今日は太陽光パネルの廃棄費用と、積立制度を学びます。住宅用の人が見積りで聞く3つの点がわかります。
朝のホームルーム|パネルの廃棄費用は誰が出す?
三岡新入生が教室に入ると、後ろの壁に古い太陽光パネルの模型が立てかけてありました。ごつん。そして、すねをぶつけて、ぷくっとふくらみます(ふくらみ1回)。
「痛っ! パネルって、使い終わったら捨てるんですよね。パネルの廃棄費用は誰が出すんですか? 積立制度があると聞きました」
村野教頭「では、出席をとります。三岡さん、模型は動きません。落ち着いて」

確かに、家に太陽光がある人も、これから載せる人も、廃棄は20年ほど先の話です。でも見積りで聞く質問が1つ増えるだけで、あとで慌てずに済みます。
パネルの廃棄費用と積立制度
住宅用は対象になる?
対象外
1積立額の決まり方
廃棄費用を決める ▶ 終了前の10年間で積む計算 ▶ 1kWhあたりの金額 ▶ 電気を売るたびに外へ。
2積立制度の対象かどうか
- 10kW以上の太陽光
- FIT・FIP認定の事業
- 原則、外部に積み立てる
- 10kW未満の住宅用太陽光
- 撤去費はこの制度で積めない
- 見積りで自分で確かめる
3覚える数字
4積立の時期と方法
5見積りで聞く3つ
- 撤去や処分の費用は、見積りに含まれているか
- 撤去や処分は、誰が手配するのか
- 将来かかる費用は、いつ、どれくらいか
授業:太陽光パネルの廃棄費用と積立制度
すると、ムコブカ主任がヘルメットのまま、模型の裏から顔を出しました。そして、教頭が3つの要点で教えます。
1 積立制度は「あとで困らないための貯金箱」
教頭「まず、太陽光の設備は、使い終わると解体や撤去、処分が必要になります。つまり、太陽光パネルの廃棄費用を、使っているうちから積み立てておくのが、廃棄等費用の積立制度です。では、資源エネルギー庁の資料をもとに説明します」
次に、対象は、10kW以上のすべての太陽光発電の、FIT・FIP認定事業です。FITは決まった価格で買い取る制度、FIPは市場価格に上乗せする制度です。
また、積み立てを始める時期は、最も早い事業で2022年7月1日でした。さらに、積み立てる期間は、買取(交付)期間が終わる前の10年間です。そして、方法は、原則として源泉徴収的な外部積立てです。給料の天引きのように、事業者の手元ではなく、外に積み立てます。

2 パネルの廃棄費用は「1kWhあたり」で決まる
三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

ぷくっ(ふくらみ2回)。教頭「月額ではなく、売った電気の量に応じた積立てです。国の意見書には、解体等積立基準額を『想定の廃棄等費用を積み立てられるkWh当たりの単価』として設定してきた、とあります」
では、流れは、下の図のとおりです。まず想定の廃棄費用を決めます。その後、それを終了前の10年間で積み立てる計算にして、1kWhあたりの単価にします。さらに、電気を売るたびに、その単価で積み立てていきます。

主任「放電は得意、貯めるのは苦手。安全確認、ヨシ! だから制度のほうで、先に貯めておくんだな」
3 住宅用のパネルの廃棄費用は、この制度の対象ではない
ここが今日の一番大事な点です。制度の対象は10kW以上です。住宅用の太陽光は10kW未満なので、この積立制度の対象には入りません。屋根の上のパネルを外す費用は、この制度では積み立てられません。だから、見積りの段階で、自分で確かめておきましょう。
下の図は、対象になる設備と、ならない設備の比較です。

金額は工事の内容で変わるため、ここでは書きません。見積りでは、次の3つを聞いておきましょう。
- 撤去や処分の費用は、見積りに含まれているか
- 撤去や処分は、誰が手配するのか
- 将来かかる費用は、いつ、どれくらいと見込まれるか
国の2026年度の計算では、住宅用は20年間の運転を想定しています。外壁や屋根の塗り替えなどが想定されるため、とされています。20年先の工事は想像しにくいので、見積りの時点で聞いておきます。
なお、国のよくある質問には、発電事業の認定を申請する事業者は、申請時に廃棄費用を見積もる、とあります。国も廃棄費用を「最初から見込むコスト」として扱っています。ただし、事業者向けの説明で、住宅用の決め方ではありません。
教頭「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。『撤去費用もずっと無料』と言われたら、いつまで、誰が、の条件を契約書で確認します」
契約や税金、保険の判断は、契約書をよく読み、専門家にも相談して決めましょう。最新の内容は、資源エネルギー庁の公式サイトで確認してください。
蓄電池・太陽光の事業化について、事業者に相談したい方はこちらです。(外部サイトへ移動します)
相談窓口へ進む
小テスト|パネルの廃棄費用クイズ
では、パネルの廃棄費用の積立制度の対象は、次のうちどれでしょう。
- A 10kW以上の、FIT・FIP認定の太陽光発電
- B 10kW未満の住宅用だけ
- C 風力発電だけ
答えはAです。つまり、10kW以上のすべての太陽光が対象で、住宅用は含まれません。
今日の宿題
まず、自分の家(実家でもOK)の太陽光について、設置容量(kW)が契約書や保証書に書かれているかを探して、10kW未満かどうかをメモしてください。ない人は、見積りで聞く3つをメモするだけでも十分です。
校長のひとこと
そして、シーラカンス校長は、20年先の話のあたりで安心して寝ました。なぜなら、4億年からすれば、20年は短いからです。
「わしは4億年、売ったことがない。……捨てるときのことは、買うときに聞くんじゃぞ。むにゃ」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは配達待ちでやんす。準備中ですので、もうしばらくお待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
教頭「次は、サロン見極め科です。『入る前に聞くこと』は、太陽光でも会員制でも同じ。軍服の先生がうなずきます」

一次情報は資源エネルギー庁「よくあるご質問」でも確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 資源エネルギー庁「廃棄等費用積立制度の概要」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/fip_2020/fip_document03.pdf
- 資源エネルギー庁「再エネ特措法の改正(2020年度改正)」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/FIP_r2.html
- 資源エネルギー庁「よくあるご質問」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_faq.html
- 調達価格等算定委員会の意見書(2026年度以降の調達価格等、2026年2月5日公表):https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20260205_1.pdf
- 確認日:2026年10月25日
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