今日は再エネの発電方式の違いを学びます。太陽光・風力・水力・地熱を、3つのものさしで比べます。
朝のホームルーム|発電方式の違いが分からない
三岡新入生が、課題プリントを抱えて教室に入ってきました。目がうるうるしています(泣く)。
「再エネの発電方式って、太陽光、風力、水力、地熱……。でも、どれがどう違うのか、ごちゃごちゃで分かりません」
村野教頭「まず、出席をとります。三岡さん、泣いていても出席は出席です」

では、今日は発電方式の違いを、1本の軸で4つ並べます。軸は「発電の仕方」。国の統計では、2024年度の発電量の23.1%が再エネ(水力を含む)でした。そして、電気代の明細の「再エネ」の中身が、少し見えてきます。
再エネの発電方式の違い
太陽光・風力・水力・地熱
ありません
1発電方式4つの比較
| 方式 | しくみ | 得意 | 課題 |
|---|---|---|---|
| 太陽光 | 光を直接電気に変える | 屋根など空き場所に置ける | 天気で出力が変わる |
| 風力 | 風の力で電気をつくる | 風があれば夜も発電 | 日本はコストが高止まり |
| 水力 | 水の流れ落ちる力で回す | 一定量を安定して供給 | 未開発地は奥地でコスト高 |
| 地熱 | 地下の蒸気や熱水を使う | 昼夜を問わず連続発電 | 温泉地などと調整が要る |
2再エネ(水力含む)2,286億kWhの内訳
3比べる3つのものさし
- しくみ:何の力で電気をつくる?
- 得意:どんな場面で強い?
- 課題:何がネックになる?
42024年度の数字
授業:再エネの発電方式の違いを4つ並べる
村野教頭「つまり、今日の軸は、何の力で電気をつくるか、です。まず、発電方式の違いが見えるように、太陽光、風力、水力、地熱の4つを、同じ型で並べて紹介します。順位ではありません。また、良し悪しの採点もしません」
たとえは部活です。晴れの日に強い屋上部、風まかせの帆かけ部、水の流れで動く水路部、地下であたたまる床下部。つまり、部活が4つ並んだと思ってください。
発電方式の違いを比べるものさしは3つ
教頭「そこで、ものさしは3つです。具体的には、しくみ(何の力で電気をつくるか)、得意なこと、課題。そして、この3つを、4つ全部に当てます」

太陽光
- しくみ:光が当たると電気が生まれる半導体(太陽電池)で、光を直接電気に変えます。
- 得意:屋根や壁など、使っていないスペースに設置できます。
- 課題:天気などの気候条件で、出力が変わります。
- 2024年度の発電量:981億kWh(全体の約9.9%)
三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

ぷくっ(ふくらみ1回)。教頭「月額の話ではありません。つまり、発電した量の話です。また、2010年度は35億kWhでしたから、14年で約28倍です(学校内の割り算)」
風力
- しくみ:風のエネルギーを、電気エネルギーに変えます。
- 得意:風さえあれば夜でも発電できます。陸上と洋上の両方で発電できます。
- 課題:資源エネルギー庁のページに、日本の発電コストは高止まっていると書かれています。送電網(系統)の制約や、地元との調整も課題です。
- 2024年度の発電量:117億kWh(全体の約1.2%)
なお、風力と蓄電池の比べ方は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
風力は風況に左右されやすく、開発期間も長くなりがちです。蓄電池は天候への依存が比べて低いとされ、リスクの性質を比べて選ぶと説明しています。
参考:系統用蓄電池と風力発電を比較|再エネ投資の特徴・リスク・選び方
水力
- しくみ:水が流れ落ちる力で水車を回して、発電します。
- 得意:資源エネルギー庁のページでは、自然条件によらず一定量の電力を安定的に供給できる、と説明されています。一度つくれば、数十年にわたり発電できます。
- 課題:まだ使っていない地点は奥地で小規模なため、開発済みの地点よりコストが高くなります。
- 2024年度の発電量:735億kWh(全体の約7.4%)
主任「放電は得意、貯めるのは苦手。安全確認、ヨシ! 水を貯めるダムは、ぜひ見習いたい」
地熱
- しくみ:地下に掘った井戸から出る蒸気や熱水の力で、発電します。
- 得意:昼夜を問わず連続して発電できます。化石燃料のように、枯渇する心配が無いと説明されています。
- 課題:立地が公園や温泉などの地域と重なるため、地元関係者との調整が必要です。
- 2024年度の発電量:39億kWh(全体の約0.4%)
さて、下の図は、ここまでを1枚の表にしたものです。つまり、発電方式の違いが見やすいように、しくみ、得意、課題の順に、4つが同じ型でそろっています。

