朝のホームルーム
キーンコーンカーンコーン。ニュース耳より科の教室に、アベニーパファーの三岡新入生が駆け込んできました。手にはスマホ。先輩に「来週は、お金のニュースが多い週だよ」と言われたそうです。
「来週の株の予定って、どこで見るんですか。予定表を見るのに、ひぇっ、それ、月いくらからですか?」
村野教頭(エレファントノーズ)が出席簿を開き、鼻で席を指しました。「無料です。公式サイトに載っています」。予定を先に知っておくと、ニュースの見出しが急に読めます。たとえば、飲み会の日程を知っているだけで、グループチャットに置いていかれないのと同じです。
授業:来週の予定を、日付で並べる
教頭が黒板に大きく書きました。「軸は1つです。公式サイトで日付が確認できる、主な予定だけを並べます」
そこへ、学ランに応援団長の鉢巻きをした和大先生(ブラックゴースト)が、後ろ向きに泳いで入ってきました。「押忍!話題は全力で拾う、見通しはネガティブ全開!」
「先生、ここは見通しの時間ではありません」と教頭。和大先生は尾びれをバタバタさせました。「押忍……後ろ向きに泳ぐので、見えるのは通ったあとの道だけであります」。教室がどっと笑いました。つまり、この学校は値動きの予想をしません。日付と事実だけを並べます。
ものさしは3つ
教頭が出したものさしは3つです。1つ目は、いつ(日付)。2つ目は、だれが出すか(出どころ)。3つ目は、何が出るか(中身)。下の図のとおりです。

並べる順番は、日付順です。順位ではありません。上にあるから大事、という意味もありません。
1 10月27〜28日 米国のFOMC
FOMC(連邦公開市場委員会)は、米国の金融政策を話し合う会議です。米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の日程表に、10月は27日から28日と載っています。予定は変わることがあります。
出典:FRB「FOMC会合カレンダー」(2026年10月23日確認)
2 10月29日(木) 米国のGDP速報
米商務省経済分析局(BEA)が、7〜9月期のGDP速報と、個人所得・支出(9月分)を、午前8時30分(米国東部時間)に出す予定です。直近の4〜6月期は、物価の影響を除いた実質で、年率2.2%増でした。
出典:BEA「Release Schedule」「Gross Domestic Product」(2026年10月23日確認)
3 10月29〜30日 日銀の金融政策決定会合
日本銀行が金融政策を決める会議で、10月は29日(木)と30日(金)の2日間です。決定内容は、会合が終わってすぐ公表されます。9月17〜18日の会合(18日に決定)では、金利の目安を1.25%程度としました(賛成7、反対2)。30日には、経済と物価の見通しを点検した「展望レポート」の基本的見解も公表予定です。
出典:日本銀行「金融政策決定会合の日程」「金融政策決定会合とは何ですか?」「金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日)」(2026年10月23日確認)
4 10月30日(金) 日本の物価と雇用の数字
総務省統計局が、10月分の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値)と、9月分の労働力調査を、どちらも午前8時30分に公表する予定です。物価はお店で売られている物の値段の動き、労働力調査は仕事に就いている人や失業している人の状況を調べた数字です。
出典:e-Stat「公表予定(消費者物価指数・労働力調査)」、労働政策研究・研修機構「主要統計の公表日」(2026年10月23日確認)
5 10月30日(金) 東証の新規上場1社
日本取引所グループ(JPX)の新規上場一覧では、東京証券取引所に10月26日から30日に上場するのは1社だけです。30日に、グロース市場へトグルホールディングス株式会社が予定されています。上場の仕組みは、別の授業で詳しく扱います。
出典:JPX「新規上場銘柄一覧(株式)」(2026年10月22日更新分を、10月23日に確認)
三岡が指を折って数えました。「5つもある……」。ぷくっ(ふくらみ1回)。「大丈夫です」と教頭。「30日は主なものが3つ重なりますが、1日ずつ順に見れば大丈夫です」。「でも29日は、米国と日本で大事な発表が同時に……」。ぷくぷくっ(ふくらみ2回)。
ここに並べたのは、主なものです。ほかにも、10月27日の月例経済報告(内閣府)、30日の一般職業紹介状況(厚生労働省)や鉱工業指数の速報(経済産業省)などの予定があります(労働政策研究・研修機構の公表日表、2026年10月23日確認)。
下の表は、主な5つを1枚に並べたものです。スマホのスクリーンショットに残しておくと、見返すのに便利です。

表のとおり、29日は米国のGDPと日銀の会合の1日目、30日は日銀の会合の2日目と、日本の数字と、上場が重なります。
予定を知ったら、3行で話す
教頭が続けます。「予定を知ったら、結果が出たあとに、何が起きたかを3行で自分の言葉にしてみてください。誰かに話すつもりで」。この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
新聞は、誰かに話す前提で読むと頭に残ります。見出しで1本選び、3行で自分の言葉にして、実際に話す習慣が紹介されています。
参考:新聞は「誰かに話す前提」で読む
予定表を見るときの3つの注意
最後に、教頭は黒板の隅に3つの注意を書きました。下の図のとおりです。日付は公式ページで確かめること。予定は変わることがあること。値動きの予想は、この学校では書かないこと。

この記事は2026年10月23日時点の情報です。最新の情報は公式サイトで確認してください。
小テスト
来週の予定を並べるとき、まず確認するものさしはどれでしょう。A 値上がりしそうな順。B いつ・だれが出す・何が出る。C SNSで話題になっている順。
答えはBです。日付と出どころと中身が分かれば、予想をしなくても予定は並べられます。AとCは、三岡が3回ふくらむ選び方でした。
今日の宿題
手帳かスマホのカレンダーに、10月27日・29日・30日の3日だけ、「FOMC」「米GDP」「日銀」と書き込みます。5分で終わります。お金も口座もいりません。
校長のひとこと
ここまで寝ていたシーラカンス校長が、ふいに目を開けました。「……予定は、日付が約束してくれる。値動きは、誰も約束してくれん。わしは4億年、売ったことがない」。また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!ここのパンは仕入れ中でやんす。準備中ですので、少々お待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
三岡が次に向かうのは、放課後バイト科です。天楽先生(テッポウウオ)の教室で、お金の入り口をもうひとつ、のぞいてみます。
出典と確認日
- 連邦準備制度理事会(FRB)「FOMC会合カレンダー」https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm
- 米商務省経済分析局(BEA)「Release Schedule」https://www.bea.gov/news/schedule/full
- BEA「Gross Domestic Product」https://www.bea.gov/data/gdp/gross-domestic-product
- 日本銀行「金融政策決定会合の日程」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm
- 日本銀行「金融政策決定会合とは何ですか?」https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/seisaku/b20.htm
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918a.pdf
- e-Stat「消費者物価指数 公表予定」https://www.e-stat.go.jp/release-calendar/statistics/00200573
- e-Stat「労働力調査 公表予定」https://www.e-stat.go.jp/release-calendar/statistics/00200531
- 労働政策研究・研修機構「主要統計の公表日」https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kohyobi/index.html
- 日本取引所グループ「新規上場銘柄一覧(株式)」https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/index.html
- 確認日:2026年10月23日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。