この授業では、分散投資とは何かがわかります。また、分け方と、分けても消えないものも整理します。
朝のホームルーム|分散投資とは何か
三岡新入生が、ゆでたまごを10個、ぜんぶ1つの袋に入れて登校しました。教室の入口で、つまずきます。
ぐしゃっ。つまり、10個、全滅です。
「分散投資って、卵をかごに分ける話ですよね。これのことですか」
ぷくっ(ふくらみ1回)。涙目の三岡に、村野教頭が出席簿を向けます。「三岡くん、出席。ゆでたまごは、保健室へ」

分散投資とは何か。また、分ければ損はしないのか。では、この授業で確かめます。たとえば毎月5,000円を積み立てるときでも、「どこに入れるか」を分けて考えることはできます。
分散投資とは
卵をかごに分ける
なくさない
1分け方は3種類
25年保有の過去例(100万円・万円)
金融庁の過去のシミュレーション(1989年以降)。将来を保証するものではありません。
3分散でできること
- 一つの失敗に全部が巻き込まれにくい
- 値動きが打ち消し合うことがある
- 元本割れの可能性
- ローリスク・ハイリターンの商品
4かごの例
授業:分散投資とは、きほんの3つ
「要点は3つです」と教頭が黒板に書きました。「まず、卵とかごの意味。次に、分け方は3種類。そして、分けても消えないもの」
要点1 分散投資とは、卵とかごの意味
「卵は一つのカゴに盛るな」。投資で昔から言われることわざです。全部を1つのカゴに入れて落とせば、全部割れます。一方、いくつかに分ければ、1つ落としても全滅は避けられます(資産運用業協会)。
まず、知るぽるとは、分散投資を、性質がなるべく異なる複数の資産に分けることと説明しています。なぜなら、値動きが打ち消しあい、リスクを減らせることが多いからです。たとえば、株だけでなく債券や不動産にも分ける。また、国内だけでなく海外にも分ける。
ここでいうリスクは、危険という意味ではありません。「運用成果の振れ幅」のことです(J-FLEC)。
要点2 分け方は3種類
J-FLECは、分け方を「資産」「地域」「時間」の3つで説明しています。

上の図のとおり、組み合わせる資産を分ける、地域や通貨を分ける、買う時期を分ける、の3つです。
「時間も分けるんですか。ひぇっ、それ、月いくらからですか?」と三岡。でも、教頭は首を振ります。「金額は商品と金融機関しだいです。たとえ話の5,000円は、ただの例です」

実は、預貯金も、立派なカゴの1つです。また、J-FLECの資料は、預貯金と投資の組み合わせを「金融商品の組合せ≒分散投資」と説明しています。なお、この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
預貯金・保険・投資は役割の違う置き場所で、使う時期を先に考えて選ぶのが出発点だと整理しています。
参考:預貯金・保険・投資の選び方|お金の置き場所の違い
要点3 分けても、消えないもの
分散投資とは、リスクを「減らす」ものです。「なくす」ものではありません。同様に、資産運用業協会も、ローリスクでハイリターンという都合の良い金融商品は存在しない、と書いています。
すると、三岡が叫びました。「分ければ損しない、って書いてあるサイトがありました!」

教頭は目を細めます。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。そのサイトは、においます」
さて、J-FLECの資料に載っている、金融庁の過去のシミュレーション(1989年以降)を見てみましょう。国内外の株式・債券に積み立て、5年保有した場合です。積立期間は各年の1年間。その結果、100万円が、74万円から176万円までの幅になりました。

ただ、分けていても、元の100万円を下回る例があります。同じ資料では、20年保有した場合は186万円から331万円でした。将来を予想するものではありません。なお、投資信託には元本の保証がありません(資産運用業協会)。ぷくっ(ふくらみ2回)。
また、世界の株価全体で見ても、2008年のリーマンショックなどで下がった時期があります。ただ、J-FLECの資料は「短期的な下落時期はあるものの」と説明しています。

つまり、図のとおり、分散で期待できるのは「一つの失敗に全部が巻き込まれにくいこと」です。元本割れの可能性までは、消えません。
小テスト|分散投資とはの確認
次のうち、分散投資とは言えないものはどれでしょう。
- A 国内の株、海外の株、債券に分けて持つ
- B 1つの会社の株に、全額を入れる
- C 買う時期を、毎月に分ける
答えはBです。1つの会社だけに集中すると、その会社の不調が全部に響きます。
今日の宿題|分散投資とは、置き場所を知ること
5分でできます。まず、普通預金、定期預金、ポイント、電子マネーなど、いま自分のお金が置いてある場所を、紙に書き出してみてください。そして、何か所あるか、数えるだけです。お金はかかりません。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、授業の最初から、いびきをかいていました。
終わりのチャイムで、片目が開きます。
「……かごを分けても、卵は卵じゃ。割れる日もある。そのため、割れても困らん分だけ、運ぶんじゃ。……ぐう」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!かごの品ぞろえ、いま仕入れ中でやんす。準備中ですので、また寄っておくんなせえ」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次は積ん読科の教室です。ホズミ先生の机には、まだ開かれていない本が積まれています。投資の本は、どれから読めばよいのでしょうか。
一次情報は資産運用業協会「投資信託が持つリスク」でも確認できます。一次情報は金融広報中央委員会 知るぽると「分散投資とは」でも確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 資産運用業協会「資産運用で大切なこと」:https://www.imaj.or.jp/study/investmenttrust/meritrisk/reduction.html
- 資産運用業協会「投資信託が持つリスク」:https://www.imaj.or.jp/study/investmenttrust/meritrisk/risk.html
- 金融広報中央委員会 知るぽると「分散投資とは」:https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yogo/h/bunsan_toshi.html
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「分散投資」(用語解説):https://www.j-flec.go.jp/public/learn/glossary/h_bunsan_toshi/
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「社会人として知っておきたいお金の話」(2026年6月版):https://j-flec.go.jp/wpimages/uploads/standard_young_202606.pdf
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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