朝のホームルーム
給食の時間。三岡新入生の机に、大きな「全部入りお弁当」が置かれました。ミニトマト、ブロッコリー、コーン、ポテト、ひれの形のにんじん。具が、多い。
「先輩が、インデックスファンドがいいよって言うんです。でも、具が多すぎて……ひぇっ、それ、月いくらからですか?」
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとります。「三岡くん、出席。お弁当は、まだ食べないでください」
たとえば毎月5,000円でも、たくさんの会社に少しずつ分けて持てる仕組みがあります。今日のテーマは、それです。
授業:インデックスファンドと全部入りお弁当
教頭が、お弁当のふたを開けて黒板に貼りました。今日の要点は3つです。
要点1:献立表どおりに作るお弁当
投資信託(たくさんの人のお金をまとめて運用する商品)には、インデックスファンドというタイプがあります。
インデックスは「指数」のことです。日経平均株価、TOPIX、S&P500のように、市場の動きを表す「ものさし」です。インデックスファンドは、この指数に連動する運用成果を目指します。
お弁当で言えば、指数が献立表です。書かれた具を、書かれた割合で詰めていきます。毎日、中身を考え直す特製弁当は、アクティブファンドと呼ばれます。
インデックスファンドは、基本的に献立表の構成に合わせて銘柄を組み入れます。そのため、銘柄選びや売買を積極的に行うアクティブファンドに比べて、運用コストは低いとされています。

要点2:具が多いと、傷みにくい
全部ミニトマトのお弁当を想像してください。ミニトマトが不作の日は、お弁当が空っぽです。具を何種類にも分けておけば、1つが不調でも、全体の傷みは小さくなります。これが分散投資(ひとつのかごに盛らないこと)です。
三岡「全部が同時に傷んだら、どうなりますか」。ぷくっ(ふくらみ1回)。教頭「いい質問です。そのときは、お弁当全体が傷みます」
三岡「でも先輩は、これなら安心って言ってました」。教頭「『安心』と言い切る話は、においます。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい」
分散は「傷みにくくする工夫」で、「傷まない約束」ではありません。株式などへの投資は、預金と違って、元本割れ(払ったお金より減ること)のおそれがあります。
つみたて投資枠で選べる投資信託の条件は、2回目の授業で扱いました。この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
つみたて投資枠は金融庁の基準を満たした投資信託が対象、成長投資枠は上場株式なども対象、という違いを整理した記事です。
参考:つみたて投資枠と成長投資枠の違いを制度から整理
要点3:保管料にあたる信託報酬
お弁当を冷蔵庫で預かってもらうと、保管料がかかります。投資信託でいう信託報酬が、それにあたります。持っている間、ずっとかかる費用です。
信託報酬は、年率(1年あたりの割合)で表示されます。ただ、日割りにして、毎日少しずつ投資信託の財産から差し引かれます。受け取るのは、販売会社、運用会社、受託銀行の3者です。それぞれの仕事の報酬として、です。
三岡「毎日、引かれてるんですか!?」。ぷくっ(ふくらみ2回)。教頭「毎日少しずつなので、見えにくいのです。だから、最初に数字を見ておきます」
計算式は、下の図のとおり「預けている金額 × 信託報酬の年率」です。

たとえば100万円分を1年持ったとして、年0.2%なら2,000円。年1.0%なら1万円、年2.0%なら2万円です。年率の差は、毎年ついてきます。実際の数字は商品ごとに違います。

費用や置き場所の考え方は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
預貯金・保険・投資の置き場所を、使う時期や元本の扱い、価格変動、コストなどのチェック項目で整理。信託報酬にも触れた記事です。
参考:お金の置き場所を選ぶチェック項目(預貯金・保険・投資)
小テスト
インデックスファンドの説明として、合っているのはどれ?
- A:元本が守られていて、減らない
- B:日経平均株価などの指数に連動する運用成果を目指す投資信託
- C:値上がりが約束されている
答えはBです。AとCは、お弁当で言えば「食べる前から傷まない約束」。そんな約束は、誰にもできません。
今日の宿題
証券会社か運用会社のサイトで、投資信託のページを1つ開き、「信託報酬」の文字を探します。見つけたら、年率の数字をメモするだけ。買わなくてかまいません。5分で終わります。
校長のひとこと
お弁当の匂いで目を覚ましたシーラカンス校長が、ゆっくり口を開きました。「……ひとつの具に、すべてを預けるでない」また、ふたの隣で寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは仕込みの最中でやんす。準備中ですので、もう少々お待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次回は、積ん読科の教室。ホズミ先生は、本の山に半分埋もれています。お弁当は、持ち込み禁止です。
出典と確認日
- 証券用語解説集(野村證券)インデックスファンド https://www.nomura.co.jp/terms/japan/i/indexf.html
- 証券用語解説集(野村證券)信託報酬 https://www.nomura.co.jp/terms/japan/si/sintaku_h.html
- 金融庁 つみたてNISA座談会(第6回) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/attention/03/03_06.html
- 金融庁『NISAを利用する皆さまへ』(元本割れ等のリスク) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/slide_202406.pdf
確認日:2026年10月23日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。