この授業では、複利とは何かがわかります。また、2倍になる年数の目安「72の法則」も整理します。
朝のホームルーム|複利とは何か
三岡新入生が、部活の勧誘ビラを両手いっぱいに抱えて、教室へ入ってきました。
「教頭先生、つまり複利って、部員が増えるやつですよね? 検索したら『複利 とは わかりやすく』って出たんですけど、説明が全部むずかしくて……ぷくっ(ふくらみ1回)」
村野教頭が出席簿を閉じて、にやりと笑います。「半分あたりです。出席、確認。では今日は、複利とは何かと、2倍になる年数の目安『72の法則』を教えます」
たとえば、100万円を年3%で30年。増えた分を置いたままにするか、働かせるかで、差が約53万円つきます。仮の数字ですが、複利とは、この差の正体です。
複利とは増えた分も働く
72の法則で暗算する
年3%の例
1複利で増える100万円(万円)
230年後の合計(万円)
372の法則
3%
4覚えておく注意
- 年3%で毎年ぴったり増える保証はない
- 元本割れのおそれがある
- 年30%を約束する話はまず疑う
5目安と正確な値
授業:複利とは何か、そして72の法則
要点1:複利とは、増えた分も働くこと
教頭「たとえ話は部活でいきましょう。まず、最初の部員が、毎年、新入部員を連れてきます。この新入部員が、利息です」

連れてくるのが最初の部員だけなら、これが単利です。一方、連れてきた新入部員も、次の年から勧誘に回るなら、これが複利です。
金融庁の資料では、単利は元本のみに利息がつき、複利は元本と利息に対して利息がつく、と説明されています(2026年10月25日確認)。金融広報中央委員会は、複利を「利子にもまた利子が付く」ことと書いています。

上の図のとおり、単利との違いは「増えた分が働くかどうか」です。複利とは、働くほうの計算です。教頭「たとえば、三岡くんの勧誘ビラも、配った先から配り手が増えれば複利です」。三岡「でも、ぼくは配る側で手いっぱいです」

要点2:複利とは、年がたつほど差が開く
次に、数字で見ます。ここからの数字は、すべて仮の例です。100万円を年3%で運用できたとします。
まず、単利なら、毎年3万円ずつ増えます。30年で90万円増え、合計は190万円です。複利だと、10年後に約134万円、20年後に約181万円、30年後に約243万円です。

金融庁の資料も、資産を長期で保有するほど、複利の効果を多く得られる、としています。つまり、時間が長いほど、差が開きます。
注意があります。ただ、年3%で毎年ぴったり増える保証はありません。株式・債券・投資信託は、預貯金と違い、元本割れのおそれがあります(2026年10月25日確認)。特に、増えるとは限らない点は、忘れないでください。
三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」。教頭「毎月の積立でも、同じ考え方が働きます。ただし、始める金額は、金融機関ごとに決まりが違います。そこは申込先で確認です」
複利が働くには、時間が必要です。だから、当面使う予定のないお金で考えるのが基本です。この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
お金の置き場所を選ぶ最初のチェックは、使う時期です。日常で使うお金と、当面使わないお金では、合う置き場所が変わります。
参考:お金の置き場所を選ぶチェック項目(預貯金・保険・投資)
要点3:72の法則で、暗算する
最後は暗算です。まず、72を年利(%)で割ると、お金が2倍になる年数の目安が出ます。

たとえば、年3%なら、72÷3=24年です。年2%なら36年、年6%なら12年。逆に、20年で2倍にしたいなら、72÷20=3.6で、年3.6%の運用が必要だとわかります(金融広報中央委員会、2026年10月25日確認)。

ただ、あくまで目安です。年3%を正確に計算すると、2倍までは約23.4年(筆者の計算)。ぴったりではありませんが、暗算で近い数字が出せるのが、この法則の良さです。
三岡「じゃあ、年30%なら72÷30で、つまり2.4年で2倍じゃないですか!」。ぷくっ(ふくらみ2回)と、期待でふくらみます。

教頭「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。年30%を約束する話は、まず疑ってください」
小テスト|複利とはの確認
問題:仮に、年6%で運用できたとします。72の法則で、お金が2倍になるまでの目安は?
- A:6年
- B:12年
- C:72年
答えはBです。72÷6=12年。ただし、年6%はあくまで仮の数字です。また、実際の利回りが、毎年6%で続く保証はありません。
今日の宿題
まず、スマホの電卓で、72÷1、72÷2、72÷4の3つを計算して、メモに書きましょう。すると、「利回りが2倍になると、年数は半分になる」ことが、手で確かめられます。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、勧誘ビラの話のあたりから、ぐっすり眠っていました。最後に、のそりと目を開けます。
「つまり、増えた分を働かせるには、長い休みが要るのじゃ。わしは、4億年ほど寝ておる」……ぐぅ。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい! 今日のパンは、棚に並べる前でやんす。準備中ですので、焼き上がるまでお待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次は積ん読科です。積んだままの本にも、ある意味、複利がかかっています。ホズミ先生の教室へ、どうぞ。積ん読科の教室へ
金融政策や資金循環などの統計は、日本銀行が公表しています。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 金融庁「基礎から学べる金融ガイド」:https://www.fsa.go.jp/teach/kou4.pdf
- 金融広報中央委員会(知るぽると)「大人のためのお金と生活の知恵」紹介記事(2014年10月):https://www.shiruporuto.jp/about/kurashijuku/pdf/201410/vol_030_007.pdf(同資料には金利3%の例で「72÷3=36年」とある誤記があり、本記事は正しい計算の24年としています)
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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