朝のホームルーム
昼休みに「太陽光 投資」で検索した三岡新入生が、スマホを抱えて教室に戻ってきました。「教頭先生、『インフラファンド』っていうのが出てきました。発電所を持つ会社の……ひぇっ、それ、月いくらからですか?」ぷくっ(ふくらみ1回)。
村野教頭(エレファントノーズ)が出席をとります。「今日の授業は『インフラファンドとは何か』です。買う話ではなく、仕組みを見る話ですよ」
実は、東京証券取引所には、太陽光発電施設などを持つ会社が上場する専用の市場があります。株と同じ証券会社で売買する仕組みです。
授業:発電所を持つ「上場ファンド」の3つの顔
教頭「文化祭で、クラス全員がお金を出し合って、焼きそばの屋台を1台持ちます。屋台の運営は、手慣れた運営係に貸します。晴れた日は売上が増え、雨の日は減る。そこから出た利益を、出したお金に応じて分ける。これがインフラファンドの形です」
顔1 しくみ
取引所は、太陽光発電施設などのインフラ施設を投資対象にした、投資法人などが上場する市場を設けています。しくみはREIT(不動産を持つ上場の仕組み)と基本的に同じで、集めたお金で施設を持ち、収益を投資家に分配します。市場ができたのは2015年4月30日です(2026年10月23日確認)。
下の図のように、投資法人は施設を運営者(オペレーター)に貸し、賃料を受け取ります。もとをたどれば、運営者の売電収入です。

対象は、原則として、稼働して1年以上たち、安定した収益が出ている施設で、建設中は対象外です。ムコブカ主任(デンキウナギ)がうなずきます。「放電は得意、貯めるのは苦手。安全確認、ヨシ! ……分配は、放電に似ていますね」
顔2 市場の大きさ
取引所の研究会の報告書(2025年3月)によると、市場ができてから報告書の時点までに、7銘柄が上場し、2銘柄は上場廃止になりました。資産規模は、当時の5銘柄の合計で3,115億円(2024年12月末)。2020年2月から報告書の時点まで、新しい上場はありませんでした。個人投資家は、8万人を超えると書かれています。
その後の動きは、取引所の銘柄一覧(2026年3月11日更新)で分かります。一覧には5銘柄が載り、最新の上場日は2026年3月10日です。数字は古くなるので、最新は一覧で見てください。
報告書は、分配金の利回りが上場株式やJ-REITより高いとも述べています。数値は示されていません。教頭「うまい話のにおいは、だいたい分かります。だいたい。高いのには、理由があります」
顔3 リスク
取引所のリスクの解説には、制度が変わる危険、天候で発電量が動く危険などが並びます。電気の買い取りの制度(FIT・FIP)の変更や、発電を抑える出力制御で、売電収入や賃料が減る可能性があります。太陽光は、日射量の変動や悪天候の影響も受けます。
値段も動きます。同じ報告書では、2021年末を100としたとき、2024年末の水準(2025年以降は含みません)は、TOPIXが139.8、東証REIT指数が80.0、東証インフラファンド指数が57.1でした。下の図のとおり、3つの指数で動きは大きく違います。

三岡「下がることも、あるんですね……」ぷくっ(ふくらみ2回)。教頭「過去の動きで、今後の予想ではありません。元本が割れる可能性は、きちんと見ておきます」
設備を自分で持つ投資との違いは、別の記事でも整理されています。
設備を自分で持つ蓄電池投資は、市場で毎日値がつく株や投資信託より換金しにくく、中長期で持つ前提になると比べた記事です。
参考:設備を持つ投資と、株・投資信託の違い
設備を自分で持つ現物型と、運営会社が資金をまとめて運用するファンド型の違いを整理し、元本や利回りは保証されないと注意する記事です。
参考:現物保有とファンド型の違い
下の図は、調べるときの5つのポイントです。一覧は取引所のページで見られます。分配金への税金などは、税理士や証券会社に確認してください。

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小テスト
インフラファンドについて、正しいのはどれ? A 元本が保証されている B 太陽光発電施設などを持つ投資法人が上場する市場の商品で、値段は動く C 売買できるのは年に1回だけ
答えはBです。Aは、そんな約束がどこにも書かれていません。Cの年に1回は、屋台の文化祭の話でした。
今日の宿題
取引所のインフラファンドのページを開き、「銘柄一覧」を眺めてみましょう。5分で終わります。買う必要も、口座を開く必要もありません。
校長のひとこと
ここまで寝ていたシーラカンス校長が、目を開けました。「……屋台の売上は、お天道様しだいじゃ。わしは4億年、天気予報を信じて傘を忘れたことがない」また寝ました。
放課後・購買部
購買部のマネッコ先輩「へい、らっしゃい!今日のパンは、屋台の鉄板で下ごしらえ中でやんす。準備中ですので、少々お待ちを」
教頭の補習(希望者だけ) もっと突っ込んで知りたい人へ。ウハウハ高等学校には、月額1,000円の有料オンラインコミュニティがあります。最新情報の配信、チャットでの質問、会員同士の交流ができます。入りたい人だけ、入学案内をのぞいてください。コラムは、これからもずっと無料で読めます。
次回予告
次回は、サロン見極め科の教室です。軍服の金魚、ニッコリ先生が、「入学金が高い学校の見分け方」を書いています。サロン見極め科の教室へ
出典と確認日
- JPX「概要(インフラファンド)」:jpx.co.jp/…/outline/
- JPX「投資リスク(インフラファンド)」:jpx.co.jp/…/risk/
- 東京証券取引所「今後のインフラファンド市場の在り方研究会 報告書」(2025年3月):jpx.co.jp(PDF)
- JPX「インフラファンド入門」:jpx.co.jp/…/001.html
- JPX「銘柄一覧(インフラファンド)」:jpx.co.jp/…/issues/
- 確認日:2026年10月23日
この記事は学習用の情報で、投資の勧誘や助言ではありません。投資の判断はご自身でお願いします。先生や生徒の名前はフィクションで、実在の企業・団体・人物とは関係ありません。