発電方式の違いを発電量で並べてみる
国の統計では、2024年度の発電電力量は全体で9,911億kWhです。一方、再エネ(水力を含む)は2,286億kWhで、全体の23.1%でした。さらに、4つの内訳は、下の図のとおりです。ちなみに、残りの414億kWhはバイオマスです。今日の軸(光・風・水・熱)とは別なので、ここでは並べません。

教頭「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。だから、『この方式が一番』という話は、軸と数字を確認してから聞きます。そのため、方式ごとに得意が違うので、1つだけを持ち上げません」
また、天気で変わる出力を支える仕組みについては、別の解説記事でも詳しく書かれています。
再エネの出力は変動します。系統用蓄電池は充放電で需給調整を支える設備ですが、単独で全課題は解決しないと説明しています。
参考:系統用蓄電池とは?仕組みと再生エネルギーとの関係を初心者向けに解説
なお、契約や設備の判断は、見積書や契約書を確認し、専門家にも相談して決めましょう。ただし、この記事の数字は、2026年10月25日に確認したものです。
蓄電池・太陽光の事業化について、事業者に相談したい方はこちらです。(外部サイトへ移動します)
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小テスト|発電方式の違いクイズ
では、4つの発電方式の違いを比べるとき、この授業の「ものさし」の使い方として合っているのはどれでしょう。
- A しくみ・得意・課題の3つを、4つ全部に同じ型で当てる
- B 好きな方式だけを、長く説明する
- C 来年の発電量を予想して、順位をつける
答えはAです。このように、同じ型でそろえると、発電方式の違いが見えます。予想や順位づけは、この授業ではしません。
今日の宿題|発電方式の違いを探す
まず、地図アプリで、自分の住む町の近くに、4つのうちどの発電所があるかを探して、1つメモしてください。ただ、見つからなければ「なし」でOK。しかも、5分で終わります。
校長のひとこと
ところが、シーラカンス校長は、4つ目の地熱のあたりで寝てしまいました。そして、地下のぬくもりが心地よかったようです。
「わしは4億年、売ったことがない。……だって、光も、風も、水も、熱も、わしより新入りじゃ。むにゃ」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは、発電所の形に焼いている最中でやんす。準備中ですので、ご辛抱を」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
教頭「次の教室はサロン見極め科です。軍服のニッコリ先生が、通う前に確かめたい点を教えてくれます」
発電方式の違いについては、ENERGY BANKの太陽光と系統用蓄電池の投資比べでも解説しています。事業者向けの実務は、zeusの太陽光と蓄電池の組み合わせも参考になります。
一次情報は風力発電でも確認できます。一次情報は水力発電でも確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 太陽光発電(しくみ・長所・課題)、資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/solar/index.html(確認日:2026年10月25日)
- 風力発電、同上:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/wind/index.html(確認日:2026年10月25日)
- 水力発電、同上:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/water/index.html(確認日:2026年10月25日)
- 地熱発電、同上:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/geothermal/index.html(確認日:2026年10月25日)
- 発電量・構成比、資源エネルギー庁「2024年度エネルギー需給実績(確報)の概要」(2026年4月14日公表):https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/pdf/gaiyou2024fykaku.pdf(確認日:2026年10月25日)
- 全体の割合は、上の数字をもとにした学校内の割り算です。
この記事は学習用の情報で、契約や投資の勧誘や助言ではありません。契約や投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
この学科の記事を読む順に並べたページは、ピカピカ発電所科のまとめ|記事の一覧と読む順番です。
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