今日は卒FITの10年後の売電について学びます。買取が終わったあとの、2つの道がわかります。
朝のホームルーム|卒FITと10年後の売電
三岡新入生が、一枚のハガキを握りしめて教室に入ってきました。
「実家の屋根の太陽光、買取の10年が終わるそうなんです。卒FITって、売電はどうすればいいんですか?」
村野教頭「出席、確認しました。ただ、ハガキは大事な通知かもしれません。座ってください」

実は、実家に太陽光がある人は、いつかこのハガキを見ます。10年後の売電について、国の意見書では、小売電気事業者が公表している買取メニュー(2025年12月時点)の売電価格の平均が10.0円/kWhでした。では、今日はその数字から始めます。
卒FITの10年後の売電
売る?自分で使う?
申込みを
1卒FITの前後の流れ
21kWhあたりの値段(円)
売電は2025年12月時点の買取メニュー。自家消費の便益は国の2026年度の設定。購入費は含みません。
310年後に何もしないと
- 新しい単価で買取が続く
- 余った電気は無償で引き取られる
- 買取契約を結ばない限り続く
4卒FITのあとの2つの道
5余った電気が年1,000kWhなら
1,000kWh
約10円/kWh
授業:10年後の売電の選び方
すると、ムコブカ主任がチョークの代わりに、電池を持って現れました。教頭が3つの要点を教えます。
1 卒FITとは「固定価格の10年が終わること」
教頭「まず、FITは、再生可能エネルギーの電気を決まった価格で買い取る制度です。また、10kW未満の住宅用太陽光は、買取の期間が10年間です。つまり、この期間が終わることを、卒FITと呼びます。資源エネルギー庁の案内では、2019年11月以降、順次満了しています」
そして、終わる時期は、いま買い取っている事業者から通知が届きます。満了の6か月から4か月前が目安です。下の図が、その流れです。

2 10年後の売電、何もしないとどうなる?
まず、10年後の売電について、資源エネルギー庁のよくある質問に、答えがあります。その場合、契約が自動継続になっていれば、新しい単価で買取が続きます。自動継続でないときは、買取契約を結ばない限り、余った電気は送配電の事業者が無償で引き受けることになります。
三岡「ひぇっ、それ、タダで持っていかれるってことですか?」
ぷくっ(ふくらみ1回)。主任「放電は得意、貯めるのは苦手。安全確認、ヨシ! ……だが、売るなら申込みを忘れるな」

一方、売電を続けたいなら、満了までに希望のプランを選んで、事業者に申し込みます。通知が届いたら、早めに内容を確認しましょう。
3 10年後の売電は道が2つ。自分で使うか、売るか
教頭「さて、国の案内は、道を2つ挙げています。1つ目は自家消費です。具体的には、家庭用蓄電池を買って、太陽光の電気でまかなえる量を増やします。また、電気自動車などで使う方法もあります。2つ目は、事業者と相対・自由契約を結んで売る方法です。売り先ごとに単価が違います」
では、数字を見ます。2025年12月時点で小売電気事業者が公表していた買取メニューでは、売電単価の平均が10.0円/kWh、中央値が9.5円/kWhでした。一方、国は2026年度の「自家消費分の便益」を27.45円/kWhと設定しています。つまり、大手電力の直近10年の家庭用電気料金の単価に、消費税10%を加えた数字です。

たとえば、余った電気が年に1,000kWhなら、売ると約1万円です。それに対して、自分で使えば、電気料金の約2.7万円分に当たる計算です。ただし蓄電池などの購入費は別にかかります。単純な比べ方はできません。

教頭「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。『今すぐ蓄電池を入れないと損』という話は、まず単価と購入費を並べます」
産業用の太陽光の話ですが、売るか、設備を入れ替えるかの考え方は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
FIT期間の残りや設備の更新時期を見て、売却か乗り換えかを比べる考え方が書かれています。パワコンは一般に15年前後で交換が必要とされます。
参考:FIT太陽光の売却と蓄電池乗り換えを比較|既存オーナー向け判断軸
なお、売電の収入が税金でどう扱われるかは、税務署や税理士に確認してください。最新の単価は、事業者の公式サイトで確認しましょう。
蓄電池・太陽光の事業化について、事業者に相談したい方はこちらです。(外部サイトへ移動します)
相談窓口へ進む
小テスト|10年後の売電クイズ
では、10年後の売電の問題です。卒FITのあと、買取の契約が自動継続になっていない場合、何もしないとどうなるでしょう。
- A これまでと同じ単価で、買取が一生続く
- B 余った電気は、送配電の事業者が無償で引き受ける
- C 太陽光パネルが自動で止まる
答えはBです。つまり、売電を続けたいなら、満了までにプランを選んで申し込みます。
今日の宿題
まず、10年後の売電に備えて、検針票かアプリで、いまの売電単価を見てください。実家の分でも大丈夫です。通知のハガキが届いていないかも、玄関で探してみましょう。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、10年の話の途中で寝ました。4億年からすれば、10年は一瞬だからです。
「わしは4億年、売ったことがない。……売るなら、申込みの日付を忘れずにの。むにゃ」

放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕込み中でやんす。準備中ですので、おいしくなるまでお待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
教頭「次の教室はサロン見極め科です。高いお金を払う前に、どこを見ればいいか。軍服の先生がチェックします」
卒FIT後の選び方については、ENERGY BANKの蓄電池の売却の手引きでも解説しています。
一次情報は資源エネルギー庁「買取価格・期間等について」でも確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 資源エネルギー庁「どうする?ソーラー 太陽光発電の『FIT制度』のこれから」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/solar-2019after/future.html
- 資源エネルギー庁「どうする?ソーラー よくあるご質問」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/solar-2019after/faq.html
- 資源エネルギー庁「買取価格・期間等について」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html
- 調達価格等算定委員会の意見書(2026年度以降の調達価格等、2026年2月5日公表):https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20260205_1.pdf
- 確認日:2026年10月25日(案内ページの一部は2019年の制度開始時期の内容を含みます)
この記事は学習用の情報で、契約や投資の勧誘や助言ではありません。契約や投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
この学科の記事を読む順に並べたページは、ピカピカ発電所科のまとめ|記事の一覧と読む順番です。
この記事が気に入ったら、シェアしてください
関連サイト
- コミッターズ:営業と販路開拓の実務コラム
- 令和の総合商社:あらゆる商いを、ひとつの窓口から
- SAMURAI TIMES:経営者のための士業情報メディア
- ニコニコデスク:仕事と暮らしの実務メディア
- 今日一日:心と生き方を整えるメディア
- HYPE:クリエイターのためのメディア
- 源氏小町:美容と健康のメディア
- Antithesis:常識を疑うメディア
- BUTSU×2:スキルと物の物々交換
- みんなの企業新聞:経営者の出会いと販路づくりの新聞
- ENERGY BANK:系統用蓄電池の専門メディア
- はてなブログ(ウハウハ高等学校|投資の教室):投資の教室
- アメブロ(令和の総合商社):令和の総合商社のアメブロ
- note(コミッターズ):コミッターズのnote
