この授業では、ロマンス詐欺を見分ける3つの合図がわかります。そして、手口の流れも学びます。
朝のホームルーム|ロマンス詐欺の相談
放課後の水槽みたいな夕焼けの中、三岡新入生が、スマホを見ながらにやにやしています。そして、ブレザーの袖が、ゆらゆら揺れています。
三岡「あの、アプリで知り合った人が、すごく優しくて。でも、会ったことはないんですけど、将来のために一緒に投資しようって。ぷくっ(ふくらみ1回)。それで、ロマンス詐欺と投資の見分け方って、あるんでしょうか」
そこで、村野教頭が出席簿を閉じます。「三岡さん、出席です。ただ、笑うところではありません。では、授業にしましょう」

たとえば毎月5,000円ずつ、ランチを我慢して貯めたお金。それを、顔も知らない人の口座に送る前に、立ち止まる合図を3つだけ覚えて帰りましょう。
ロマンス詐欺の投資話は
3つの合図で見分ける
警察に相談
1ロマンス型投資詐欺の流れ
2被害額(2026年8月末まで・億円)
認知件数はロマンス詐欺3,506件、SNS型投資詐欺7,097件(警察庁の暫定値)。
3振り込む前の3つの合図
- 会ったことがない人がお金の話をする
- 「投資」に誘導された
- マッチングアプリで知り合い早くLINEへ誘われた
4数字で見る
授業:ロマンス詐欺型の投資詐欺
村野教頭「要点は3つです。私が教えます」
要点1:ロマンス詐欺の手口は、声だけの先輩から始まる
放送室のDJの声は毎日聞くのに、顔は一度も見たことがない先輩。もちろん、その先輩に、購買部のパン代を貸す人はいません。ところが恋愛感情が入ると、貸してしまうのが、この詐欺です。
警察庁は、SNSやマッチングアプリで出会った相手と、実際に直接会うことなくやり取りを続けて恋愛感情や親近感を抱かせ、お金をだまし取る詐欺だと説明しています。そして、暗号資産の購入や架空の投資を勧め、初めは利益が出たように見せかけます。まず、流れは下の図のとおりです。

たとえば、警察庁の事例には、「2人の将来のために投資でお金を貯めよう」と言われ、専用アプリを入れ、指定された口座に振り込んで約300万円をだまし取られた40代男性の例があります。また、国民生活センターの事例では、出金しようとすると認証金を追加で求められ、60歳代の方が総額約500万円を送っていました。
ニッコリ先生が軍服の襟を正します。「諸君、入学金は元が取れたか。ただ、恋の入学金は、取れんのだ」
要点2:数字で見る、いまの規模
警察庁が2026年10月2日に公表した暫定値では、2026年8月末までのSNS型ロマンス詐欺は、認知件数3,506件、被害額325.8億円です。一方、SNS型投資詐欺は、7,097件、937.4億円でした。

三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」

村野教頭「月額の話ではありません。ただ、2026年上半期の既遂1件あたりの被害額は、ロマンス詐欺で984.1万円でした。つまり、1件が重いのです」
2026年上半期の分析では、ロマンス詐欺の被害は40代から60代が約8割です。最初の接触はダイレクトメッセージが約9割で、ツールではマッチングアプリが最多でした。さらに、警察庁は、ロマンス詐欺の手口のうち、投資の勧誘などでお金をだまし取るものが約8割だとしています。
要点3:ロマンス詐欺を見分ける合図は3つ
まず、警察庁が挙げる合図を、下の図にまとめました。そして、1つでも当てはまれば、お金を振り込む前に、迷わず警察に相談するよう呼びかけています。

実は、写真や翻訳アプリ、AIを使えば、他人になりすますことは簡単です。つまり、どんなにチャットや電話で仲良くなっても、会ったことがなければ、本人とは限りません。
さらに、投資話が出たら、相手の業者が登録を受けているかも確認します。なお、金融庁は、日本で登録を受けずに金融商品取引業や暗号資産交換業を行うことは違法だと説明しています。また、この確認の進め方は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
SNS上の投資勧誘や「元本保証」「毎月○%の利益」をうたう話に注意し、登録の有無を金融庁の検索で確認する手順を、準備の7つめとして整理しています。
参考:資産運用を始める前の準備の手順を整理
最後に、相談先は、消費者ホットライン188、警察相談専用電話の#9110です。さらに、金融庁の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」は、0570-050588(平日10時から17時)です。なお、契約や法律の判断は、専門家にも確認してください。
小テスト|ロマンス詐欺の見分け方
問題。会ったことのない人から「2人の将来のために、投資でお金を増やそう」と言われました。振り込む前に、いちばん先にすることは、どれでしょう。
- A. 警察や消費生活センターに相談する
- B. 少額だけ送って、様子を見る
- C. 相手が見せてくれた投資サイトの利益画面を信じる
答えはAです。なぜなら、警察庁は、1つでも当てはまればお金を振り込む前に警察へ相談するよう呼びかけています。一方、Bのように試しに送っても、警察庁は、一度だまされると詐欺と気づくまで何度も振り込んでしまうことがあると注意しています。また、Cの利益画面は、見せかけの場合があります。
今日の宿題
まず、スマホのメモに「会ったことのない人にお金は送らない」と1行書きましょう。そして、その下に、188と#9110の番号を添えます。3分で終わります。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、授業のあいだ、ずっと寝ていました。最後に、そっと片目を開けます。
校長「……顔の見えぬ海流には、足を、のせぬ……」

そう言うと、校長はまた寝ました。ぐう。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!お届けのパンは準備中でやんす。焼き立てを、お楽しみに!」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
三岡「誘われるのは、恋だけじゃないんですね。誘う側の仕組みも、見てみたいです」村野教頭「それならのれん分け科へ。マネッコ先輩が、のれんの中身を教えます」
一次情報は警察庁「2026年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等についてでも確認できます。一次情報は警察庁「2026年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等についてでも確認できます。
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出典と確認日
確認日:2026年10月25日
- 警察庁「SNS型ロマンス詐欺」:https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/sns-romance/romance/
- 警察庁「2026年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」:https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/261002/01.html
- 警察庁「2026年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」:https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/260731/01.html
- 国民生活センター「SNSで勧誘される詐欺的な暗号資産の投資話 被害回復は困難です」(2025年12月11日):https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen530.html
- 金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」:https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/highrisk.html
この記事は学習用の情報で、契約や投資の勧誘や助言ではありません。契約や投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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