朝のホームルーム
キーンコーンカーンコーン。三岡新入生が、スマホの画面を見つめて固まっています。
「教頭、投資信託の手数料の種類が多すぎます。購入時とか、信託報酬とか……どれがどれだか」ぷくっ(ふくらみ1回)。
村野教頭が出席簿を開きます。「出席をとります。今日は、お金が出ていく4つの出口が出席です」
初心者がつまずきやすいのが、手数料です。たとえば10万円ぶん買うとき、手数料が3%なら3,000円。ランチ何回ぶんでしょう。先に知っておくと、選ぶときに迷いません。
授業:投資信託の4つの費用
投資信託とは、たくさんの人のお金を集めて、ひとつにして運用する商品です。教頭は黒板に、学園祭の屋台の絵を描きました。
「屋台を出すと、お金が出ていく場所は4つあります。出店料、毎日の場所代、片付け料、売上にかかる税です。投資信託の費用も、この4つに分けられます」
今日の軸は「お金が出ていくタイミング」ひとつだけ。並べて比べるものさしは、3つです。

ものさしは、いつかかるか、目安の数字はいくらか、選び方で減らせるか、の3つです。4つの出口を、この順に見ていきます。
購入時手数料(出店料)
買うときにかかる費用です。金融庁サイトの対談記事(教えて虫とり先生)では、購入金額の1〜3%程度の場合が多いと説明されています。たとえば10万円ぶん買って3%なら、3,000円です。ただし、つみたて投資枠の対象商品は、販売手数料が0%(ノーロード)です(金融庁、2026年10月23日確認)。つまり、商品を選ぶ段階で、かかる額が変わります。
信託報酬(毎日の場所代)
持っている間ずっと、自動的に引かれていく費用です。運用管理費用とも呼ばれます。同じ対談記事では、投資信託のコストを見るときは信託報酬を見る、というひとつの見方が示されています。つみたて投資枠の対象商品は、信託報酬が低水準のものです(金融庁、2026年10月23日確認)。商品ごとに率が違うので、選ぶときに比べる場所です。
「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」と三岡。「月いくらではなく、年の率で表します」と教頭。「たとえば年0.5%で、100万円を持っていれば、1年で5,000円です」

上の図は、100万円を1年持つとき、信託報酬が年0.1%なら1,000円、0.5%なら5,000円、1.0%なら10,000円になる、という仮の計算です。率が違えば、金額も変わります。
信託財産留保額(片付け料)
売るときにかかる費用です。売却にかかるコストを残る投資家に負担させないため、去る投資家が残すお金です。金融庁サイトの対談記事では、売却金額の0.1〜0.3%程度の場合が多く、0%の場合もあると説明されています(2026年10月23日確認)。たとえば10万円ぶん売るときに0.2%なら、200円です。かかるかどうかは、商品によって違います。
税金(売上にかかる税)
利益が出たときにかかる費用です。通常、売却して得た利益や受け取った分配金には、約20%の税金がかかります。税率は20.315%で、内訳は所得税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%です。国税庁のページでも、公募投資信託の売却益は上場株式等と同じ課税の対象とされています。一方、NISA口座で投資した商品から得られる利益は非課税です(金融庁、国税庁、2026年10月23日確認)。
たとえば利益が10万円なら、20.315%で約2万円です。NISA口座の枠内なら、この税金はかかりません。税金の扱いは人によって違うことがあるので、税務署や税理士に確認してください。
4つを一覧にすると、下の図のとおりです。

並べると、商品選びで変わるのは、購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額です。税金は、NISA口座を使うかどうかで変わります。三岡は手帳に、4つの出口を書き写しました。
三岡の目が輝きます。「購入時も0%なら、手数料はゼロってことですよね!」
「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい」と教頭。教頭が鼻先でホワイトボードをこつんと叩きます。「購入時が0%でも、信託報酬は持っている間ずっと引かれます。出口は、4つとも見ます」三岡はしょんぼり、ぷくっ(ふくらみ2回)。
費用の違いは、別の解説記事でも詳しく書かれています。
預貯金は原則手数料がかからない一方、株式や投資信託には購入時や保有中の費用がかかることがある、と整理されています。
参考:お金の置き場所を選ぶチェック項目(預貯金・保険・投資)
つみたて投資枠の条件は、こちらの記事でも説明されています。
つみたて投資枠の対象は、販売手数料0%で信託報酬が低水準などの条件を満たす投資信託とされ、NISA口座の運用益は非課税と整理されています。
参考:つみたて投資枠と成長投資枠の違いを制度から整理
小テスト
問題:投資信託を持っている間、自動的に引かれていく費用はどれ? A 購入時手数料 B 信託報酬 C 信託財産留保額
答えはBです。信託報酬は、保有している期間中に自動的に引かれていきます。Aは買うとき、Cは売るときの費用です。三岡は、持っている間が長いほど効いてくるのだと納得しました。
今日の宿題
金融庁の「教えて虫とり先生(第6回)」のページを開いて、費用の名前を3つ、メモしましょう。見るだけで、お金はかかりません。5分で終わります。
校長のひとこと
ここまで寝ていたシーラカンス校長が、ふいに目を開きました。「……何に払うかを知ってから、選ぶのじゃ」また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕入れ中でやんす。準備中ですので、あとでまた来ておくんなせえ」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
三岡が次に向かうのは、積ん読科の教室です。本棚の前で、また小さくなってしまいそうです。ふくらむ元気は、残っているでしょうか。
出典と確認日
確認日:2026年10月23日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。