーの袖をにぎっている。
「物件を買う前に聞かれるやつです。でも、『重要事項説明 とは 宅建業法』で調べたら、条文が出てきて」ぷくっ(ふくらみ1回)。まず、村野教頭が出席をとる。「三岡くん、出席、ヨシ」
部屋を借りたとき、宅建士の人が書類を読み上げたのを覚えていませんか。つまり、あれが重要事項説明、略して重説です。一方、大家さんになるときは、買う側として聞きます。実は、聞き逃しを減らすコツがあります。
重要事項説明で聞くこと
契約が成立する前に書面で
第35条
1重説を受ける4歩
オンライン・電子書面でも、相手方の事前の承諾と宅建士証の提示が必要です。
2物件について聞く5つ
- 登記された権利と名義人
- 都市計画法・建築基準法の制限
- 水道・電気・ガス・排水の状況
- 建物状況調査の有無と結果
- 水害ハザードマップでの所在地
3覚える数字
4お金と契約について聞く4つ
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 代金以外のお金 | 額と、何のためのお金か |
| 契約の解除 | 解除に関する決まり |
| 違約金など | 損害賠償額の予定・違約金 |
| ローンのあっせん | 内容と、不成立のときの措置 |
授業:重要事項説明で聞くこと
村野教頭が指を3本立てた。「まず、要点は3つです。条文は宅地建物取引業法の第35条です」
要点1 契約が成立するまでに、書面を交付して説明
宅地建物取引業者は、売買、交換、貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士(宅建士)に、書面を交付して説明させなければなりません(2026年10月25日確認)。つまり、契約の前、というのが大事です。
また、国土交通省の資料では、説明は対面のほか、オンラインでもでき、書面も電子書面で渡せるようになっています。どちらも、相手方の事前の承諾を得て行います。ただし、オンラインでも、宅建士証の提示が必要です。さらに、書面が手元にあるかを確認してから始めます。

つまり、図のとおり、書面を手元に置き、宅建士証を見せてもらい、書面を見ながら説明を受けます。
要点2 重要事項説明で、物件のことを聞く
まず、条文には、説明する項目が並んでいます。物件に関する主なものは、次のとおりです。登記された権利の種類と内容、登記名義人。また、都市計画法や建築基準法などの法令上の制限。さらに、飲用水、電気、ガスの供給と排水の施設の整備状況。
また、売買では、私道に関する負担も入ります。区分所有の建物なら、敷地に関する権利や、共用部分についての規約の定めなどが加わります。そして、既存の建物は、建物状況調査を実施しているかどうかと、その結果の概要も説明の対象です。
なお、水害ハザードマップ上の物件の所在地の説明は、2020年8月28日から義務になりました。

アイビー先生が割烹着の裾をはたいた。「特に、登記のところは、前に習った登記簿と見比べるのじゃ。空室までは掃除できんがの。だから、ご飯は食べなさい」
また、この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。関連記事では、契約前の確認は、分からない点を署名や押印の前に質問して、回答を書面で残すとよい、とされています。
契約前に金額、期間、解約の扱いなどを確認し、分からない点は署名や押印の前に質問して、回答を書面で残す。
参考:代理店・フランチャイズ契約前の確認項目(手数料・期間・解約)
要点3 重要事項説明で、お金と契約のことを聞く
次に、お金と契約に関する項目も条文にあります。代金や借賃以外に受け渡されるお金の額と目的。また、契約の解除に関する事項。損害賠償額の予定、または違約金に関する事項。さらに、ローンのあっせんの内容と、ローンが成立しなかったときの措置です。

「違約金……ひぇっ、それ、月いくらからですか?」三岡がまたふくらむ(ふくらみ2回)。「違約金は、月払いの会費ではありません」と教頭。
村野教頭が声をひそめた。「たとえば、『細かい説明は省略で』と急がせる話があれば、要注意です。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい」
なお、契約や法律の判断は、宅建士や弁護士などの専門家に確認してください。
小テスト|重要事項説明の確認
問題。重要事項説明で、条文に説明する項目として並んでいるものはどれ?
- A 買ったあとの家賃相場の見通し
- B 損害賠償額の予定や違約金に関する事項
- C 将来の値上がりの見込み
答えはBです。つまり、重説は、事実と契約の決まりを説明するもので、将来の見通しは項目に入っていません。
今日の宿題|重要事項説明書を探す
借りている部屋の契約のときにもらった書類から、「重要事項説明書」を探してみましょう。ただし、なければ、国土交通省のサイトで「重要事項説明」と検索し、見出しを眺めるだけで合格です。
校長のひとこと
校長は「月賦……月賦……」と寝言を言っていた。最後に目を開ける。「……だから、聞くのは、契約の前じゃ。判を押してからでは、遅い。ぐう」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕入れ中でやんす。そのため、準備中ですので、書面でご予約はできやせん」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次の教室はピカピカ発電所科です。ムコブカ主任が、発電の基本を教えます。ちなみに、出席簿の代わりに、点検表を持ってきます。
出典と確認日
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第35条:https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
- 国土交通省「書面電子化・IT重説マニュアル ハンディガイド」:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001853619.pdf
- 国土交通省「水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」:https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000205.html
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、契約や投資の勧誘や助言ではありません。契約や投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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