朝のホームルーム
キーンコーンカーンコーン。三岡新入生(アベニーパファー)が、ニュースの見出しを指さして固まっています。「ダウとS&P500とナスダックの違いが分かりません! 全部、米国株の話ですよね?」ぷくっ(ふくらみ1回)。
村野教頭が出席をとりました。「三岡くん、出席。見分けるコツは1つだけです。数え方を見ます」
この3つの名前を聞き分けられると、米国株のニュースが急に耳に入りやすくなります。たとえば昼休みの雑談で、「ダウって30社なんだって」とひとこと言えるくらいに。
授業:ダウ・S&P500・ナスダックを「数え方」で並べる
教頭がチョークを走らせます。「この時間の軸は、指数の数え方です。指数とは、市場の動きを1本の数字にまとめたものさしのこと。買える商品ではありません」
三岡が手を挙げました。「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」「ものさしは、0円です」。三岡は、ほっとして少ししぼみました。
窓際で、セーラー服のピラルクが教科書をめくります。スタモル留学生です。「ワタシの川では、ぜんぶドル建てデス。川の流れを測るのも、ものさしの目盛りを知ってからヨ」
ものさし:3つの見方
- 何社でできているか
- 会社の「重み」をどう決めるか
- どんな会社が対象か

重みの話は、学年の成績にたとえます。人数の多いクラスの点数ほど、学年平均に響く数え方があります。これが、時価総額(株価×株数で表す会社の大きさ)で重みを決める方式です。もう1つは、満点が200点の教科と20点の教科の点数を、そのまま足す数え方です。こちらは、株価の高い会社ほど響く株価平均型にあたります。

ダウ平均(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)
会社の数は30社です。重みは株価で決まる株価平均型で、株価の高い会社の動きが響きやすい数え方です。対象は、運輸と公益を除くすべての業種です(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの説明)。三岡「たった30社ですか」。ぷくっ(ふくらみ2回)。
S&P500
会社の数は500社です。重みは、浮動株調整後の時価総額(市場で売買される株数ぶんで計算した会社の大きさ)で決まります。対象は米国の大型株で、市場の時価総額の約80%をカバーすると説明されています(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの説明)。
ナスダック100
会社の数は100社が目安です。重みは、時価総額をもとに、偏りすぎないよう調整を加える方式(修正時価総額加重)です。対象は、ナスダック市場に上場する金融以外の大きな会社です(ナスダックの算出ルール)。
ナスダックの名前は2つある
ニュースでは「ナスダック総合指数」という名前も出ます。こちらは、ナスダック市場に上場する普通株を、国内外を問わず対象にした指数です(ナスダックの説明)。100社の「ナスダック100」とは別の指数なので、名前の最後まで確認します。

表のとおり、3つは会社の数も、重みの決め方も、対象も違います。同じ時期に違う動きをしても、不思議ではありません。
指数に連動するように作られた商品もありますが、どれを選ぶかはこの授業では扱いません。教頭は腕組みをします。「『この指数が強い』という売り文句を見ても、ここでは判断しません。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。でも、まず数え方です」
紹介した3つの指数は、軸に合う例として並べただけです。どれがよいという話ではありません。
小テスト
株価の高い会社の動きが、指数に響きやすい数え方はどれでしょう。
A 株価平均型
B 時価総額で重みを決める方式
C 全部の会社を同じ重みにする方式
答えはAです。ダウ平均がこの株価平均型で、株価が高いほど指数への影響が大きくなるからです。
今日の宿題
ニュースで「ダウ」「S&P500」「ナスダック」を見かけたら、授業の表の3つのうち、どの指数の話かを頭の中で当ててみましょう。1回でOK。見つからなければ、この記事の表を保存しておくだけでも合格です。
校長のひとこと
寝ていたシーラカンス校長が、ぱちりと目を開けました。「……ものさしはの、目盛りの数え方を知ってから、使うのじゃ。わしは4億年、売ったことがない」。そう言うと、校長はまた寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!ただいま仕入れの最中でやんす。今日のパンは準備中、もうちっとお待ちを」
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次回予告
次の時間は、ニュース耳より科。和大先生(ブラックゴースト)が「押忍!」と叫びながら、後ろ向きに泳いで迎えてくれます。ニュース耳より科の教室へ
出典と確認日
確認日:2026年10月23日。2026年10月23日時点の情報です。最新の情報は公式サイトで確認してください。
- S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス「Dow Jones Industrial Average」:https://www.spglobal.com/spdji/en/indices/equity/dow-jones-industrial-average/
- S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス「S&P 500」:https://www.spglobal.com/spdji/en/indices/equity/sp-500/
- S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス「S&P U.S. Indices Methodology」:https://spglobal.com/spdji/en/methodology/article/sp-us-indices-methodology/
- ナスダック「Nasdaq-100 Index Methodology」:https://indexes.nasdaqomx.com/docs/Methodology_NDX_Effective_May_1_2026.pdf
- ナスダック「Nasdaq Composite Index」:https://indexes.nasdaqomx.com/Index/Overview/COMP
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