朝のホームルーム
三岡新入生が、半導体チップの絵がついたカードを持って教室に入ってきました。
「教頭先生、クアルコムの決算です。スマホ向けは減ったのに、車向けが初めて20億ドルに届いたそうです。」
三岡は聞きました。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

三岡のほっぺが、ぷくっ(ふくらみ1回)とふくらみました。
村野教頭が長い鼻で出席簿を開きます。「出席をとります。クアルコムの決算を、全体と部門別に分けて読みます。」

クアルコム決算
売上は7%減の104億ドル
7〜9月期
1主要数字(ドル)
| 項目 | 今期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 調整後売上 | 104億4,200万 | 約112億 |
| 純利益 | 12億5,100万 | – |
| EPS/調整後EPS | 1.17/2.17 | -/3.00 |
2部門別の売上
3確かめる点
授業:減った全体と伸びた車向けを読む
村野教頭が黒板に要点を3つ書きました。
要点1:売上は104億4,200万ドルで7%減、調整後EPSは2.17ドル
クアルコムの2026年7月から9月(会計年度の第4四半期)の決算です。調整後の売上は104億4,200万ドルで、前年同期から7%減りました。報告ベースの売上は103億2,200万ドルで8%減です。純利益は12億5,100万ドルで、報告ベースのEPSは1.17ドルでした。
一時的な項目などを除いた調整後EPSは2.17ドルで、前年同期の3.00ドルから28%減りました。調整後の純利益は23億3,200万ドルです。売上も利益も前年同期を下回った四半期です。
スタモル留学生がセーラー服の袖をまくりました。「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。数字はドルで読みます。」
要点2:車向けは89%増の19億9,000万ドル、スマホ向けは26%減
半導体部門(QCT)の売上は90億1,500万ドルで8%減りました。内訳は、スマホ向けが51億3,700万ドルで26%減、車向けが19億9,000万ドルで89%増、IoT向けが18億8,800万ドルで4%増です。車向けは四半期で初めて20億ドル近くに達しました。
技術ライセンス部門(QTL)の売上は13億400万ドルで7%減でした。スマホ向けの落ち込みを、車向けとIoT向けの伸びでは補い切れなかった形です。
村野教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。だから全体と部門別を分けて読みます。」

要点3:次の四半期の売上見通しは104億から112億ドル
会社は次の四半期の見通しを示しました。売上は104億から112億ドル、調整後EPSは2.15ドルから2.35ドルとしています。データセンター向けの特注半導体で売上が立ち始める前提も示されました。
通期では、報告ベースの売上が431億2,000万ドルで3%減でした。見通しは実績とは分けて読み、次の決算で確かめます。
ここで、クアルコムの決算の読み方を整理します。最初に売上と利益を置き、次に部門ごとの売上を見ます。全体の数字だけでは、伸びた場所と抑えられた場所は分からないからです。
三岡はうなずきました。「全体と内訳を順番に置くと、見出しの印象だけで終わりませんね。」教頭は黒板をたたきました。そのとおりです。数字は、比べる相手と並べて初めて意味を持ちます。前年同期と比べる癖をつけます。
最後に、会社が出した見通しを見ます。見通しは約束ではなく、会社の今の前提です。前の見通しから変わった点だけを拾い、数字の根拠は公式発表で確かめます。この順番が、決算を読むときの基本です。
小テスト
この決算で、教頭が全体の売上と分けて確かめるよう言ったものはどれでしょう。
A:売上だけを見る B:スマホ向けや車向けなど部門ごとの売上を分けて見る C:配当だけを見る
答えはBです。全体が減っていても部門ごとの動きは違うので、分けて見ることが決算を読む基本だからです。
校長のひとこと
シーラカンス校長は授業のあいだ寝ていましたが、目をひとつ開けました。
「部門ごとに見るのじゃ。わしは4億年、売ったことがない。」
校長はまた寝ました。
決算資料を含む同社の公式開示は、米証券取引委員会のSEC EDGAR(QCOMの提出書類)で確認できます。株価や企業概要は、取引所のNASDAQ公式の銘柄ページでも確認できます。米国株の決算発表の日程は、NASDAQ決算カレンダーで確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- クアルコム公式プレスリリース「QUALCOMM Incorporated Announces Fourth Quarter and Fiscal 2026 Results」(2026年11月4日発表)
- 決算速報メディアの要約(2026年11月4日配信)で主要数字を照合
確認日:2026年11月6日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。
先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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