朝のホームルーム
キーンコーンカーンコーン。2年B組の黒板に、でかでかと「期末テスト対策・一夜漬け教室」。三岡新入生のノートは、全ページ蛍光ペンの黄色です。全部が大事だと、全部が埋もれます。
「NISAの枠が、まだ残ってるんです。年末に駆け込めば、間に合いますよね」
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとり、蛍光ペンを取り上げました。「今日は、年内にやることを3つに絞ります」
2026年10月23日時点の情報です。最新の情報は公式サイトで確認してください。使い残した枠は、来年に持ち越せません。でも、残りを確かめるだけなら、お金はかかりません。
授業:年内にやること3つ
教頭が、黒板に3行だけ書きました。NISAの枠を確認する。口座と報告書を確認する。来年の積立を見直す。図にすると、こうです。

1つ目:NISAの今年の枠を確認する
使い残した年間投資枠は、翌年に繰り越せません。使い切る義務もありません。確認するのは「あといくら残っているか」だけです。枠のしくみは、2回目の授業で扱いました。
もう1つ、大事な決まりがあります。枠を使った年は、買った日ではなく、受渡日(商品と代金が入れ替わる日)で決まります。受渡日が12月31日以前でないと、今年の枠になりません。売買が成立する約定日(やくじょうび)と受渡日の間隔は、商品によって違います。
三岡「じゃあ、大みそかに駆け込めば!」。教頭「12月31日は、東京証券取引所の休業日です」。ぷくっ(ふくらみ1回)。三岡「……カレンダーを見ていませんでした」
2026年は、12月31日(木)が東証の休業日です。なので、年内の最後の売買日は12月30日(水)になります。下の図のとおりです。

ただし、受渡日が年を越すと、来年の枠になります。ぎりぎりを狙わず、余裕をもって注文するのが安全です。12月下旬の積立も、受渡日しだいで来年の枠に入ることがあります。
2つ目:口座と年間取引報告書を確認する
NISA口座の利益や配当は、非課税です。NISA口座だけなら、原則、確定申告は不要です。
NISAとは別に、特定口座で売買している人は、確認が増えます。特定口座(源泉徴収あり)なら、証券会社が税金の計算と納付をしてくれて、原則、確定申告は不要です。ただし、ほかの口座の損益と合わせたいときなどは、確定申告が必要です。
1年分の取引をまとめた特定口座年間取引報告書は、証券会社から届きます。下の図が、口座ごとの早見表です。

三岡「えっ、申告って、むずかしそうです」。ぷくっ(ふくらみ2回)。教頭「細かいところは、国税庁の公式サイトか、税理士さんに確認してください。今日は『自分の口座がどのタイプか』を知るだけで合格です」
会社員なら、この時期は年末調整の書類も出てきます。この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
年末調整の手続きの流れ、提出する申告書と添付書類、今年の改正点を、国税庁の資料をもとに整理した記事です。
参考:2026年分の年末調整、流れと必要書類を整理
3つ目:来年の積立設定を見直す
積み立てている人は、来年の金額を決めておきます。つみたて投資枠の年間120万円を12か月で割ると、月10万円。これが満額の目安です。満額が正解、という意味ではありません。暮らしに無理のない額が、いちばんです。

三岡「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」。教頭「暮らしに響かない額から、です。たとえば毎月5,000円なら年6万円。枠の20分の1です」
金額を変える方法と、いつから反映されるかは、会社ごとに違います。アプリのどこで変えるかだけ、年内に見ておくと安心です。
三岡「SNSで、年内限定の特別な投資話を見ました」。教頭「年末は『今だけ』が増える季節です。うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい」
来年の予定も1つ。金融庁のサイトでは、2027年1月からつみたて投資枠の年齢要件がなくなると案内されています。0〜17歳も口座を開けるようになります。
小テスト
今年のNISAの年間投資枠を、使い残しました。その枠は、どうなる?
- A:来年の枠に上乗せされる
- B:来年に繰り越せない
- C:自動で貯金口座に移る
答えはBです。使い残した年間投資枠は、翌年に繰り越せません。だから、残りを「確認する」だけで十分な宿題になります。
今日の宿題
証券会社のアプリかサイトで、NISAの「今年の投資枠の残り」を見てみます。口座がまだの人は、金融庁のNISA特設サイト(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html)で、年間投資枠の数字を読むだけで合格です。
校長のひとこと
一夜漬けの教室で、いちばん先に寝ていたシーラカンス校長が、むくりと起き上がりました。「……わしは4億年、年末に駆け込んだことがない」また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは焼き上がり待ちでやんす。準備中ですので、もうしばしお待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次は、積ん読科の教室へ。年末の大掃除で、本の山から読んでいない本が出てくる予感。三岡は、扉の前で深く息を吸いました。
出典と確認日
- 日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』(2026年9月版) https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/tax/files/202609_nisa_qa.pdf
- 日本取引所グループ(東京証券取引所)休業日のカレンダー https://www.jpx.co.jp/corporate/about-jpx/calendar/index.html
- ネット証券の公式お知らせ(2025年12月・NISAの枠は受渡日で判定する説明) https://info.monex.co.jp/news/2025/20251217_03.html
- 国税庁 タックスアンサー No.1476 特定口座制度 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1476.htm
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー 特定口座(源泉徴収あり)とは https://www.keisan.nta.go.jp/r2yokuaru/cat2/cat21/cat219/yogosetsumei/gensenchoshukoza.html
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト(制度の概要・2027年の変更) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
確認日:2026年10月23日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。