IPO(新規上場)って何?10月30日の上場予定を例に、校庭のフリマで学ぶ

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朝のホームルーム

キーンコーンカーンコーン。ニュース耳より科の教室に、アベニーパファーの三岡新入生が入ってきました。SNSで「IPO」という文字を何度も見かけて、気になって眠れなかったそうです。

「IPOって、当たると得するやつですか。ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

村野教頭(エレファントノーズ)が鼻を上げました。「まず、IPOが何かを知りましょう。来週の10月30日(金)には、上場する会社が1社あります」。仕組みを知っておくと、「上場」というニュースが意味の分かる話になります。たとえば、毎日使うアプリの会社が上場するという見出しも、読めるようになります。

授業:IPOを3つで学ぶ

「今回のたとえは、校庭のフリーマーケットです」と教頭は言いました。

要点1 IPOは「校庭のフリマに出る日」

IPOは、株式公開のことです。オーナーなど少数の株主が持ち、自由に譲ることが制限されていた会社(未公開会社)が、取引所の市場に上場すると、不特定の多くの株主に持たれ、株式市場で自由に売買できる状態(公開会社)になります。

学校でいえば、身内だけでやっていた模擬店が、校庭のフリマに出店する日です。どの生徒も見に来られて、買う人も売る人もいます。

通常は、新しい株を出して資金を集める「公募増資」や、すでに株を持つ株主が株を売る「売出し」が行われます。会社には、資金調達の方法が広がる、知名度や社会的な信用が上がる、という効果があります。一方で、不特定多数の投資家から資金を集めるため、業績など会社の情報を開示する義務が生じます。

要点2 来週の例は1社だけ

日本取引所グループ(JPX)の新規上場一覧は、2026年10月22日の更新時点で、10月の上場として5社を載せています。来週(10月26日〜30日)にあたるのは、10月30日に上場予定のトグルホールディングス株式会社の1社だけです。

JPXの概要資料には、事業内容として、独自のAI技術を活用した、再開発可能な土地の仕入れ・販売と、AIシステム・AIエージェントの開発などが書かれています。公開価格を決める日は10月22日、価格の範囲を示す日は10月14日でした。ここでは、IPOを説明する例として紹介します。買う・買わないの話はしません。

三岡が聞きました。「グロース市場って、なんですか」。教頭が答えます。「JPXの説明では、高い成長可能性を実現するための事業計画とその進み具合が適時・適切に開示され、一定の市場評価が得られる一方で、事業の実績の面では相対的にリスクが高い会社向けの市場です」。三岡はぷくっとふくらみました(ふくらみ1回)。

プライム、スタンダード、グロースの3つの市場が、どんな会社向けかを並べた表。

図のとおり、プライムは規模が大きく管理の水準が高い会社向け、スタンダードは一定の規模と基本的な管理の水準がある会社向け、グロースは成長に期待がかかる一方で実績面のリスクが相対的に高い会社向けです。

要点3 申込みの前に、見る順番

日本証券業協会の資料によると、上場が承認される前は、IPOへの申込みはできません。

そのあと、価格の範囲である「仮条件」が示されます。仮条件とは、需要を聞き取る手順(ブックビルディング)のときに、投資者へ示される価格などの範囲のことです。さらに公開価格が決まり、上場日を迎えます。下の図のとおりです。

IPOは、上場承認、仮条件、公開価格の決定、上場日の順に進みます。例として10月14日、10月22日、10月30日の日付を添えています。

注意点があります。公開価格がとりうる範囲や、変わる可能性のある売出しの株数の範囲は、目論見書(会社と株の説明書)に載ります。三岡は「株数も変わるんですか」とぷくぷくっとふくらみました(ふくらみ2回)。実際に取引するときは、その書類を見て、分からないことは取引先の証券会社に聞くよう、日本証券業協会の資料に書かれています。

そこへ和大先生(ブラックゴースト)が後ろ向きに泳いで入ってきました。「押忍!話題は全力で拾う、見通しはネガティブ全開!」。教頭はため息です。「上場後の値動きは、誰にも分かりません。この学校は予想しません」。和大先生は尾びれをバタバタ。「押忍!後ろ向きなので、校門の花道は背中で通るであります!」

教頭がもう一言。「SNSで『IPOは当たれば得』という話を見かけたら、うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。まず、この3つを確かめます」

IPOを調べるときの3つの確認は、上場承認のあとか、仮条件を見たか、目論見書を読んだかです。

お金の準備の話は、別の解説記事でも詳しく書かれています。

資産運用の前に、手取りと支出をつかみ、先に貯蓄へ回す仕組みをつくる手順が紹介されています。お金を用途別に分ける考え方も出てきます。
参考:資産運用を始める前の準備の手順

この記事は2026年10月23日時点の情報です。最新の情報は公式サイトで確認してください。

小テスト

IPOの説明として合っているのは、どれでしょう。A 上場している会社が、社名を変えること。B 少数の株主が持っていた会社が上場し、市場で自由に売買できる状態になること。C 先に買えば、どの株も上がる仕組み。

答えはBです。IPOは株式公開のことで、上場によって株が市場で自由に売買できる状態になります。Cは、三岡が3回ふくらむ選択肢でした。

今日の宿題

JPXの「新規上場銘柄一覧(株式)」のページを開き、10月の行を見ます。会社名は覚えなくて大丈夫です。「プライム」「スタンダード」「グロース」の市場名だけをメモします。5分で終わります。

校長のひとこと

ここまで寝ていたシーラカンス校長が、ふいに目を開けました。「……上場の日は、にぎやかじゃのう。にぎやかな日ほど、手順を順番に確かめるんじゃよ。わしは4億年、売ったことがない」。また寝ました。

放課後・購買部

購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!パンの棚は仕入れ中でやんす。準備中につき、入荷をお待ちを」

教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。

次回予告

次の教室は、放課後バイト科です。天楽先生(テッポウウオ)の教室で、三岡が副業の入り口を、水鉄砲でねらいます。

出典と確認日

この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。