この授業では、ドルコスト平均法とは何かがわかります。また、その仕組みと「できないこと」も整理します。
朝のホームルーム|ドルコスト平均法とは何か
朝の教室で、三岡新入生が、みかんの箱を抱えていました。部活の差し入れ係になり、毎月1,000円ぶん、みかんを買うことになったのです。
「でも、みかんの値段が、月ごとに違うんです。すると、先輩が『それ、ドルコスト平均法みたいだな』って。ドルコスト平均法って、何ですか」
ぷくっ(ふくらみ1回)。村野教頭が出席簿を閉じます。「三岡くん、出席。みかんは、窓際へ」

たとえば毎月1万円を積み立てるなら、値段が安い月ほど、たくさん買えます。この授業で、ドルコスト平均法とは何か、その仕組みと「できないこと」を見ます。
ドルコスト平均法とは
金額を決めて買う方法
の例
11万円ずつ4回買う例
| 回 | 株価 | 買える株数 |
|---|---|---|
| 1回目 | 1,000円 | 10株 |
| 2回目 | 1,500円 | 約6.6株 |
| 3回目 | 500円 | 20株 |
| 4回目 | 1,000円 | 10株 |
| 合計 | 約46.6株 |
2平均の購入単価
4万円
約46.6株
31株あたりの購入単価(円)
同じ4万円で、持てる株数が40株から約46.6株に増えた計算です。
4できること・できないこと
- 買う時期を分ける
- 安い月は多く買う
- 損をなくす
- 一括より常に良い結果にする
5定額と定量のちがい
- 平均購入価格を安くできるのは定額のほう(日本証券業協会)
授業:ドルコスト平均法とは、3つの要点
まず、教頭は黒板に、みかんの絵を描きました。「みかんの話は、そのまま使えます。要点は3つです」
要点1 ドルコスト平均法とは、金額を決めて買うこと
ドルコスト平均法とは、定額購入法とも呼ばれます。つまり、毎月など定期的に、同じ購入額(1万円など)で買い付ける方法です(日本証券業協会)。
ポイントは、決めるのが「数」ではなく「金額」だということ。みかんなら「毎月3個」ではなく「毎月1,000円」です。一方、毎回同じ数量を買う方法は、定量購入法といいます。そして、日本証券業協会は、平均購入価格を安くできるのは定額のほうだと説明しています。
三岡が首をかしげます。「ドルって、アメリカのお金のことですか?」

「名前の由来は、私の担当外です」と教頭。「つまり、大事なのは、1万円のように円で決めても、仕組みは同じということです」

要点2 平均の値段が下がる計算
J-FLECの資料にある例で、ドルコスト平均法とは何かを見ます。たとえば、株価が1,000円、1,500円、500円、1,000円と動き、毎回1万円ずつ買う場合です。

上の表のとおり、株価が安い3回目は20株、高い2回目は約6.6株(資料の表示。正確には約6.67株)しか買えません。つまり、合計は約46.6株です。
次に、平均の購入単価を出します。具体的には、合計の購入額を、合計の株数で割るだけです。

資料の表では、4万円を最初に一括で買うと40株で、1株1,000円。一方、毎回1万円ずつ買うと、1株あたり約858円でした(資料の表示。正確に計算すると約857円)。つまり、同じ4万円で、持てる株数が増えた計算です。
「毎月1万円ずつ、ですか。ひぇっ、それ、月いくらからですか?」と三岡。教頭は落ち着いて答えます。「ただ、1万円は資料の例です。そして、最低金額は、積立を扱う金融機関の案内に書いてあります。私が答えられるのは、仕組みまでです」
要点3 できないこと
三岡が胸を張りました。「平均が安くなるなら、損しない方法ですよね!」
「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。いまの言い方は、においます」
日本証券業協会は、この方法で収益が約束されるわけではないと書いています。たとえば、購入する商品の価格が下落し続けるなどの場合は、損失を被ることがあります。ぷくっ(ふくらみ2回)。
また、J-FLECの資料にも注意書きがあります。値動きによっては、定額購入が最適解とは限りません。つまり、一括購入のほうが良い結果になる値動きもあるということです。

図のとおり、期待できるのは「買う時期が分かれること」です。損がなくなる魔法ではありません。
ちなみに、実際のやり方は、投資信託の積立投資が代表的です(資産運用業協会)。特に、長い時間をかけて、じっくり資産形成をしたい場合に向いている方法とされています。ただし、積立の頻度や最低金額は、金融機関ごとに違います。なお、この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
積立の最低金額や頻度は金融機関によって違うので、口座を開く前に各社の案内で確かめる、と整理しています。
参考:つみたて投資枠と成長投資枠の違いを制度から整理
小テスト|ドルコスト平均法とはの計算
たとえば毎回1万円ずつ、2回買います。1回目の価格は1,000円、2回目は500円です。平均の購入単価は、約何円でしょう。
- A 750円
- B 約667円
- C 500円
答えはBです。なぜなら、1万円で10口と20口、合計30口を2万円で買ったので、2万円÷30口で約667円。Aは、2つの価格をただ平均した値です。
今日の宿題|ドルコスト平均法とは、電卓で確かめる
5分でできます。まず、小テストの価格を、800円と400円に変えて、平均の購入単価を電卓で計算してみてください。答えは約533円です。しかも、お金はかかりません。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、みかんの話の途中で、すでに寝ていました。
終わりのチャイムで、片目が開きます。
「……ドルコスト平均法とは、毎月同じ金額で買うこと。それだけの話じゃ。ただし、魔法ではない。わしは4億年、魔法を見たことがない。……ぐう」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!みかん味のパンは、いま仕入れ中でやんす。準備中ですので、少々お待ちを」
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次回予告
次は積ん読科の教室です。ホズミ先生が、積み上げた本の前で待っています。毎月コツコツ積むのは、お金だけではないようです。
日本証券業協会「証券投資ってなに?3つのキホン」では、決算資料や公式のお知らせを確認できます。一次情報は資産運用業協会「資産運用で大切なこと」でも確認できます。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 日本証券業協会「定額購入法(ドル・コスト平均法)」(投資の時間):https://www.j-flec.go.jp/links/jikan/word/090.html
- 日本証券業協会「証券投資ってなに?3つのキホン」:https://www.jsda.or.jp/nisa/investment/basic/
- 資産運用業協会「資産運用で大切なこと」:https://www.imaj.or.jp/study/investmenttrust/meritrisk/reduction.html
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「社会人として知っておきたいお金の話」(2026年6月版):https://j-flec.go.jp/wpimages/uploads/standard_young_202606.pdf
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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