この授業では、新社会人のお金の順番がわかります。また、給与明細から始める5つのステップも整理します。
朝のホームルーム|新社会人のお金の悩み
三岡新入生が、1枚の紙を握りしめて入ってきました。社会人になった卒業生の先輩から借りた、給与明細です。
「新社会人のお金は、やることがたくさんあると聞きました。NISA、iDeCo、保険……。何から順番にやればいいんですか」
ぷくっ(ふくらみ1回)。村野教頭が出席簿を読み上げます。「三岡くん、出席。明細は、机の上へ」

実は、新社会人のお金には順番があります。しかも最初の一歩は、投資ではありません。この授業では、制度の説明だけをします。また、特定の商品はすすめません。たとえば手取り21.5万円でも、先に1万円を別にして残りでやりくりする例が、公的な資料にあります。
新社会人のお金
制度を調べるのは5番目
手取り21.5万円
1お金の5つの順番
2給与明細から手取りを出す
27万円
4.1万円
1.4万円
3最初の一歩
- 給与明細で手取りを確認
- 固定費(家賃・通信費など)の見直し
- 給料日に自動で貯蓄用の口座へ
- 話題の投資をまず始める
- 手取りが分からないまま決める
4NISAの数字
53つの制度の説明
| 制度 | ポイント |
|---|---|
| NISA | 運用益が非課税。元本割れのおそれはなくならない |
| iDeCo | 掛金は全額所得控除。原則60歳まで引き出せない |
| 財形 | 勤務先が導入していれば、給与天引きで月1,000円から |
iDeCoは2026年12月1日に、拠出限度額と加入年齢の見直しが施行される予定です。
授業:新社会人のお金、5つの順番
そこで、教頭は黒板に、5つの四角を描きました。「J-FLECの資料の流れに沿って並べます。まず、手取りを知る。次に、支出を見直す。さらに、先に貯める。そして、お金を分ける。最後に制度です」

上の図のとおり、制度を調べるのは5番目です。では、順に見ていきます。
ステップ1・2 新社会人のお金は、手取りと固定費から
まず、給与明細から手取り収入を把握します(J-FLEC)。つまり、総支給額から、社会保険料と税金を引いた額です。会社員の社会保険料は、給与天引きで納付されます。

資料の例では、総支給額27万円から、社会保険料4.1万円と税金1.4万円を引いて、手取りは21.5万円です。これは例で、人によって違います。
次に、支出を固定費と変動費に分けます。見直しは、まず固定費(家賃、通信費、サブスクなど)から。毎月ずっと続く支出なので、一度見直すと効果が続くからです。
ステップ3・4 先に貯めて、お金を分ける
金融庁は、給料日に一定額を自動で貯蓄用の口座に移すなど、先に貯蓄に回す方法をすすめています。J-FLECも「先に差し引くことがポイント」と説明しています。例では、先に1万円を差し引くと、やりくりは最大20.5万円です。
「先に1万円……。ひぇっ、それ、月いくらからですか?」と三岡。
「1万円は資料の例です」と教頭。「無理のない額が、あなたの答えです」

続いて、貯めたお金は、「使う」「貯める」「増やす・備える」の3つに分けます。そして緊急時の備えも考えます。何か月分かは人によって違います。公的な資料(金融広報中央委員会、金融庁)には、生活費の3か月〜1年分という目安もありますが、毎月の支出と家族の事情で変わります。
なお、この流れは、別の解説記事でも7つの手順で詳しく書かれています。
運用を始める前に、手取りと支出をつかみ、緊急用の資金を考える準備を、7つの手順で整理しています。
参考:資産運用を始める前の準備の手順を整理
ステップ5 制度を知る
最後に、制度は、仕組みの説明だけです。

上の表のとおり、NISAは運用益が非課税になる制度です。通常は約20%の税金がかかります(金融庁)。また、年間の投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円。非課税で持てる総額は1,800万円までです。ただし、元本割れのおそれはなくなりません。
一方、iDeCoは、個人で加入する私的年金です。掛金が全額所得控除の対象になり、運用益も非課税ですが、原則60歳まで引き出せません。財形は、勤務先が導入している場合に、給与天引きで月1,000円から積み立てられます。
ただ、iDeCoは、2026年12月1日に、拠出限度額と加入できる年齢の見直しが施行される予定です(厚生労働省、2026年10月25日確認)。最新の内容は公式サイトで確かめてください。別の解説記事でも整理されています。
iDeCoは2026年12月1日に、拠出限度額の引き上げと、加入できる年齢の引き上げが予定されていると、厚生労働省の資料にもとづいて整理しています。
参考:iDeCoは2026年12月から何が変わる?質問と答え
すると、三岡が叫びました。「SNSで、元本保証で毎月儲かるって見ました!」

「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。その話は、まずにおいます」と教頭。実は、J-FLECの資料は、毎月・毎年○%儲かる投資はあり得ない、と書いています。ぷくっ(ふくらみ2回)。困ったときは、消費者ホットライン188に相談できます。
税金や保険料の細かい扱いは、勤務先の担当者や税理士などの専門家に確認してください。
小テスト|新社会人のお金の確認
新社会人のお金の最初の一歩として、合っているものはどれでしょう。
- A 話題の投資を、まず始める
- B 給与明細で、手取りを確認する
- C NISAの枠を、使い切ることを目指す
答えはBです。つまり、手取りが分からないと、支出も、先に貯める額も決められません。
今日の宿題|新社会人のお金の第一歩
5分でできます。まず、給与明細(Web明細でもかまいません)を開いて、総支給額、社会保険料、税金、手取りの4つを紙に書き出してください。しかも、お金はかかりません。
校長のひとこと
シーラカンス校長は、5つの四角が黒板に並んだころから、静かに寝ていました。
終わりのチャイムで、片目が開きます。
「……泳ぐ前には、準備体操じゃ。新社会人のお金の準備体操は、手取りの確認じゃ。……ぐう」
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!家計簿のお供を探しとりやす。ただいま準備中ですので、また来ておくんなせえ」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次は積ん読科の教室です。ホズミ先生の本棚には、お金の本が並んでいます。社会人1年目の本棚には、どれがふさわしいのでしょうか。
金融庁は、登録・免許を受けた金融機関の一覧や、無登録業者への注意喚起を公式サイトで公表しています。
合わせて読みたい
出典と確認日
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「社会人として知っておきたいお金の話」(2026年6月版):https://j-flec.go.jp/wpimages/uploads/standard_young_202606.pdf
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「資産形成の基本」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/index.html
- 厚生労働省「2025年の制度改正(私的年金:iDeCo・企業型DC)」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2025kaisei.html
- 金融広報中央委員会 知るぽると「初めての1人暮らし、賢いお金の管理術」:https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/hitori_kurashi/hitori_kurashi_007.html
- 金融庁「基礎から学べる金融ガイド」:https://www.fsa.go.jp/teach/kou4.pdf
- 確認日:2026年10月25日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
この学科の記事を読む順に並べたページは、ゼロから普通科のまとめ|記事の一覧と読む順番です。
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