朝のホームルーム
放課後前の教室。三岡新入生(アベニーパファー)が、水槽の外のスクリーン、つまりスマホを見たまま固まっています。画面には「元本保証!」の文字。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとります。「三岡くん」「……います。画面に吸い込まれかけてます」。今日は、SNSの投資情報をどこまで信じるか、です。たとえば、フォローしている人の「月3万円、らくに増えました」という投稿。気になりますよね。「いいね」を押す前に、3つだけ確かめましょう。
授業:信じる前の3点セット
ニッコリ先生が、軍靴を鳴らして入ってきました。「諸君、入学金は元が取れたか」「SNSは入学金0円です!」「0円の情報にこそ、偵察が必要なのだ」
教頭が黒板に、廊下の掲示板の絵を描きます。「SNSは、廊下の掲示板です。どの魚も貼れて、貼った魚の正体が分からない貼り紙もあります。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。ただ、画面越しだと、においが届きません。だから3点セットで見ます」下の図が、その一覧です。

① 発信者 誰が言っているか
名前と肩書だけでは、足りません。金融庁は、著名人を装った偽アカウントや偽広告から、LINEグループなどへ誘導する手口に注意を呼びかけています(2025年4月17日更新)。国民生活センターも、著名人の画像が無断で使われる場合があると指摘し、公式サイトや公式アカウントで注意喚起が出ていないか確認するよう勧めています(2026年9月1日公表)。
② 根拠 数字の出どころ
「元本保証」「毎月○%」と言い切る話は、根拠を見ます。値動きのある商品の将来を、言い切れる人はいません。LINEグループに「儲かりました」が並ぶ手口も、金融庁が紹介しています。複数のアカウントが、成功しているように見せることがあるそうです。この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
運用を始める前の準備の手順として、元本保証や毎月○%をうたう勧誘への警戒と、個人名義の口座への入金は詐欺の可能性が高いことを挙げています。
参考:資産運用を始める前の準備の手順を整理
三岡が小声で言いました。「ぼく、スクショの『利益』、信じかけました……」ぷくっ(ふくらみ1回)。国民生活センターは、仕組みを理解できない投資は避けましょう、と呼びかけています。
③ 利益相反 言う人は何で得をするか
利益相反とは、言う人の得と、聞く人の得が、食い違うことです。紹介料や、入金額に応じた報酬が入る仕組みだと、すすめ方が偏ることがあります。悪いことと決めつけず、見分ける材料のひとつにします。
国民生活センターには、こんな事例が載っています。著名人のアシスタントを名乗る人物の指定口座に、約1,000万円を振り込みました。出金しようとしたら、約1,100万円の手数料を請求されました。三岡の体が、ぷくぷくっとふくらみます(ふくらみ2回)。
金融庁によると、出金のときに手数料や税金の名目で、追加の入金を求める手口があります。国民生活センターは、通常の取引で個人名義の口座に振り込ませることはない、と注意しています。流れは、下の図のとおりです。

投稿を見たときの4つの問いは、こちらです。

不安になったら、消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターなどを案内する番号)へ。金融庁の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」は、0570-050588(平日10時〜17時)です。ニッコリ先生が号令をかけます。「疑うは恥ではない。偵察は、攻撃より先である!」
小テスト
SNSで「元本保証、毎月3%」と書いた人から、LINEグループへの招待が届きました。最初にやることは? A 元本保証なので、すぐ入る B 発信者が本人か、公式サイトなどで確かめる C グループの「儲かりました」の書き込みを数える。
答えはBです。まず発信者が本人かを確かめます。Cは、複数のアカウントで成功を演じる手口があるので、数えても根拠になりません。
今日の宿題
フォローしている投資系の発信を1つ開いて、プロフィールから「この人は何で収入を得ているか」を探してみましょう。見つからなくても大丈夫です。フォローを外す必要もありません。
校長のひとこと
スクリーンの光で寝ていたシーラカンス校長が、うっすら目を開けました。「……誰が言うたか、で、半分決まるんじゃ」また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは、仕入れの船が遅れてやして。準備中でやんす」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
画面の外へ出ましょう。次はのれん分け科です。法被のコバンザメが、屋台の提灯に灯をともして待っています。
出典と確認日
- 金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!」:https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/sns.html
- 国民生活センター「SNSで著名人が勧める“もうかる方法” それって本当!?」(2026年9月1日公表):https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260901_1.html
- 国民生活センター「消費者ホットライン188」:https://www.kokusen.go.jp/map/
- 確認日:2026年10月23日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。