朝のホームルーム
2026年10月28日の朝、三岡新入生が教室へ入るなり、村野教頭に駆け寄りました。「投資信託の純資産総額が361兆円で、2ヶ月ぶりに減ったそうです。減ったということは、みんなが逃げ出したのですか」。
教頭は出席を取りながら言いました。「慌てる前に、数字を分けて見よう。総額が減る理由は1つではない」。三岡はノートを開き、361兆円という大きな数字を書き留めました。自分が将来持つかもしれないお金の入れ物が、どう増え、どう減るのか。その仕組みを知ることが、2026年10月26日のニュースを読む第一歩です。

純資産総額は2つの増減でできている
361兆円の読み方
361兆円



1報道で示された3つの数字
2増減を分ける2つの箱
- 入るお金が増えると総額は増える
- 中身が値下がりすると総額は減る
3ニュースを読む3手順
授業:純資産総額は2つの増減でできている
村野教頭は、要点を3つに分けて教えました。
要点1 純資産総額は「入れ物全体の値段」
投資信託(お金を集めて、専門家が株や債券などに分けて運用する仕組み)の純資産総額とは、その投資信託が持つ資産の合計から、費用などの負債を差し引いた金額です。1つの投資信託なら、その入れ物全体の値段を表します。公募投資信託全体で集計すれば、市場全体の入れ物の大きさが361兆円だった、という読み方になります。
ここで大事なのは、純資産総額は「もうかった金額」ではないことです。集まったお金の大きさと、中身の値段の動きが合わさった結果です。三岡が「ひぇっ、それ、月いくらからですか?」と聞くと、教頭は「たとえば毎月5千円を入れる人もいる。ただ、金額の話の前に、増減の分け方を覚えよう」と返しました。

要点2 入って増える分と、出ていく分
純資産総額は、新しいお金が入れば増え、解約などでお金が出ていけば減ります。この出入りを資金流入・流出と呼びます。2026年10月26日の報道では、資金流入は16ヶ月連続でプラスだったと、NEWSjpで報じられました。つまり、お金は入り続けていたのに、総額は2ヶ月ぶりに減ったのです。三岡はぷくっとふくらみました(ふくらみ1回)。「入っているのに減るなんて、入れ物に穴ですか」。
教頭は首を振りました。「穴ではない。もう1つの増減がある」。なお、保有する投資信託やNISAの口座を別の金融機関へ移したい場面では、総額の増減とは別に、手続きと期限の確認が要ります。この点は、別の解説記事でも詳しく書かれています。
NISAの金融機関の変更は、手順と期限を先に整理しておくと進めやすいテーマです。
参考:NISAの金融機関を変えるには?手順と期限を整理
要点3 値動きで減る分
投資信託の中身は、株や債券などの資産です。その値段が下がれば、入ってくるお金があっても、入れ物全体の値段は下がります。今回の報道では、海外資産が減少したとされています。つまり、16ヶ月連続でお金が入りながらも、値動きによる減少の方が大きかった、という読み方ができます。
たとえ話を1つだけします。教室の水槽の水の量は、注ぐ水の量と、蒸発して減る量の両方で決まります。水を注ぎ続けても、減る量が多ければ水位は下がります。純資産総額も同じで、流入と値動きを分けて見ると、見出しの意味が変わります。教頭は言いました。「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。怪しい話だけでなく、大きな数字も、まず分けます」。
筆者からの確認事項は3つです。1つ目は、総額がいくらか。2つ目は、お金の出入りがプラスかマイナスか。3つ目は、値動きが増やしたのか減らしたのか。この3点を押さえれば、361兆円という数字を、ただ大きいと眺めるだけでは終わりません。
小テスト
問題:資金流入がプラスなのに純資産総額が減ったとき、考えられる理由はどれでしょう。A:お金が入ると総額は減る決まりだから。B:中身の資産の値下がりが、入ったお金より大きかったから。C:集計の対象が無くなったから。
答えはBです。総額は、お金の出入りと値動きの両方で動きます。
今日の宿題
気になる投資信託のニュースを1つ選び、純資産総額の増減を「お金の出入り」と「値動き」の2つに分けて、ノートに3行でメモしてください。5分でできる確認です。
校長のひとこと
授業の間、眠っていたシーラカンス校長が目を開けました。「総額は、入った分と動いた分に分けて見よ」。そう言って、また眠りました。

投資信託の純資産総額などの統計は、投資信託協会が公表しています。金融政策や資金循環などの統計は、日本銀行が公表しています。金融商品のルールや注意喚起は、金融庁が公表しています。
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出典と確認日
- 出典:NEWSjp
- 確認日:2026年10月28日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。
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